彼方へ - Go Beyond - 連載 Vol.21
著 / 山 田 徹
第四章 ラリーを主催するということ
其の二十二 マンダルゴビ
試走のときに聞いたこの土地の、マンダルゴビという意味は忘れたが、その名前の持つ印象には強く引かれた事を覚えている。何かゴビの中心を意味するようでもあり、チベット仏教の宗教的な深い意味を持つ言葉のようでもあり、この町に特別なものを感じたのだ。町のたたずまいもなかなかだ。町を見下ろす小高い丘の上にビバークサイトを敷いた。サッカーボール大で少し尖った石が、あたり一面に散らばっていて、緑濃い草原とのコントラストが気に入った。サインシャンドからここマンダルゴビに向かうルートは、一年前の試走のときのことも、一ヶ月前の試走のときのことも驚くほど明確で鮮明に覚えている。
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