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TIME TO RIDE 「サバ読み疑惑?」大鶴義丹 - No.239より
去年の秋まで乗っていた、BETA.RR2T200は、得意の衝動買いの後に、200ccだと思い込んでいた排気量が、本当は190.2ccだと知ったときは結構なショックであった。いやいや、10ccはサバを読み過ぎである。約5パーセントのサバ読みだ。バイクならまだ良いが、年収2000万だと威張っていた男と結婚した女性が、結婚後、彼の本当の年収が1900万だと知ったらどうであろう。
そして去年の年末に同じように衝動的に買ってしまったハスクバーナのTE150iも、後からカタログを見ると、本当の排気量は150ccではなく143.99ccだと書いてあった。同じエンジンの入っているKTMの方も含めて、コイツもやはり6ccもサバを読んでいるのだ。年収をサバ読みした夫への不安が募る女性のように、私の心もひどくかき乱された。
「どいつもこいつも」と気になって、TM144の排気量を調べると143.3ccと書いてあった。崇高なイメージがあるTMレーシングだけは違うと思っていたのに、たった0.7ccの見栄を張っていた事実に言葉を失った。
冗談はさておき、排気量区分というのは、レースレギュレーションにおける「公平性の担保」のためでしかなく、遊びがメインのライダーには何一つ意味がない。
またレースだけなら我慢することもできるが、市販車ではもっとややこしく、50ccと400ccという排気量区分が日本ガラパゴスなのは言うまでもない。
ましてやオフロード遊びにおいて、レースレギュレーションにおける排気量区分なんてものは、「中間排気量」の面白さを知ってしまうと無意味でしかない。
私がここ5年くらい乗り継いできた2ストエンデューロマシンにおける、遊びにおける感覚の話をすると、ハスクバーナのTE250とTE250iの二台を乗り継いだが、やはり250ccというのは過剰に感じた。もちろんそれを乗りこなしている「半プロ (死語)」のような仲間も多々いるのだが、それが楽しさに直通しているかは疑問だ。
そんな時にBETA.RR2T200との出会いがあり、実際に乗り出すと、「日野カン」から「林道的」な場所において、そのパワー感はまさに自分が求めていた「数値」そのものであった。全開域まで使いこなしている満足感があり、スリルと安心感のバランスがベストだ。それが250クラスの場合だと、やはり全開域において恐怖というものが混じってくる。それを「うま味」とする方もいるのは百も承知。
そしてさらに好奇心は膨らみ、TE150iに乗り換えてしまった。
私にはKTMの125EXCで苦労した経験があった。クロカンではなく、ハードエンデューロごっこや山遊びには難しい選択だと思った。難所などで使用せざるを得ない低回転域での自由度が少ない。つまり、どんなハードな状況でも常にスピードをのせていくことを求められる。小排気量というのは、安全安心ではなく、逆によりテクニックが必要とされると思い知った。確かに125クラスは、若いエンデューロレーサーの登竜門でもある。
その125ccに、僅か25cc(サバ読み値)だけ上乗せしただけの150ccとはいかなるものか。原チャリ半分の排気量がどれ程の意味があるのだろう。
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