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全国の学生ビッグバンドがひたすら演奏し続けて50回!?「山野ビッグバンドジャズコンテスト」について。今年はオンライン開催となりましたが、どんな大会なのか紹介したいと思います

はい、ビッグバンドファンです。今日は第51回山野ビッグバンドジャズコンテスト、これの出場バンドについて話していこうと思います。

山野ビッグバンドジャズコンテストについて

山野ビッグバンドジャズコンテストですが、恐らく日本のビッグバンド専門イベントとしては最も歴史のあるイベントになってきていると思うのですが、毎年夏に行われるイベントで全国の大学、大学院、短期大学、専門学校に所属するビッグバンドが一同に会し2日間に渡って演奏を披露するというものです。これまで50回行われてきて本来であれば昨年夏に51回目が行われる予定だったのですが、コロナの影響で開催することが出来ず、しかしこのまま終わってしまってはあまりに悲しいということで、なんと明後日13日(土)14日(日)の16時からオンラインで開催ということになりました。配信自体は無料ということでYouTubeのチャンネル上で配信となるそうなので、ビッグバンドに興味がある方、あと逆に普段ですね大会の会場が東京ということもあって、なかなか地方の方や海外の方が聞いたりすることが難しいと思うのですが、今回は配信ですから是非普段イベントの模様が見られない方もね見て欲しいなと思います。

スポンサーが豪華

というわけで、山野楽器さんが開設している大会のサイト行きますとスポンサー企業がずらりと出てきます。錚々たる顔ぶれですね、プラチナスポンサーにJVCケンウッド・ビクターエンタテイメント、ソニーミュージックソリューション、デンソーテン、はるやま商事、ブルーノート・ジャパン、ヤマハミュージックジャパン、ヤマハ音楽振興会、ゴールドスポンサーにカシオ計算機、コロムビア・マーケティング、電通、ポニーキャニオン、うわ三大銀行もそろい踏みしてる!!みずほ、三井住友、UFJ。更にシルバースポンサーにもキングレコード、河合楽器、コルグ、ローランド、ワーナーミュージック・ジャパン。これはホントに凄い。ちょっと昔話しますとね、私が学生の頃、演奏が終わって順位発表する前に山野楽器の社長、その時は先代社長でしたが、この社長が出てきて社長挨拶をされていたんです。これがね本当に面白くて、今風にいうとぼやき芸っていうんですかね。ぼそぼそっと言っては笑わせるという、そういう感じだったんです。で、その時に必ず言ってたなぁというネタが「このイベント単体では赤字なんだ、だから君たちが楽器を買う時には必ず山野楽器で買うんだよ」。それこそ、その時はこんな錚々たるスポンサーもついてなかったので、多分本当に山野楽器が半分ボランティア、手弁当同然の持ち出しでやっていたんだろうなと思います。改めて社会に出て色々な仕組みだとかを知り思うのが「社長、よく続けてたなぁ」ですね。どういう思いで続けていたのか分かりませんが、採算度外視でやる度量や想いみたいなものがあったんだと思うんですよね。で、そうやって続けるうちに沢山の人が応援するようなイベントに育っていったんだろうなぁ、と。そういう部分では見習うところも多いなと思います。

過去の大会に出場した著名人

で、出場著名人なんて一覧もありましてね、見てみますと、出てきますねぇ。一体どなたを紹介すればいいのか、悩むぐらい凄い名前がずらりと並んでます。第43回大会、これ先日別の動画で紹介しましたが、KingGnuのベーシスト新井和輝さんの名前もばっちりあります。

Tスクエアの伊藤毅さんもいますね。

それから、USブルーノートと日本人初の契約を交わしMisiaさんとのタッグでSOUL JAZZなんていうシリーズを発表、昨年の紅白のトリでも印象的なトランペットを吹いていた黒田卓也さんの名前もあります。

鷺巣詩郎さんの名前もあります。

SOIL&"PIMP"SESSIONS、タブゾンビこと椨さんの名前もあります。

こちらも先日別の動画で紹介しましたが2020年のグラミー賞にも「DANCER IN NOWHERE」でノミネート、メトロポールジャズオーケストラの客演常任指揮者にも就任した現在日本人のビッグバンドコンポーザーの中で最も勢いがあるといっていいんじゃないかと思います狭間美帆さんの名前もあります。

驚きの名前も出てきましたね、船山基紀さん、ですよ!!沢田研二さんの「勝手にしやがれ」をはじめ、中山美穂、小泉京子、Winkなど80年代アイドルの楽曲を次々手掛け、ジャニーズの舞台音楽制作から先日お亡くなりになられた筒美京平さんとのコンビで編曲を担当されている、歴代編曲家シングル総売上が小室哲哉さんに次いで2位!?!?ですよ。この方も第1回に出場しています。

