見出し画像

【ビアバー探訪記】リアルエール/カスクエールといえばこのお店。 HIGHBURY-THE CAVE OF BEER-【横浜・桜木町】

10月某日。

以前より気になっていたブルーパブへ遠征したものの、

これがもう大外れオブ大外れ。
テン下げのさげぽよの、テンションダダ下がり。
三面怪人ダダ。だめだ…ウルトラマンは強い……。

こういう時は100%外さない良店で、思い出を上書きするのが最適。

てなわけで、どこの店に行こうか考えていたところ。
思い出したのが関内にできたハイバリーの2号店の話。

ハイバリーは自社製のリアルエール/カスクエールがあるので有名。

私は行ったことなかったけど間違いないっしょ。
行ってみるぜぇ、ハイバリー!


■リアルエールについて

簡単に解説する
リアルエールの条件その1。
1次発酵を終えて樽詰めされたビールを、パブで2次発酵させて飲み頃を提供するビールのこと。だから「スタイル」ではない。
樽(カスク)内で2次発酵させる(させた)ビールは、カスクコンディションと呼ぶ

ビールの提供の仕方も特別。
通常のビールは炭酸で圧力をかけて注ぐ。この炭酸がビールに溶け込んで出てくる。つまり通常、提供されるビールは「樽に入ったビールの炭酸+圧力に使った炭酸」の状態になっている。

しかし、リアルエールは樽に直接蛇口をつけて注いだり、重力式ポンプで注ぐ。つまり基本的に炭酸は弱め。なんなら無炭酸に近いことすらある。
ちなみにだけど、リアルエール指向でガス圧弱目にしてるビアバーもさんあるわけだ。

リアルエールは、大規模で近代化されたビールと異なり、旧来パブで提供されてきたビールに近い方式といえる。
(と私は解釈してる。まぁ本当に旧来のパブ方式にするなら冷蔵しないほうがとか考えたらだめだ。それと、それを「リアル」と称する言葉の選び方は好きではない)

日本でリアルエールを飲める店は、少ない。
以前はよなよなエールさんが「よなよなリアルエール」「東京ブラックリアルエール」を出していて、日本国内でもリアルエールを飲む機会はソコソコにあったのだけど、2022年9月に終売しちゃったのだ。

「○×○×リアルエール缶」? 知らない子ですね。

■いざ店へ

目標は決定。一路、桜木町へ。
陸橋を渡って何とか坂の角のビル。徒歩5~10分くらいか。
オープンは15時から。早いの助かる。

オープン直後に入ると、既にお客さんがいっぱいいる。
どういうことだってばよ……。
って思ったら、写真右のバンダナしてる親父さん。
どっかでみたことあるな。いや、どっかというか確実に間違いなく……

私「もしかして、ぬとりの大将さんではありませんか?」
ぬ「え!?はい!?そうです!」

どうやら横浜のオクフェスに来ていて、寄ってる模様。
ハイバリーはサッポロ黒ラベルも看板メニューにしてたはずで、ぬとりもサッポロ黒ラベル推しだから、それ関係か。
大将以外も業界の方々の模様。
なるほど。

■それではビール

何を飲むかは決まってるから、メニューを軽く眺めるだけ眺めて即注文。
4番のカスクエールください。パイントで。

店員さん「あのー、カスクエールについてはご存じですか?」
私「あ、はい、それ目当てで来ましたので」
店「どこかでカスクエールかリアルエールは飲まれたことあります?」
私「ありますよー」
店「イギリスで飲まれました?」
私「いえ、日本です~」
店「何を飲まれました?」
私「よなよなです。東京ブラックのリアルエールも飲んだ気が」
店「炭酸が非常に弱いのはご存じですか」
私「ご存じです~。リアルエール飲みたくてきたので」

だいぶ、丁寧に聞き取りされてしまった。
これ。
何も知らない人が「リアル」って文字面に惹かれて頼んでしまい
「これじゃない!」ってなったことが多いからだろうな。
クレームとか相当あったんだろうなぁ。

繋がっているのはハイバリーさんのオリジナルブランド
「ガンナーズブリューイング」の上面如水。
何種類か銘柄はあるけど、今日はこちらが繋がっていますとのこと。

注いでるところも撮らせてもらう。
泡は徐々に消える。

なーるーほーどー。
「美味い酒は水に似る」という言葉があるけど、ちょいホワイトなペールエールから色々なものを削いで削いで削って削って、「美味い水」「H2Oとしての水」に限りなく近づけた味わい。
ここまでいくと、軽い薄いと感じる人もいるかもしれない。かもしれないというかいる。だから、リアルエールをよくわかってる人にしか出せない。
普通のビアバーでは出せないだろう。
流石のハイバリーだし、最初の念押しの理由もわかる。

レモンのような風味とハーバルさがあって、ボディは麦わら風。
フレーバーの総量は少ないが、淡麗なボディの中ではしっかりと存在感がある。微炭酸でとてもまったりとした飲み心地。
苦みが案外としっかり目だったのがちょっと意外だった。
それにしても「上面如水」とは、よく名付けたものだと感心する。
うん、飲みに来てよかった。

さてそんなこんなで1杯目は終了。
じゃあ2杯目は……。

サッポロ黒ラベル!

日本の大手ビールで私が1番好きなのが黒ラベル。
コーン特有の甘みと、それが引き立てるモルトの旨味の組み合わせが好き。
重すぎず軽すぎず、うるさ過ぎず個性的であり、晴れの日も雨の日も、楽しい時も鬱の時もおいしく飲める。料理への相性も幅広いと思ってる。

ハイバリーさんの今日の黒ラベルはモルト感とパリッとした穀物感に、ふくよかで甘さ強めのバランスが気持ちよく美味かった。

2杯で無事にフィニッシュ。ごちそうさま!
今度は上面如水以外のカスクエールを飲みに来たいね。

■情報

最寄り駅:桜木町駅 徒歩5分