ワイマーケット・肝臓破りの赤
酒類ってちょっと中二病入ったような悪趣味な名前のものがちょいちょいある。
魔王、サタン、ルシファー、クラーケンのような妖怪/悪魔系。
ディープスロート、ファッキングヘルのような下ネタ系。
そしてブラックデス、午後の死のような殺す/死ぬ系。
他にもいろいろあるけど。虫系の名前ついた酒とか。
今回のYマーケットのビールは肝臓破りの赤。Liver Destroyer RED。
殺す系。
肝臓破りってだけでも嫌なのに、さらに赤色をしている嫌らしさ。
ぜったい血だよ。破裂して出血してるよ。もしくは下から()
色味は綺麗な赤じゃなく褐色というか少し淀んでいるのがなかなかいい。
良いぞ!いかにも肝臓が悪くなりそうだ。
しかし。驚くほどに香りがいい。
フルーツの香りはトロピカルに加えて、イチゴにレッドチェリーやワイン、パリンカのようなフルーツブランデー香もある。これめっちゃハイアルのヤベーやつだよ、おい。
飲み口はスムーズでモルトが濃い…がモルトが単独で主張してくるのではなく、ココアやナッツチョコ。あるいはメープルシロップがかかったキャラメルコーンのような味わいで、フルーツの香りと合体してとても複雑に感じられる。
しかもそれが先味、中味、後味で変化し、また次の1口で異なる変化を見せる。ここまで複雑さを見せるビールもなかなか珍しい。
全体的にほんのりとした甘さがあるのも、まとまりが良い。
苦みも適度に強めでちょうど良い塩梅。
何よりやばいのは、ハイアルコールでアルコール風味を感じさせるものの臭みがなくて口当たりも良いこと。飲みごたえにコクと厚みはあるのにパンチは感じにくいので、飲み干しやすい…。心地いい……。
飲みごたえある風味と飲みやすさを両立させたところがレバーデストロイ。
いやぁ、インペリアルレッドというスタイルは、アンバーほどに香ばしさが前面に出るわけじゃあ無いから、美味さがわかりにくいし、バランスが難しいスタイルと思うのですが、肝臓破りの赤はそこを上手く落とし込んでいて素晴らしいと思いました。
ワイマーケット・肝臓破りの赤
スタイル:インペリアルレッドラガー
都道府県:愛知県名古屋市
醸造所:株式会社ワイマーケット
原料:麦芽、糖類、ホップ
アルコール度数:9.5%