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コンプリートライダーへの道。トレイルの思想

例えるならば、モーションプロの携帯用ツールは、「トレイルの思想」から生まれた製品だ。だが、このブランドの製品に限らず、あなたが次の週末のために、改めてウエストバッグに入れるツールを選ぶ時、実は、それこそがトレイルの思想の探求なのだ。(本文抜粋)

パークやMXコースで走ることと、トレイルを走るという行為の間には根本的な違いがある。ひとりで行って、ひとりで帰ってくること。そのことをどう考えて、どう実践するか。トレイルを走るために必要な用具=イクイップメントから考察してみよう。


Text : Hisashi Haruki


3要素の集合体

 いろいろな楽しみ方。考え方があり、どれが正しいということができる種類のものではないが、ダートバイクを駆ってトレイルを走るという行為によってぼくたちが求めているものは、ライディングの楽しみを除いて言えば、移動する個体としての完成度を高めること、そのプロセスと達成感を味わうことにあるのではないだろうか。個体というのは、モーターサイクルとイクイップメント、そしてライダーである人間、その3つの要素の集合体のことだ。もちろん、ライダーは単にモーターサイクルを操縦するだけの存在であっては完成された個体に近づくことはできない。環境(この場合トレイルのこと)のことを知り、モーターサイクルのことを知り、イクイップメントのことを知り、それらをどのように使いこなし、難なく長距離を走り抜いて目的地(それは多くの場合出発地点と同じだが)に到達するか。能力を高め、移動体としての完成度を高めることができれば、次は、より困難なタスクに挑戦し、さらに能力を引き上げることができる。

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