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2024 last5 intermission
ヴィッセル神戸U-18にとって2024シーズンの天王山となる大津高校とのアウェイゲームが近づいている。
元々は上期の11試合を終えて、下期のスタートとなる第12節に組まれていたカードだが、九州に襲来した台風の影響によって延期となっていた。その時点のヴィッセルは失点こそ少ないが中位、大津は圧倒的な勢いでロングスパートをカマしていた頃で、もし負ければ優勝を争うか細い道が完璧に閉ざされるような厳しい状況だった。現在の勝点7差、未消化数が多いことで数字上は自力で1差まで詰め寄ることができるというシチュエーションで迎えることができるのは、9連勝してきたチームの底力という他にない。何せ、その間に大津は1敗(広島ユース)しかしていないのだから。
ちなみに、彼らがここまで喫した2敗のうち、もう1敗も広島に負けたもので、あとヴィッセルとの引き分け1つ以外すべて勝利(18戦15勝)しているのである。とんでもないハイペースであり、そりゃ逃げる側も大変だろうが、追いかける側の重圧も相当なものだと思う。
1差まで肉薄できるといっても、全ての試合が終わった時点で追い抜かないと2位で終わるのは過去2シーズンと変わりがない。得失点差も大きく水を開けられている。並ぶだけでは足りないのは自明だ。延期分(大津戦と11/17鳥栖戦)を終えると、残るのは3試合のみ。いずれにせよ勝点2.0ペースを遥かに上回るハイレベルな優勝争いになるだろうが、この週末の大津戦で勝てなければその可能性も一気に遠ざかるだろう。引き分けでもほぼ終戦の心積もりで見守ることになる。それくらい今季の大津は半端なく強い。うっかり取りこぼすことを期待できるような相手じゃない。
開幕節の大津戦、2-2で辛くも引き分けた試合からその印象は変わらない。フィジカルだけでなく、ルーズボールへのアプローチ、奪ってからのプレイイメージの明確さ。こんなに完成度の高いコレクティブな高体連チームがあっただろうかという衝撃。メンタルに依存したプレスではなく、ひとりひとりが鋭敏で、奪うだけで終わらないシームレスな攻撃。同じ相手と10回やって3回も勝てないんじゃないか、だから(この開幕戦は)引き分けで十分だったな、と自分を納得させるしかない苦々しい感覚が未だ鮮明に残っている。2023年は大津高校サッカー部にとって憂悶な1年だったはずだが、そんな環境でも素質のある選手たちは当然のようにスケールを高めて、むしろ見せつけるかのように結果を残してきた。
ただ、9連勝しているヴィッセルも簡単には譲らない。GK亀田大河~CB山田海斗~MF濱崎健斗~FW吉岡嵐のセンターラインが基準となり、時間帯に応じて我慢の効く大人びたサッカーができるようになった。まあこれまでもエリートらしい毛並みの良さを活かして耐えることはできていたが、ひとり群を抜く健斗の超絶スキルだけで打開するのではなく、彼もチームのパーツになれるようになったからだと感じている。10番を背負ってきた健斗の変化が、結果としてチームの結びつきを強めていると表現したい。
故障で離脱していたアンカーの岩本悠庵が、先週のファジアーノ岡山U-18戦から本格復帰したのも心強い。年代別代表でチームから離れている里見汰福や瀬口大河といった選手の不在もあるが、ベンチも含めて選手層のバランスのよさは特筆すべきポイント。
某レポートでは選手たちの熱量という言葉で形容されていたが、突き詰めると相互理解の深化なのだろうなと思う。プロを目指してトレーニングに取り組む、掲げる戦術を理解する、自分の特長をチームに還元するという育成部門のコミュニケーション・プロセスが上手く回っているというのが強く感じる部分だ。勝敗はその先にある。
木曜のいぶきCグラウンド、リラックスした雰囲気でトレーニングができていた。明日金曜はもう移動日。チームは熊本に向かう。こんなに厳しいシビれる条件で挑める首位争いは滅多にない。Enjoyfootballしてほしいのが願いです。
10.26 第12節 vs大津高(A)
11.17 第9節 vsサガン鳥栖U-18(A)
11.23 第20節 vs帝京長岡高(A)
12.01 第21節 vs鹿児島城西高(H)
12.06 第22節 vs名古屋グランパスU-18(H)