というわけで、日本のミュージックシーンのこれからを担うようなプレイヤーが出てくるかもしれないと思うとドキドキしてきますね。

CDについて

あと毎年コンテスト形式で行われているのですが、10位以内に入ると市販CDに演奏が入るという特典もあります。今年は状況も考えてコンテスト形式で無くなったのでCDも無いと思うのですが、昨年度大会までありました。これも今となっては毎年の恒例となりましたが、最初は5位以内で、CDも1枚だったんですね。というのも参加規定上1バンド15分以内と演奏時間が限られているのですが、CD1枚に収録しようとすると確かにまぁ5バンドが限界ですよね。それが翌年か翌翌年ぐらいからCDが2枚になって10位まで入るようになりました。今もそうです。ただこれも面白いことがあって、どこかの年で10位が2校、同点になったことがあって、その時はなんと3枚、1校だけシングル盤に収録ということがありました。最初の頃のCDなんかは多分廃盤になってるんじゃないかと思うのですが、経年で見ていくとその時々のトレンドとか各バンドのカラーも見てとれて面白いです。近年はオリジナルアレンジ、つまり世界でここでしか聞けないアレンジ、プロの方にこの大会の為にアレンジを依頼するというバンドも増えましてね、そういう意味でも貴重なものになってきています。

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学生イベントとしての魅力

イベント自体ははっきり言えば甲子園とプロ野球の違いみたいなものはあります。ただ甲子園でも凄いバッターとか凄いピッチャーとかプロで後々活躍するそういうプレイヤーがいるように、山野にもねそういうプレイヤーが出てきたりします。ただね、そういう上手いとか下手というだけではない魅力、やっぱりこの手の学生イベントにはあると思うんですよ。それこそ野球ファンにも「甲子園が好きなんだ!!」という人がいるように、学生が1つのイベントにかける、その姿がいいんだというね。甲子園に例えれば、エラーはするしストライクが全然入らなかったり、プロと比べれば色々ボロがあるわけですが、それが逆にドラマを生んだりする。そして何より一生懸命な姿というのが普遍的に人の心を打つ。勿論甲子園においてもいわゆるトーナメント、1発勝負の弊害とかそういうことが言われるように、山野に出場するバンドがコンテスト至上主義になったりするのは良くないと思います。そういう意味では今回結果的にですがコンテスト形式ではなくなったということで、楽しみ方も変わるのかなという気がします。

参加バンド紹介➀:慶應義塾大学K.M.P. ニュー・サウンド・オーケストラ

折角なので、少し参加バンドも見ていきましょう。1日目トップバッター!!これね、いつもならスゴイ緊張するはずですよ。今回は17時から配信ですが、普段ですと午前中に始まるわけです。そうすると、集合や準備、更に直前にスタジオでリハとかしたりなんてやってると、早朝4時とか5時とかに起きたりすることになるんですよ。まぁ前の晩から寝られないとかでね寝ないで来るなんて人とか、中には徹マンして夜明かしして来たなんて先輩もいましたが、とにかくそういう感じです。あとはこれ今となっては間違いなく都市伝説だと言えるのですが、PAのセッティングに影響が出るなんて話をね、昔ですよ学生の頃に聞いたことがあります。今となっては都市伝説とはっきり言えるのは、最近は卒業生有志が前日に入って演奏してPAテストしているらしいんです、凄いですよねぇ。ところが昔はそんな予算も無かった。なので、当日トップバッターのバンドでレベル調整をしているんじゃないか?なんて話がまことしやかに語られていたんですよね。どう影響するかというと、トップバッターや前のバンドが爆音系のバンドだと次のバンドの出音が小さくなる、という。まぁ、都市伝説ですよ、これは。当然PAもプロフェッショナルな方が担当されているんでね。ただ、そんなことも噂されるぐらいトップバッターというのは結構特殊ですよということです。K.M.P.さんです。

