某大手オンライン古書店の「品質」。
こんばんは、大鍋ちゃんです。
今回は某大手オンライン古書店の「品質」について語ります。
大鍋ちゃんのアルバイト入社当時、某大手オンライン古書店(以下「某書店」)は、まだオープンして数年も経っていない新しいショップでした。
入社したときに聞いたのが「実店舗と違って、お客様は商品を手に取って見られない。中古の品質が判らない状態で、タイトルのみで買ってもらう。信頼して通販していただくために、きれいな商品しか扱わない!」というポリシー。買う側からすれば非常にありがたい、頼もしいポリシーです。
だからといって「中古」である以上は新品同様の本なんてめったにありません。
持ち主が新品で買ったワンオーナー品でも、大前提として、いちどは読まれているわけです(まあ読まれていない本もありますけどね実際は)。
中古で買った本を、さらに買い取りに出したなら……そしてそれを中古で買った人が、またまた買い取りに出したなら……!
と、まあ、どこの誰がなんど触ったか判らないものです。中古とはそういうもの。図書館本と似たようなもの。
というわけで、某書店に届く本の品質はさまざまです。
ただし、品質で買取価格が変わるわけではありませんでした。同一タイトルの本なら、新品同様でも、ちょっと傷んでいても、買取価格は同じ。買い手(バイト)は同じバーコードを読み取るだけなので。
「傷み・汚れ」には統一の基準があり、買い取れないレベルのものも存在します。
ただし査定者のレベル、性格、見落としなど様々な要因から、ちょっとしたゆらぎ(買い取る・買い取らないの差)は生まれてしまいます。現場では「迷ったら買う」が合言葉でした。ここで買い取ったものはさらに別フロアで検品されるため、最悪そこではじいてもらえばよいのです(会社の不利益にはなりますが、お客様には損をさせなくてすむので)。
そして、新品に近いレベルのきれいな本だけが某書店の売り物となり、その基準に満たない品質の商品と、在庫過多な商品が、店舗用として同じグループの別会社へと出荷されていくのでした。
なので、某書店の初期は本当に品質がよかった……!
大鍋ちゃんがトレーニングの際に先輩から教わってショックだったのが、見た目まっさらのきれいな本でも、カバーがほんの数ミリ切れているだけで買取不可となることでした。破れは完全に買取不可だったのです。
その理由は「破れたものは元どおり直せないから」。
某書店では、ひとつひとつの商品に手をかけて生まれ変わらせていました。ザ☆リユース。
カバーの汚れている本は魔法の液体で拭き、本文の焼けはお化粧直しの研磨をし、中古の値札シールがついていたら剥がして粘着のベタベタをきれいに取っていました。
CDなら小キズを研磨してピカピカ状態に戻したり、割れたケースを新品に替えたりも。
これ、残念ながら昔の話です。
大鍋ちゃんが働いていた数年で基準の見直しがなんども行われ、次第に、かなり品質の落ちる商品も「中古だから許してね」という前提で普通に取り扱うようになってしまいました。
破れた本でも程度がひどくなければ買い取るというオペレーションに変わりました。トレーニングのときに廃棄したあの本、買い取ってあげたかった。
残念ながらコストカットのためお化粧直しもしなくなってしまったようです……(これは別部署の人から聞いた話)。
買う側としては中古書店で買い物をしてきれいな商品が届いたら「運がよかったー!」と喜ぶところです。もう、汚いのが前提です。かなしいけど。
でも、あまりにもひどい品質のもの(販売基準に達していないもの)は交換・返品なども相談できるはずなので、あきらめないで連絡する価値はあります。
ただ、ちょっとした瑕疵は中古であることを鑑みて納得(というか、がまん)していきましょう……。
キレイな本がほしかったら、あと作者を応援したいなら、新品で買ったほうがいいよ……!(真理)
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