思い出の一台 - 砂漠のファクトリーマシン ホンダNXR試乗 松井勉
先日(2020年2月だ)、BMWインターナショナルGSトロフィ、ニュージ―ランドから戻ったばかり。アドベンチャーバイクの分野で第一人者として活躍するジャーナリスト。松井勉さんが選ぶ「忘れることができない一台はやはりこれだ。
今も思う。あれほどスバラシイ走行感覚のダートバイクにはなかなかお目にかかれない。
HONDA NXR750R
50㏄のスクーターから逆輸入のロードバイクまで20台以上のバイクを乗り換えて来た。数えたらそのうち13台がダート系バイク。うちCRとITが純然たるオフロードバイクで、残り11台はトレールバイクやビッグオフ系バイクだった。音楽同様、そのバイクを手に入れたことを思い出され懐かしくもあり恥ずかしくもある。と、いうのも、車検を通す金に困り、程度そこそこの中古バイクと、好むと好まざるとに関わらず入れ替えたことも一度や二度ではないからだ。
もちろん、取材でメーカーの試乗会に参加し、その帰り道にバイク屋に「アレ、買うから注文しておいて」と電話したこともある。つまりは自分のバイク歴には後先考えない性格がモロに出ていて、それを突きつけられるからなのだ。
だからこの手のお題はハードル高いんですよ、編集長…(笑)。なので、自分史の中で一番印象深いバイクについて書かせて下さい。NXR750Rです。
最初の出会いは駆け出し記者だった頃、1987年の2月だった思う。まだ鈴鹿サーキットにモトクロスコースがあった時代だ。当時、ホンダは「ワークスマシン試乗会」と銘打ってオン、オフのバイクをジャーナリストに体験試乗させる取材コンテンツを持っていた。今でも一部では行われているが、例えばモトGPマシンなど、タイヤの適温がとんでもなく上がったため、相当なスキルを持ったライダーでないと試乗が出来なくなったものもある。その点、オフ系は門戸が広いのは今も当時もかわらない。
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