歴史に残る3台を挙げる - エンデューロ日記 No.38
YAMAHA WR250F 2001年モデル
ヨーロッパのエンデューロ、またはその系統にあるセグメントを意識してデザイン(設計)された、初めての日本製モーターサイクルとして、2001年からのYAMAHA WR250Fを紹介したい。YZ250Fをベースにするチタン製5バルブDOHCエンジンは、今となっては目立たないサイズだが、当時としては画期的なほど軽量・コンパクト。スロットルポジションセンサー、ギアポジションセンサーを備えたFCRキャブによる精密なマネージメントによる、なめらかなパワー特性。初期型ではちょっとフレームが柔らかい感があったが、その分、誰にでも扱いやすいハンドリングだった。そして頑丈。4ストローク250ccマシンとして一時代を築いたのが、初期型の2001年モデルである。エンデューロ世界選手権では、ステェファン・ペテランセルとピーター・ベルバルがフランスヤマハからエントリー。2001年はペテランセル、2002年と2003年はベルバルがまったく他を寄せ付けない強さでタイトルを獲得した。
ホイールの組み付け時に、ディスタンスカラーが落ちにくいように工夫されていたり、エンデューロで必要な整備性にも配慮されていた。
耐久性・信頼性においては群を抜く。その後、セルフスターターが装備されたり、アルミフレームに変わったり、毎年変更が加えられていく。燃料タンクの容量が増えたのも北米市場を意識してのことだろう。ライバルメーカーの4ストローク250ccが力をつけてくる中で、年々目立たない存在となっていったのは仕方がないことだろう。
フランス拠点のヤマハオフィシャルチームによるワールドエンデューロへの取り組みは、2017年で終了するが、WR250Fの系統は、現在もYZ/WR250FXに受け継がれている。2019年のISDEのポルトガル大会には、日本代表チームの馬場大貴と渡辺学が豪州仕様のWR250FXに乗って活躍した。
tm125enduro 1999年モデル
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