TIME TO RIDE - 「2ストは死なず、ただ消え去るのみ」大鶴義丹 No.233より
私は昭和における原体験が「CBX400F」と「DT200R」なので、電化に対してどこかで蕁麻疹を起こしている。
だが時代は残酷だ。四輪スポーツカー開発の聖地、ドイツ・ニュルブルクリンクの北コースの、市販車からレースカー全てを含めたコースレコードを三十五年ぶりに塗り替えたのは、ポルシェ919ハイブリッドEvoであった。
YouTubeなどでそのオンボード映像を観た方も多いであろう。その驚愕のマシンは2017年のWEC世界耐久選手権でシリーズチャンピオンを獲得した、ポルシェ919ハイブリッドを、さらにスプリント用にチューニングしたものである。
大鶴義丹
それまでのレコードホルダーは改修前の北コースで、1975年8月2日のドイツグランプリ予選にてフェラーリ・312Tで、ニキ・ラウダが記録した6分58秒。グループCでは1983年5月28日のニュルブルクリンク1000km予選にてポルシェ956での6分11秒 。まさに古の王者。
それが未来人による、問答無用の記録更新だ。この結果を見せられると、ホ乳類にとって代わられた恐竜を思い浮かべてしまう。またスーパーカーにおいてもフェラーリもランボルギーニも、電化の流れに乗っている。
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