https://www.yamano-music.co.jp/ybbjc/2020/band/01.html

慶応大学にはこのK.M.P.さんとライトさんの2つのビッグバンドがありましてね、他にも明治大学や日本大学等も一つの学校に複数のビッグバンドがあります。それぞれね設立経緯とかが違っていたりして、その結果サウンドの違いみたいなものも出てくるので、その辺を比較するのも面白いかなと思います。ちなみにK.M.P.さんは割と爽やかなオーソドックスな選曲に対し、ライトさんはコンテンポラリーな現代的な選曲をするというそんな違いがあります。今回はGordonGoodwinさんのCount Bubbaを演奏されるということで、Gordon Goodwinさんといえば今最も売れっ子のビッグバンドコンポーザーといっても過言ではないですからね、どんな演奏されるのか楽しみです。ちなみにこれも今となってはないでしょうけど、当日会場ではプログラム代わりのパンフレットが販売されるのですが、昔はこのパンフレットに掲載する時点で曲が決まっていなかったり、パンフレットに掲載した後に曲が変わってしまったりして、当日全然違う曲を演奏しているバンドなんていうのもありました。演奏が始まった瞬間「え?」って思ったりしてました。

参加バンド紹介➁:日本大学 ホワイト・リズム・エコーズ・オーケストラ

続いて日本大学ホワイト。

https://www.yamano-music.co.jp/ybbjc/2020/band/02.html

先程K.M.Pさんの話をした際に、日本大学や明治大学には複数ビッグバンドがあると言いましたが、なんと日本大学には4つビッグバンドがありまして、4Bigコンサートなんていうイベントがあるぐらいです。日本大学ホワイトはその一つですね。紹介みますと、今年はオンラインで活動してきた、ということ、なんと第1回から山野には出場しているということも書いてあります。演奏はOne O’clock Jumpということで、カウントベイシーの代表曲です。ベイシーの演奏でも色んなアレンジで演奏されている曲なのでね、ソリストも3人出てくるようですし、どんな進行で演奏するのか楽しみにしたいと思います。

参加バンド紹介➂:愛知学院大学 スインギング・オール・スターズ

3バンド目は愛知学院大学スインギン・オール・スターズさんです。

https://www.yamano-music.co.jp/ybbjc/2020/band/03.html

このバンド、私大変不勉強ながら、ずっとスウィンギンと思っていたのですが、よく見ると「singin」なんですね。スウィングとスイング。発音気を付けないといけません。あとは愛知大学にもブルースターズジャズオーケストラというビッグバンドがありましてね、混同してしまわないようにしないといけません。東海地方のビッグバンドが集まるコンテストでもね勢いのある演奏を披露されているバンドさんですが、選曲がスペクトラムと来ましたか。これはコンマスの趣味なのかな?っていうかスペクトラムってあのスペクトラムだよね?スタンハンセンのSUNRISE!!石橋貴明さんが頭の中に出てくる人もいるかな?たまに思うのが、大学生のイベントですから、当然10代とか20代前半の子達が出てくるイベントなわけですよ。ところが選曲見ると、思わずおっさん世代が嬉しくなってしまうような曲取り上げていたりしてね、逆に「こんなネタ、どこで拾ってきたんだ?」と思ったり。まぁ最近は配信でも昔の音源とか気軽に聞けますからね。昔は先輩から譲り受けたテープとか、少し進んでMDとか?そういう秘伝のタレ的な伝承の中でしかなかなか遭遇出来なかったわけで、こういうところにも興味が湧いたりします。あのサウンドを再現するのかな?キーボードの音選びとかね、拘ってほしいなぁと思います。

