「鉄の竜騎兵」たちが目指す平和という名のゴール - エンデューロ日記 No.36
Amazon Prime 鉄の竜騎兵
この物語をみる時、ぼくは、この古参兵が、もしかすると6日間の選手だったのではないかと思ってしまう。彼らが目指したのは、本当は、6日間のファイナルスピードテストだったのではないか。
毎年35~40ヶ国から世界中のライダーが集まって、6日間思いっきり試合をする。モーターサイクリストのオリンピックと言われるISDE、ぼくはこのイベントが長い目で見て、世界の平和に貢献するものだと思っている。第一次世界大戦、第二次世界大戦、この二つの不幸な出来事のあとにも、またすぐに集まって6日間をやった。西側のライダーも、東側のライダーも、悲しい武器は捨てて、またモーターサイクルの性能とライダーの技量だけで勝負した。
1973年、マサチューセッツのダルトンが開催地となったUSA大会。これは、初めて欧州地域外で開催された6日間エンデューロだったが、あの、BMW ISDTトロフィモデルが登場した大会としても知られている。アルバート・シェックやリヒャルト・シャルバーらが開発したボクサーツインはやかで、G/Sモデルへと発展する。
時代は米ソの冷戦下である。
西側の本拠地とも言えるアメリカに、東側のチームも、もちろん大挙して出場している。まだひとつの国だったチェコスロバキアチームは、西側のプレッシャーに苦戦していた。
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