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エンデューロ日記 No.52 - 小包、届く。
時は歩みをとめることがなく、すべてはやがて過去のものになる。しかし過ぎ去ったことだからといって、その時間の価値が失われることはない。
秋雨。
土やアスファルトからも匂いか立ち上る。
匂いとはなんと豊かなものであるかと思う。夏の雨や、初雪の頃もそうだ。大きく吸い込むと、全身でその匂いを感じることができる。情報、という言葉がある。現在、我々は、人類史上かつてない量の情報にさらされ、情報を使いこなしているように思っている。IT技術のことだ。だが、そうした「情報」を操り、操られることに時間を割かれ、もともと人間を取り囲んでいた、自然がもたらす「情報」を見過ごすようになってしまっているようだ。
例えとして「匂い」のことを書いた。「○○の香り」と、記号にしてしまえば、たったひとつの情報になってしまうが、現実の匂いは、まさに感じることであり、それを数量化することはできない。我々がデジタルデバイスを介して1日に接する情報の量と、まだそんなものに毒されていない無垢な子供が、通学路の花壇の匂いを吸いこんで感じる「匂い」と、どちらが情報量として多く、どちらが重要かを知ることはできない。
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