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Roadbook 「フィアンバラ 悪魔の砂丘」 三橋淳 o.243より

 Chilecitoと書いてチレシトと読む。 San Juanと書いてサンファンと読む。
 どちらも南米・アルゼンチンにある地名だ。ということは南米時代のダカールラリーのコマ図と言うことになるが、何年のものかは確かじゃない。ステージ12とあるので、これらをキーワードにググってみると2018年らしい。私が最後に出場したのが16年なので、このルートブックは私は見ていないということになる。
 さて、このコマ図から連想する事を書くのがこのコラムの趣旨だと思っていたのだが、BTMの読者数名に「難しい」「関係ないこと書いてる」と言われてしまったので、どうしたものかと思っている。数ある読者のなかでわずか数名の意見なので、気にする必要はないかもしれないけれど、最近自分の考えと行動が世の中からは身勝手であると言う自覚が芽生えてしまったので、ちょっと気になったのだ。
 でもちょっとだけなので、スタイルを変えないことにした。ブレちゃだめなのだ。

 2018年のダカールラリーには出場していなかったけれども、チレシトもサンファンも何度もキャンプ地になっているので知っている。なにしろこのエリアには南米ダカール最大の難所だったフィアンバラという砂丘があったからだ。
 初めてこの地を訪れた2009年では、チームメイトがドライブシャフトを破損。私はそれまでに不可解なペナルティをもらって上位入賞が望めなかったことからサポート役に徹していたのだが、その日に限ってなぜだかペナルティがなくなって優勝争いの権利が戻ってきた。しかしチームはいつまたペナルティが出るかわからないので、2号車を優先させるという決定をし悔しい思いをした場所だ。
 翌年の2010年では、あまりの暑さにマシンが音を上げてオーバーヒート。水温が130度を超えるという非常事態になり、1時間も停止せざるを得なかった場所でもある。
 その後主催者がびびってフィアンバラをカット。その次もキャンセルが相次いで地獄のステージは封印されたかに見えたが、2014年に再び牙を剥いた。
 47度の猛暑。車内温度は60度を越えて、あまりの暑さに窓を開けても熱風が入ってくるだけ。外気温の方が低いのに? それは日陰の気温でしょ。炎天下の砂漠の中では60度を超える灼熱の地獄だった。多くのライダーが水を飲み干してしまい立ち往生。実は車内にはそういったライダーのために多めにペットボトルを積んでいたので、走りながら窓から放り投げたりした。

 しかし、こっちも無事じゃない。

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