ガージェリー・ブラック【ビール日記】
「GARGERY(ガージェリー)」は日本のビールの中でも、特異で面白い立ち位置をしている(個人的感想)
自社醸造ではなく委託醸造をするファントムブルワリーで、品質への拘りが強いだけじゃなく、お洒落感のあるブランド作り・雰囲気作りにも力を入れてる。
これらが合わさった、地域色の無い「プレミアムビール」もしくは「非地ビール・純クラフトビール的」な佇まい。
そういう面白げなポジションのビール。
なお私の記事だと、過去に柏のビアバー「Cluster 」さんで頂いている。クラスターさんもお洒落でサブカルの香りが漂う面白いお店だった。
またそのうち行かねば。
ちな今回のブラックは、東京都内の某ワインバーでいただいたのだが……ハッハッハ。ワインの味がわからんのでガージェリーばっかり飲んでました。
ワインを馬鹿にしてるわけじゃなく、ほんとにワインの良し悪しがわからんので。お店の人、自慢のワインを飲めなくてすいません。
さて、前置きが長くなったが、今回飲んだガージェリーブラック。
これは瓶銘柄。ガージェリーは樽と瓶では銘柄が違う。
ガージェリー・ブラックの全体的な印象は「スッキリ」。
この「スッキリ」はガージェリーのビール全般で感じる要素だ。
スタウトとして見ても当然スッキリ。ただスッキリしているだけでなく、飲み口が軽めでいつつ不思議にしっかりした飲みごたえがある。
控え目ながら甘さと豊潤さも感じられて上品なスタウトだ。
ボディには小麦系の軽い爽やかさがあって、これがロースト風味と合わさるとフルーティーなコーヒーやコーヒーリキュール風味に。さらにアルコールと合わさると、ちょっとしたダークフルーツ風味が感じられる。
ボディ自体はフルボディなのに飲み口に軽さがあってスッキリとした上品なビールになってるんだろう。
この手の度数とコクをはっきりと感じさせずに飲みやすいタイプは危ないんだよなぁ。めちゃめちゃ好き。
先鋭的ではないが、エレガントで美味くてシュッとしてるので、飲んで間違いない安心してゆったりできるビールでした。
■さて、ガージェリー余談。
話の枕ではブランドについて書いたが「ファントムブルワリー」については、委託醸造って言い方をしちゃうと、途端にこう…品質大丈夫なの?みたいな気がしてくる。
それはまぁ主に大手スーパーのだらしないPBのせいだったりとか、OEMで作られる微妙な観光商品銘柄のせいだったりするのだろうが。
ファントムブルワリーで有名な所といえば、ミッケラーがそうだった(最近は自社工場を作ったそうだが)。日本だと一騎醸造やビアバディさんがあったね。FAR YEASTもファントムブルワリーからスタートしてる。そういやビアバディさん引退しちゃったのかな。知ってる人いたら教えてください。
ガージェリーの場合は製造をエチゴビールに委託。しかもガージェリーのブルーマスター(醸造責任者)佐々木さんが工場側と綿密にやり取りして醸造管理していたと聞く。それなら品質も安心そう。
エチゴビールの品質は地ビール・クラフトビール界隈の水準以上だし、味も安定してきたし……。
と思っていたら、なんと佐々木さんは2020年からエチゴビールの工場長にも着任しているそうな。それもう、ほぼほぼ自社製造じゃん!佐々木さんそれほど有能なんですか!!!
そのあたりの話は俺の駄文より公式ページ読む方が間違いない。
ついでに言うと、ビアスタイル21さんはキリンビール内のベンチャープロジェクトが発祥で、今はキリン資本を離れて独立した会社となっている。
あれ!?それって某に比べて立派なクラフトビールjy
話を戻すと、基本的にブルーパブへ飲みにいく俺のスタンスではガージェリーを飲む機会はほとんどなくなっちゃうのだが、今回のようにアウェーなお酒の店に連れていかれた時に出会えると、これはもう救いの神ですよ。メシアですよ。頼んで大大正解品質の間違いなさって助かるよね。