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ヴァイツェンボック飲み比べ・門司港レトロビール
■長い前置き
店頭でビールを購入する時、どこから情報を得るのか。
たいていはラベルに書かれた醸造所とスタイルを見て決める。気が向けばラベルの細かい文から情報を得る。これが海外ビールの場合は、英語をもう少し真面目に勉強しておけばよかったな…と思う瞬間である。
稀に銘柄名やデザインに惹かれて買うこともある。
こういった情報を精査して買うのは自己判断と自己責任の分野だが、時々ラベル記載の情報が不足して読み取れないことがある。
特に今回とりあげるヴァイツェンボック、ないしボックスタイルのビールだ。
ご存じない方に簡単に説明するとボック、ヴァイツェンボックはドイツのビールスタイル。最低でも度数6%以上のハイアルコールタイプで、麦芽が濃くて美味い。私は好きだ。ヴァイツェンボックは小麦麦芽を使うことが特徴のヴァイツェンのボック版だと捉えてくれればだいたいあってる。
さてそれで、何が問題なんだと言われると。ボックには色味が黄色のヘレスボック(マイボック)タイプと、色味が濃い褐色~黒色のトラディショナルボックがあるのだ。ヴァイツェンボックもこれに倣って黄色とダークとがある。黄色と濃色のボックは風味が共通する部分もあれば異なる部分もあるため、ラベル情報だけを元にして購入すると、しばしば思っていたのと違う風味のビールを買うことになる。
そこまで致命的なことでもないが、気になる範囲の困りん。
ここまでが長い前置き。
さっきから黄色と濃色では風味が違うってシツコク繰り返してきましたが、具体的にどう風味が違うのかを飲み比べてみましょう。
■ようやく本編
幸いなことに門司港地ビールさんがヴァイツェンボックの黄色タイプと濃色タイプ(デュンケル)の両方を作ってる上に、飲み比べセットを売っている。なんて粋なことをしてくれるんだ。買うしかないじゃない!
銘柄名はヴァイツェンストロング、ヴァイツェンストロングダーク。
両方ともに麦芽の味わいが中心。甘みが強めでトロ味も感じますね。香りはクローブとバナナが強いあたり、実にヴァイツェンボックらしい。特にバナナ風味に度数高めのアルコールが組み合わさって熟したバナナか、焼きバナナのような深い味わいになってくる。
梨やリンゴ、桃の果汁も少し混ざって発酵させたような風もある。
全体的に重厚感あるよな。
さて次は比較。黄色の方がやや風味が軽めでフルーティーさもフレッシュさが少し残っている。黄色系モルトらしい麦わらのような味わいと……少し硫黄っぽさを感じるかも?
ダークの方が口当たりの風味が濃い強い。バナナの熟し方がさらに進み、少し黒くなってるような味わい。そしてそこに少しチョコをトッピング。バナナバナバナチョコバナナ。焼きバナナでいえば、黄色い方はレア-ミディアム、ダークの方がミディアム-ウェルダン。この焦げというかブラウンな濃色風味には栗の薄皮のような渋さにもなって感じる気がした。
全体を飲み比べた感想としては、共通風味7割、違いが3割くらいだろうか。飲み比べてみると兄弟であるが全体的な印象の違いもはっきりしている。
やはり濃色ボックと淡色ボックはしっかりと区別して欲しいなぁ。
門司港地ビール・ヴァイツェンストロング/ダーク
スタイル:ヴァイツェンボック
都道府県:福岡県北九州市
醸造所:門司港地ビール
原料:麦芽、ホップ
アルコール度数:7.5%