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自分をSEOする|『Work in Tech!』

「実践読書」24冊目は、森山大朗さんの『Work in Tech!』です。

森山さんは新卒でリクルートに入社した後、ビズリーチやメルカリ、スマートニュースといったユニコーン企業に次々と転職し、キャリアを発展させてこられた方です。

興味深いのは、「文系学部卒」の「営業職」という一般的なキャリアのスタートがだったにもかかわらず、上記ユニコーン企業では「エンジニア組織のマネジメント」や「プロダクトマネージャー」として活躍しているということ。

なぜそのような変化が可能だったのでしょうか。

それは「急成長企業に身を置いてきたから」だと言います。

急成長企業には「凡人を進化させるメカニズムがあり、そこに身を置くだけで、必然的に成長を余儀なくされるため、個人の努力以上に、場所選びの影響が大きいのです。

だからこそ森山さんは、

  • 「転職するなら急成長企業」

  • 「もっと多くの人が、ユニコーンと呼ばれるような急成長企業に飛び込んでほしい」

と述べています。

私が実践したいと思ったのは「自分をSEO」するというトピックです。

自分をSEOする

これは、転職マーケットにおいてネット上で企業のほうから見つけられる「仕組み」をつくっておく、ということです。

転職活動は「必要になったときだけ行うスポット的な活動」である必要はありません。自分が必要なときに慌てて「仕事を探す」と、タイミングを逸したり、条件交渉でも弱い立場に立たされてしまいます。

そうではなく、365日間、自分が誰かに伝えられる情報や届けられる価値を発信したり、それを喜んで受け取ってくれる「人」と「場」を探したりして、「自分をSEOする」ことを勧めています。

  • 「世の中には、どんな困りごとを抱えた人がいるだろうか?」

  • 「自分のスキルや実績が、どんなシーンで誰の役に立つだろうか?」

  • 「どんな企業のどんなポジションの人が自分と仕事をしたがるのだろうか?」

こういったニーズを想像して「情報の流れ」を作っておくと、適切なタイミングで、その流れを"逆流”してくるように、意外な案件が舞い込んでくると言います。

以下のサービスやプラットフォームに自分のアカウントがほとんどない人は、「転職マーケットに存在していないのと同じ」です。

  • SNS(Twitter、Facebook、Instagram)

  • ビジネスSNS(LinkedIn、YOUTRUST、Yenta)

  • ビジネスマッチングアプリ(Yenta)

  • スカウトデータベース(ビズリーチ)

  • テキストサービス(ブログ、note)

  • 音声プラットフォーム(Voicy)

これらのSNSアカウントは「美女読書」としては持っていますが、個人アカウントは利用していませんでした。

今後はLinkedIn、YOUTRUST、YentaなどのビジネスSNSやビジネスマッチングアプリにも登録して、転職マーケットでも見つけてもらえるよう、自らをSEOしていこうと思います。

といっても、単にアカウントを作るだけで仕事が舞い込んでくるものではありません。企業側から興味を持ってもらい、声をかけてもらうためには、自分の市場価値を高め、情報発信やコミュニケーションをとっていく必要があります。

本書では、「市場価値のつくり方」として、「自分にハッシュタグをつける」という方法を紹介しています。

自分の市場価値のつくり方

自分にハッシュタグをつける

自分の市場価値をつくるためには、価値のある何かしらの「タグ」を自分につけ、それらをかけ合わせる必要がある。

これは「LinkedIn(リンクトイン)」の日本代表・村上巨さんの著書『転職2.0』で紹介している考え方です。

「ハッシュタグ」とは、

  • 特定のスキル

  • 資格

  • スコア

だけでなく、

  • 勤務先

  • 部署

  • 職種

  • 携わったプロジェクト

  • そのなかでの自分の役割

など、それらすべてを内包したキーワードを指します。

注意が必要なのは、「自分がなりたい自分」ではなく、「客観的に見たときの自分」をもとに価値を設計するということです。

どれだけ珍しいタグを持っていても、需要がなければ市場価値はありません。新たな自分をつくっていくためには、あくまで「マーケット・イン」の発想をすることが大切だと森山さんは言います。

マーケットでの需要を見据えながらハッシュタグをかけ合わせていくことで、人材の価値が高まり、段々と希少価値の高いタグを得られるようになっていく。そこで得たタグがまたどこかのタイミングで、次のチャレンジを支えてくれる。

こうして自分の市場価値を高めていくことができます。

たとえば森山さんは、「サービス立ち上げの経験」が買われてビズリーチに入社し、そこで「 #検索技術」というタグを得て、それをきっかけにメルカリに転職したそうです。

メルカリでは「 #検索技術」というタグと引き換えに「#ビジネス英語」や「#海外へのチャレンジ」、「#Eコマースの検索改善」というタグを手に入れ、英語で仕事をする環境を得ました。

その後、メルカリで得た「#エンジニア組織のマネジメント経験」「#AIを扱えるプロダクトマネージャー経験」というタグと、スマートニュースでの「#AIを活用したショッピング広告最適化の経験」とを交換し、スマートニュースでは、「#ショッピング広告プロダクト」「#検索と広告を共存させる技術」というハッシュタグを手に入れようとしているそうです。

このように自分が持つスキルや経験を、相手(会社)が持っているものと取引していく。「転職とは、自分の実績と新しい経験との取引」だと言います。

ちなみに、森山さんの現在のハッシュタグは以下の通り。

「#テクノロジー」「#転職」「#キャリア」「#メルカリ」「#スマニュー」「#ユニコーン」「#プロダクトマネージャー」「#検索アルゴリズム改善」「#エンジニア」「#Twitter」「#Voicyパーソナリティ」「#書籍の著者」

森山さんのタグを参考に、自分自身のタグも考えてみましょう。

どのようなタグに市場価値があるのかわからない場合は、以下の2つを実践しましょう。

  • 求人需要と人材供給のバランスが崩れ、「明らかに需要のほうが増加している職種やスキル」を調べる。

  • 資金調達に関するニュースや、ベンチャーキャピタルが発表している出資先の企業を見る。

独学による「実践知」で面接官を唸らせる

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