彼方へ - Go Beyond - 連載 Vol.27
著 / 山田徹
第六章 最終章
其の三 RRM二〇〇二 熱波のなかの試走
ルートはウランバートルから、一気に南下する。ゴビへ一直線でむかうのである。そう今回は「ドリーミング・ゴビ」がテーマだ。ボクタチがこの十年間恋焦がれ、通い続けた「ゴビ砂漠」だ。それは時に、かつてのパリ・ダカールへの憧憬をしのぎ、強烈な好奇心はいても立ってもいられないほどの衝動を呼び起こした。
例のマンダルゴビ、そこが一日目のビバークの予定地点だ。まだここは草原だが、二日目はさらに南下する。マンダルゴビからバロンバヤンウラン。ボクが渾身の力を込めて作る八年間の集大成のルートのひとつだと確信していた。マンダルゴビからダランザドガドへむかうアルジェリアのタマンラセットのような広いピストは、道幅にして10Kmはある、左右の分岐は数キロ手前からそちらの方向によっていないと必ず見失う。
砂漠の真ん中に立つ巨大なアンテナ、何に使うのだか、同行する環境省の役人はテレビのアンテナだとばかげた事を言う。そういえば、ここの役人は八年前には地雷の事を、農薬散布用のカプセルだと言った。しかし、いまは友人だ。
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