こだわりが失敗を招く - ラリーのナビゲーション。洞察力と想像力
Photo : Yasuaki Jibu
Text : Hisashi Haruki
Beijing Ulaanbaatar 2006
空から見ない限り、まさかこんなに並行したピストがたくさんあるとは気がつかない。「この先、右折」とコマ図に描かれていたら、どんなことに注意しているべきだろうか。
ミスコースをして大きくタイムロスをする。これほどライダーを落ち込ませるものはない。曲がるべき分岐、交差点を通りすぎて、すぐに気がついて、少し大回りをして正しいルートに復帰するなどというのは、一日に何度かあるだろう。だが大きくタイムロスをするミスコースの場合は、その目標を通りすぎて、しばらく経ってから。いくら走ってもコマ図に書いてあるような分岐も目標物も出てこない。大陸を走るラリーだと、数キロ、十数キロなど、あっと言うまに過ぎてしまう。ようやく「これは間違いなく、間違っている!」と確信して、やっとミスコースが始まった地点に戻ったら、往復で20キロも余分に走ってしまったということも珍しくはないだろう。プロのラリー選手だったらお話にもならない失態。
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