参加バンド紹介④:立教大学 ニュー・スウィンギン・ハード

4バンド目、立教大学ニュースウィンギンハードさん。

https://www.yamano-music.co.jp/ybbjc/2020/band/04.html

こっちはスウィンギンね。で、この○○ハードというネーミング、ビッグバンドでは一時期随分流行ってましたが、これ調べてみるとWoody Hermanさんのバンドがキッカケみたいですね。英語自体は「草食動物の群れ」みたいな意味らしいですが、wikipediaから少しその辺書かれた部分を抜き出しますと、「ハーマン楽団のトレードマークである「ハード("The Herd")」とは、直訳すると動物の群れを意味する。 モダンジャズ期以降、ウディ・ハーマン楽団はメンバー入れ替えやバンドコンセプト変更に伴い、さまざまな名称を冠した「ハード」を名乗ることになる。 ジャズ史的には上述の通り、ビ・バップコンセプトの「ファースト・ハード」とクール・ジャズコンセプトの「セカンド・ハード」が最重要とされる。 ジャズ界全体の演奏コンセプトとしてバップがすっかり一般化してしまった(ハード・バップ時代に突入した)1950年代になると、ファースト・ハードとセカンド・ハードの楽曲を踏襲しつつ(ハーマン自身としては)新コンセプトの「サード・ハード」までがハーマン楽団の最盛期とされる。それ以降は雷鳴の如くいきり立ったファースト・ハード時代を回顧した「サンダリング・ハード」、若手メンバーに総入れ替えした「ヤング・サンダリング・ハード」など、様々な「ハード」の名称を転々とした。 その「ハード」改称の多さはハーマン本人曰く、「自分でも一体いくつのハードがあったのか、わからない」と冗談めかして人を笑わせたほどであった。 日本で、この「ハード」をバンド名に取り入れたのが、宮間利之とニューハード(現宮間利之&ニューハード)である。」ということでね。ちなみに今の紹介の中に出てきた、新コンセプトとされる「サードハード」、これがそのまま同志社大学のバンド名に使用されてます。これ、同志社大学さんのビッグバンドのサイトいくと名前の由来が出ているのですが、ちょっと笑えるのでこれは同志社大学さんの紹介のところで話しますね。ということでハードの話ばかりしてしまいましたが、立教大学さん、ここは近年特にコンテンポラリーな選曲をするようになりましたが、今回も誰なのか?しかし時代は便利になったもので、これをコピペしてグーグル先生に聞くとですね、ちゃんと出てきました。公式YouTubeチャンネルで本家が演奏を公開されています。こういうのを拾い集める楽しみも山野にはありますね。立教大学さんはさてどういう演奏になるのか、楽しみにしたいと思います。

参加バンド紹介⑤:日本大学 リズム・ソサエティ・オーケストラ

5バンド目は日本大学リズムソサエティさんです。

https://www.yamano-music.co.jp/ybbjc/2020/band/05.html

この「り」というロゴ、これはフォントも含めて伝統でしてね、リサイタルの時にもバンドの後ろにこの「り」の字を白抜きで映し出しながら演奏するという。商標登録でもした方がいいんじゃないか?なんて思わずゲスな大人の発想をしてしまうんですが、演奏はミシェルカミロさんのOn Fireという曲です。これねぇ、昨年の山野でも演奏しているんですよ。今年はね本当に可哀そうなことに全く活動が出来ていないそうで、なのでね新曲ではなく散々練習してきたであろう昨年の曲を持って来たんだと思います。多分これはリズムに限らずなんでしょうけど、そういう学生が沢山いるわけですよ。特に4年生ね、本当に応援してあげたいです。ちなみにこの曲、ミシェル・カミロさんが実は一昨年にビッグバンドアルバム「エッセンス」をリリースしまして、その中に収録されています。元々ビッグバンドではない編成で演奏されることが多い曲で、かなりキャッチーな曲ということもあって、エレクトーンを習っている子供が演奏している動画なんていうのが結構YouTubeにも出てきます。人気なのか分かりませんが、ぷりんと楽譜というインターネット経由で楽譜を1曲単位で購入できるサイトがあるのですが、そこにもエレクトーン用の譜面、あとはピアノ用の譜面も出ています。そんな人気曲ですが、このエッセンスに収録されたビッグバンドアレンジははっきり言ってエグいです。ヤバイです。まぁこれね、聞くのは最高に楽しいけど、やろうってなると全く別物かと。うん、是非ね頑張っていい演奏聞かせてもらえたらと思います。

参加バンド紹介⑥:立命館大学 R.U. スウィンギン・ハード・ジャズ・アンサンブル

6バンド目は立命館大学RUスウィンギンハードジャズアンサンブルさん。

https://www.yamano-music.co.jp/ybbjc/2020/band/06.html

ここもハードが付いているな。ここは紹介の通り、カウントベイシーさんの曲にね取り組んでいるということで、関西のビッグバンドさんね、こうトラディショナルなビッグバンドサウンドに取り組むバンド多いんですよね。京都大学さんはデュークエリントン、大阪大学もベイシー、あとは今回は出てないですが甲南大学さんも。なんかこういうのも伝統あるのかな?私、ちょっと関西の大学ビッグバンドの事情には疎いので、どなたか詳しい方教えてください。今回演奏するのは「愛さずにはいられない」、I can’t stop lovin youです。ちなみに私、英文の例覚える時に結構ジャズのタイトルとか、ビッグバンドのタイトルで覚えること多かったです。It don’t mean a thingとかThings ain’t what they used to beとか。どうでもいいですね、はい。拘りのベイシー、どういう演奏になるのかじっくり楽しませてもらえたらと思います。

と、ここまで6校紹介して、実はあと7校1日目あるんですが、ちょっと疲れたので一旦今日はここまで。続きは次の動画に回したいと思います。ここまで聞いていただきありがとうございました。よろしければチャンネル登録して頂けたらと思います。以上、ビッグバンドファンでしたぁ、ばいばい~

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