鬼滅の刃の柱それぞれにビッグバンドの曲を割り当てるとしたらどんな曲になるか試しに考えてみた
はい、ビッグバンドファンです。今日は人気漫画・アニメ作品の鬼滅の刃、これに登場する9人の強者、通称【柱】と呼ばれるキャラ、これにビッグバンドの曲を合わせてみるということを考えてみました。
そもそも【柱】って?
詳しい説明を省きますと主人公側の強者達のことを指します。9人いて、それぞれに固有の名前が付いています。詳しくは以下にまとまっています。
この柱名と一人一人のキャラ設定を考慮しながら、仮に1人1曲ビッグバンドの曲を割り当てるとしたらどんな曲になるか?そんなことを考えてみました。というわけで、ここからはそれぞれのキャラの話に入っていきますので、ネタバレが嫌だという方はそっと画面を閉じて頂けたらと思います。
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では、始めます。一応「演奏者・演奏バンドは重複しない」ようにしました。ルールというわけではないのですが、偏ってもいけないなと思いそんな風に選んでみました。
【水柱】冨岡義勇
冨岡は「Bridge Over Troubled Water」にしました。曲自体はサイモン&ガーファンクルの名曲、日本名は「明日にかける橋」というタイトルでも知られている曲です。ビッグバンドでも演奏されることが多く、昨年コロナの中でエリック宮城さん率いるEMBandがコロナを乗り越えていくという意思を表すということで演奏されていました。
【水柱】冨岡義勇の曲としてチョイスした理由は、曲名に水が入っていること、そして冨岡義勇のキャラがこの曲とマッチするように感じたというところです。
冨岡義勇のキャラを説明する前に、この【柱】になっているキャラは皆一人一人が一騎当千の強者であり、かつ生まれもった才能があるものたちという設定があります。しかもそこから更に努力を重ねて【柱】になったという風になっているのですが、ところが冨岡には実は他の【柱】にあるような特別な才能が無いんですね。本当に才能があったのは冨岡の同期の別のキャラだったという話がありまして、ただそのキャラが身を挺して仲間をかばったことで冨岡は生き残ることが出来た。そうした経緯があるために冨岡は人一倍努力を重ね、またそうした素性(=特別な才能が無い)を知られたくないが為に他の柱とも距離を取りながら一人黙々と努力を続ける日々を送っていたという、この辺の設定がこの曲が持つ「困難を乗り越えていく!!」というテーマにピッタリ合うように思えました。
【蟲柱】胡蝶しのぶ
続いては【蟲柱】胡蝶しのぶですが、これはMaria Schneider氏の初期の作品「Dance You Monster to My Soft Song」にしました。
理由としては女性、毒を使う、蝶というキーワードがある、ってところでしょうか。女性の柱はこの胡蝶しのぶともう一人の2人ですので、やはりそこは女性コンポーザーの作品をあてたいというのはありました。そうしますとToshiko Akiyoshi、Carla Bley、Maria Schneider、狭間美帆といった選択肢が思い浮かぶわけですが、そこに次の「毒を使う」です。この胡蝶しのぶは女性ということもあり力では敵わない部分もあることから、毒を使った攻撃を得意としています。そうするとやはり「毒々しい」という感じが欲しいもので、Maria Schneider氏の初期のダークなサウンドがかなりフィットするような感じがしてきました。そして3つ目が髪にもつけている蝶。毒と蝶というセットでまさに「蝶のように舞いながら敵を倒す」という感じに描かれています。そうなるとやはりDance?ということで、この曲にしました。とはいえ、サウンドはかなりマッチョですけどね。
【炎柱】煉獄杏寿郎
さて、3人目は映画「無限列車編」でも大活躍、中身見たことない人もこの顔はどっかで見たなんて人もいるんじゃないですかね?ライオンのような風貌、目までオレンジということで、そのまんまなキャラです。これは勿論炎が入ってないとマズイよなぁ・・・ということで。Woody Hermanバンドで演奏されたAllen Vizzuttiの「Fire Dance」にしました。
実際のところ、この煉獄杏寿郎、かなり真っすぐなキャラです。実は敵側にも主人公側の【柱】と同じように「十二鬼月(じゅうにきづき)」という強者12人がいるという設定になっており、その中でも「上弦の鬼」という6人がものすごく強いということになっているのですが、映画「無限列車編」では、煉獄杏寿郎がこの強敵である上弦の鬼の1人と戦い、自らの命と引き換えに退けることに成功します。実は主人公達は映画の段階ではこの上弦の鬼に全く歯が立たず、煉獄杏寿郎がほぼ1人で戦うという形になっています。この辺のシーンと、この曲でフィーチャリングされているAllen Vizzuttiのソリストっぷりが何となく被るように思えましてね、炎を彷彿とさせる曲は他にもあるのですが、設定との一致度で決めました。
【音柱】宇随天元
さて、続いては今度テレビで映画「無限列車編」の続きが「遊郭編」ということで放映が決定していますが、その「遊郭編」で活躍する柱がこの宇随天元です。音柱というように攻撃の中でもチームによる連携攻撃を譜面に合わせるような形で構成するなどその名前に相応しい設定が出てきます。そうなるとやはり曲名にも音が入って欲しいなぁ、と思いまして、これにしました。
