感情は命の源、そして継続する知恵

ある日ふと、全てが終わってしまってもいいと思ってしまう無気力な日、誰もが訪れたことがあると思う。教訓として聞く『継続は力なり』というこの言葉は「何事も続けているれば、そのことは上達するよ」という意味だと思うが、生きることはある意味、継続の賜物。朝起きて、食事、仕事、勉強、運動、諸々のことをちゃんと継続していかなければ命が途絶える。動物たちは皆本能でやっているだろう事柄を、人間は本能以外に知能、知性、使ってやる。

若い人より、人生を重ねてきた人の方が、それなりの継続する知恵がある。

12〜14歳頃から、人間の子供たちは思春期を迎えて、哲学的な悩みを持ち始める。そして時に人生経験の間で『死』を選択してしまおうとする事がある。それは本能的ではない、継続的ではない、唯一の選択。

これがいい、あれがいいと、色んな人生を見聞きして、でも人の数ほど、良いということはあるわけだから、それを全部試せる訳が無い。結局は、「自分に何が良いか」という選択をして実行し命を継続できるか、、、。

人と実際に会って話したり、SNSやテレビ、新聞雑誌、または書籍などを通してあれこれ見聞きしたり、それらのことを試したりしたくなるのは、人間の「知識欲」から来るのかな。でも、「生きているか、死んでいるか」の違いは「変化しているか、してしていないか」だと思っている自分にとっては、迷うとか悩むとかの感情が無いと生きている心地がしない。適度にそれら外部の刺激を必要とする。

そして、何も刺激を感じなくなってきた時、何か継続していることをふと諦めたくなった時、新しい事(モノ)好きな人には、「今日また新しく始めた」と思い込むという脳を騙す方法がある。私の場合は「一日一生」。朝起きた時、今生まれたと思ってその日を送る。いらない先入観は全て振り払って。

反対に、辛いことを続けたい時や、すでに疲れ切った体に100回数える追い討ちの腹筋や、プランク。そんな時は10ごとに区切ってそれを10回数えるのがおすすめ。10の位を覚えていないといけないが、一から百まで続けて数えるより楽な気がするので、オススメ。

とにかく、辛い時には、ハードルは低く設定。実際超えていないのかわからない程度のことを繰り返しているうちに、振り返れば出来ていたというのが、苦痛知らずで理想的。レッスンでは実践しながら、練習の仕方を教える。自分自身で応用できるようになるまでには、多少の時間を要する。

楽器の練習で繰り返しやることに、苦痛を感じる生徒達には、「3回続けて出来るまでやるゲーム」を勧めている。

「出来るまで頑張ってね!」と言って、やり続ける子は稀で、みんな割と打たれ弱い、、、。3〜5回やってできないと、「難しい〜」と根をあげる。そして更に10回やってみようと言われて、素直に気持ちよくやる子はまずいない。でも、「3回続けてできるまで頑張ってみて!」というとチャレンジできる子は多い。結果的にそれは20回〜30回練習することになっても。

もう一つ、全く動く気になれない時、特に義務化されていること、例えば日々の食事だとか掃除だとか、たまに入浴や、洗濯もしんどい、、、そんな事をやる気にしたい時、「今日が人生の最後の日だと思う」、、、となんだか、全てやっておきたくなるから不思議。

それでも、動く気力が全く起こらない時、、、それはただただ休むに限る。体のエネルギーをひたすらチャージさせてあげよう。生きる本能が目覚めるまで、知能、知性を休めるのだ。自分に優しくしてあげるしかない。

「何かを継続する、、、」それは一見同じことをしているように見えるが、実はそれはいろんな別の情報や方法のインプット、アウトプットを繰り返している。

もし全く同じものを毎日のようにインプット、アウトプットしているなら、つまらなくなって継続できなくなる。勉強や仕事が面白くないとか退屈だと感じているなら、きっとその作業の中に創意工夫が必要。

難しいことに行きあたって辞めたくなったり、投げ出したくなったりしたら、今の辛いところだけ見ないように。それは一過性の感情に過ぎない。自分はその前から変化してきたし、その後の未来もずっと変化していくはず。初心に帰って、心動かされた時の感情を思い出す。

感情が命の源。インプットとアウトプットの情報と、それに伴う感情さえうまくコントロールできれば、きっと生きやすくなる。動物のように本能に任せてみたら、自分に感情があることを思い出せるかもしれない。

浮き沈みするのが感情=人生。

それでいいんだ。ニュートラルな人生、ジェットコースターのような人生、人それぞれ、その人なりに生き続けていればいい。年々知恵が付いて、多少の浮き沈みにびくともしないで、乗り越えることが出来る様に。

娘に20歳の時に戻りたいかと聞かれた。断じて言う。何も知らなかった、何もできなかった、「あの頃には戻りたくない」





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