見出し画像

まるで夢の中

新譜をディグするときは大抵回るサイトが決まっている。USのヒップホップメディア・ブログは掘り続けたら本当にキリがない。完璧主義寄りの性格にとっては全てをカバーしたい欲が強くむずがゆい気持ちも昔は持っていたが、今はそうでもなくなった。学生から社会人になり、生活の中での音楽を消費する時間が単純に減って諦めが付いたからだと思う。ヒップホップにのめり込み始め出したときは何十ものサイトを毎日欠かさずチェックしていた。その時期に培ったディグへのメンタルは活きていて、今は効率よくUSのヘッズたちが抑えているモノを抑えるという方向にシフトしている。そんな中で見つけたのがClams Casinoの新譜Water Theme 2。

Clams Casinoはプロデューサーでエレクトロ系からヒップホップまで幅広く活動している。 ASAP Rocky・ Lil B・ Vince Staples・The Weeknd,・ Mac Miller・ Big K.R.I.T.なんかと一緒に仕事をしている(ウィキペディアより)

最近ストリーミングでも解禁になったASAP ROKCYの超名盤ファーストミックステープ「Live. Love. ASAP」で多くの曲をプロデューサーとして手掛けている。

昨今トラックの説明をするときによく使われるワードの「浮遊感」をまさに表現している曲。意識がぼんやりしている状態で宙に浮いているあの感じでまるで夢の中に居るように錯覚させられる。部屋を真っ暗にしてお香を焚いて聴くと異次元に飛んで行ってしまいそう。USのヘッズの間でも評価が高くリスペクトされている。USヘッズリスナーの中には「Clams Casinoの2019年に出したMoon Trip Radioのアルバムを聴いて俺は救われた、辛い時期を乗り越えることができたヒーリングミュージックだよ」と言っている。1曲でもClams Casinoの曲を聴いたことがある人なら共感できると思う。こういった浮遊感のあるLofi寄りの音楽は人の意識をぼんやりさせて、ある側面からみると思考停止の状態を作り出す。辛い時期だとどうしても普通に過ごしている時間でさえも頭の中でネガティブな考えが繰り返してしまうので、そういった状態の上でこういった浮遊感のある音楽は人を救うんだと思う。音楽との付き合い方の一つの選択肢として頭の片隅に置いておくといいと思う。



いいなと思ったら応援しよう!