演奏はMel Lewis Jazz Orchestra、作曲はJim Mcneely、曲名は「Blue Note」です。曲名の中にきっちり音=Noteが入っていること、あとは各楽器の音がそれぞれ独立して動きつつ、きっちり合わさった時に攻撃力が倍増するような、何となく天元が繰り出すチーム攻撃と演奏が似ているような感じがしましてね、それで選びました。実はモテキャラという設定も何とか反映したかったのですが、ちょっとどうやって反映すればいいか思いつきませんでした。
【霞柱】時透無一郎
【霞柱】時透無一郎ですが、この人は「天才」という設定が印象的で、柱の中でも最年少で、なんと刀を握って2ヶ月?????で柱になったという設定です。というわけで、天才という言葉が合うとしたら・・・これ結構難しいですが、私はパット・メセニーさんにしました。で、パット・メセニーさんの曲でも人気の曲となると、First Circle、James、Third Wind、Minuano,、Phase Dance・・・辺りかなと思い、最初はFirst Circleにしようと思いましたが、演奏がより「天才的」な方を選びました。こちらです。
Third Windです。パット・メセニーさんのビッグバンドアレンジといえばBob Curnowさんが思い浮かぶわけですが、この曲はBob Curnowさんもアレンジしておらず、このメトロポールオーケストラの演奏はオリジナルアレンジとなります。原曲もそうですが、アレンジしたうえでここまでお互い、パットもオーケストラも、まさに才気と才気のぶつかり合いを感じる、そんな演奏のように思えます。天才の曲にはピッタリな気がしました。
【恋柱】甘露寺密璃
胡蝶しのぶに続いて二人目の女性キャラ。というわけで、先程はMaria Schneiderさんをチョイスしましたが、こちらはこれにしました。
Toshiko Akiyoshiさんの「Harvest Shuffle」です。最初は恋柱だし見た目もファニーな感じなので、もっとLoveとかGirlとかLadyとかBeautifulとかそういう方向で考えていたのですが、このキャラもう一つの設定として「人一倍沢山食べる」「筋力が半端ない」というのがあり、これをそのまま受け入れてくれる人・場所を求めているうちに柱になったというのがあるんです。どうせならこっちを活かした方がいい気がしましてね、Harvestはまさに豊穣の歌、沢山食べるという設定にピッタリ。しかもこの曲後半に向かってどんどんヘビーになっていき最後はとんでもなくマッチョでゴツイことになりますので、その点でもピッタリ。穐吉さんという女性コンポーザーの楽曲でありながらヘビーでマッチョ、それでいて明るく豊穣を称える。こう考えると実にピッタリな曲だなと思います。
【蛇柱】伊黒小芭内
さて、蛇柱です。これはもう蛇いくしかない、というわけで直球でこれにしました。
はい、「Snakes」ですね。日本のビッグバンドではとにかくこれが流行っている。原曲はBob Bergですが、ビッグバンドアレンジにしたのは吉田治さん。元々早稲田大学ハイソサエティオーケストラで演奏するようにアレンジしたものらしいですが、あまりにカッコイイのと吉田治さんをリーダーに制作が進められた「バトルジャズビッグバンド」というコンピレーションアルバムにも入ったことで、日本の学生バンドがこぞって演奏するようになったという代物です。まさかの高校生の演奏まであります。
ちなみにビッグバンドという括りを外せば、David SanbornのSnakesの方が有名かなと。蛇っぽいし。
あと悩んだのが「Life is a Cobra」と「King Cobra」ですかね。ただ「King Cobra」はさっきFire DanceのところでWoody Herman使っちゃたし、「Life is a Cobra」もかなり蛇感があっていいんだけど、何となく攻撃力が低そうに思えまして、ここは消去法でいきました。
【風柱】不死川実弥
さて、いよいよ残り2人。【風柱】不死川実弥ですが、これも単純にまずは風繋がりでこれにしました。
Mccoy TynerのFly with the windです。風は勿論なのですが、それだけだとかなり多いので、もう一つの設定で「血気盛ん」というのがありまして、育ちも決して良くない。そういう荒々しさが、Mccoy Tynerのピアノ、そして何といってもここで強調したいのはBilly Cobhamのドラム。もうね、叩く叩く。音だけ聞いててもドラムセットが心配になるぐらい叩きまくる。冒頭でストリングが入ってくるので何となくしっとり聞けるのかな?と思いきや、それをまさに正面からグーパンチで殴り倒してくるようなカウンターの強さ。問答無用、躊躇なく叩く=斬る、まさに不死川のイメージとがっちり合うので決めました。
【岩柱】悲鳴嶼行冥
ラストは【岩柱】悲鳴嶋行冥ですが、とりあえず「ゴツイ」という印象でこれにしました。
あとはこの悲鳴嶋は柱の中でも一番大きいんです。というわけで、ビッグバンドの中でも大きな楽器、ウッドベースかバリトンサックス、これを前面に押し出せるといいなと思いました。それからこの悲鳴嶋、訳分からないところでよく泣くんです。なんかそれが「呻く=Moanin」というのと合うように思えまして、決めました。
というわけで、いかがでしたでしょうか?これ、始める前は割とさくっと出来るかな?なんて思ったのですが、いざ考え始めると結構悩みますね。多分人それぞれあると思いますので、是非「私だったらこっちの曲かな」といった感じで考えてもらえたらいいなと思います。以上、ビッグバンドファンでした~、ばいばい~