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胸躍る冒険譚ふたつ
どちらもフィクションではないかと疑ってしまうほどの冒険譚である。特に、河口慧海のほうは、当時、本当に作り話だと言われたそうだ。
「冒険の物語なら、こんなのもある」とおすすめの本があったら、コメントで紹介してほしい。
チベット旅行記(上・下)
著 河口慧海(かわぐちえかい)
長沢和俊=編
白水ブックス
著者河口慧海(1866~1945)は明治に生きた仏教者。日本の仏教の基礎となっている漢語訳の仏典には、本来のものとは違っていたり、解釈の異なるところが多いのではないかという疑問を抱き、26歳にして発起。原典である梵語・チベット語の仏典を日本にもたらさなければならないと決意し、当時鎖国状態にあったチベットに潜入を試みる。明治30年(1897)6月に神戸を出港し、7月にカルカッタに到着。ダージリンで半年間チベット語を学び、翌年1月にインドからネパールへ入国。本来入国が禁止されているチベットに入るためメインルートをとることができず、より困難なヒマラヤ越えを強いられることになる。現在の登山技術、装備を持ってしても容易ではない単独でのヒマラヤ行。飢餓、寒さと疲労など、数々の生命の危機を乗り越え、ダウラギリ峰の国境を越えてチベットに入ることができたのは明治33年7月。その後、日本人であることを隠してチベット仏教を学び、ついに目的の仏典を日本に持ち帰ることになる。発表当時は、あまりに突拍子もない冒険行に「でっちあげ」といわれるほどだったという。ひとりの人間が、目的のためにどれほどの困難を乗り越えることができるか。多くの冒険家に愛読される一冊。
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