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No.111より - Parc Ferme - ー 大排気量車を操る男たちの系譜
BMW ISDTトロフィモデルのアルバート・シェック、VORのヤロスラフ・カトリナーク、Husqvarnaのアンダース・エリクソン。ビッグガンライダーへの追憶。
文 / 春木久史
写真 / 治武靖明
長く日本のISDEチームをサポートしてきた英国人夫妻に、こんな質問をしたことがある。1960年代からずっとシックスデイズを見てきた彼らのなかで、もっとも印象に残っているライダーは誰なんだろう、と。二人は、顔を見合わせ、少しの間相談してからこう言った。「偉大なライダーはたくさんいて、一人をあげろと言われると実に難しいけど、あえて言うなら」と前置きし「アルバート・シェックだよ。と答えた。
アルバート・シェックはドイツの人。BMWのボクサーツインを手足のように操って、どんなに難しい6日間でも必ず走り抜くストロングなライダーだった」。現在は3クラスにまで統廃合されているISDEの排気量クラスだが、かつては50、80、125、175、250、350、500、1300までクラスがあり、BMWは最大排気量クラスに参加していた。アルバート・シェックと、リヒャルト・シャルバーが作ったボクサーツインのエンデューロマシンは、ISDTトロフィモデルと呼ばれ、1972年のISDTアメリカ大会にファクトリーチーム体制で出場した。ISDTトロフィモデルは、その後のBMW GSシリーズの原型になったことで知られている。
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