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ジョセップ・ガルシア - 1/1000秒の世界へ再び - No.234から
会社の方針で慣れないエクストリームエンデューロを走ってきたことも、彼にとっては大きな成長の機会だった。3年ぶりにフルシーズンでENDURO GPへのカムバックを決定したスペインの24歳に、その心中を聞いた。
雌伏の3年間
ENDURO GPに本格的に参戦を開始したのが2016年。翌2017年には、当時のE2クラス(2T/4T250cc)で早くもタイトルを獲得。しかし、KTMグループの方針で、彼が所属するKTMファクトリーチームはFIMエンデューロ世界選手権から撤退し、新団体のシリーズ戦WESSに戦いの場を移すことになり、ガルシアもそれに従うことにっなった。
プロ選手であるガルシアは、WESSのハードエンデューロ、エクストリームエンデューロにも果敢に挑戦。もともと得意にはしていない分野ではあったが、エルズベルグもルーマニアクスも、スペシャリストたちに混じって上位で完走する健闘ぶり。しかし、もっとも得意にするのはスペシャルテストで限界のスピードを競うタイプのエンデューロであることは明らかだった。WESSのシリーズ戦の中でも、4日間のクラシックエンデューロ(ISDEフォーマットの競技)であるフランスのトレフル・ロゼリエンでは、地元のロイック・ラリューに競り勝って「トレフル初の非フランス人ウイナー」の名誉を勝ち取って見せた。それだけではなく、2019年のISDEポルトガル大会には、スペイン代表チームの一員として出場。500ccのHusqvarnaを駆るダニエル・サンダースを相手に6日間に渡って総合トップタイムを競い続ける活躍。
我々のたびたびのインタビューに対して、いつも「クラシックエンデューロはもちろん好きだが、ぼくはKTMファクトリーライダーであることを常に誇りにしている」と語り、未練のあるところは見せていなかったが、やはりスペシャルテストこそが彼の本領であることは、その走りが証明し続けていた。
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