UTG vs BB SPR AKTレインボーボード(Aハイボード研究①)【Level★☆☆☆☆】
はじめに
タイトルにもある通り、UTG vs BBのフロップについて研究したいと思います!「お互いのレンジを意識ながらのプレイをしてみたい」という方にはぜひ見て頂きたい記事となっております!
今回のUTG vs BBについてですが、UTGは最初にアクションするため、プリフロップで最も狭いレンジでオープンします。一方、それに対しBBは初めにブラインドを出していて、プリフロップ最後にアクションするため、広いハンドでコールすることとなります。
つまり
UTG → 狭い
BB → 広い
というようにハンドレンジの差が大きいということです。
このような互いのハンドレンジの差が大きい場合のフロップはどのように進めていけばいいでしょうか。この差をうまく活かして戦っていきたいものです。
また、フロップを分析するといっても、たくさん種類がありすぎるため、ハイカードの種類に分けて考えることにしたいと思います。そこで、最も出現頻度が高いAハイボードについて分析したいと思います。ためしに、Aハイボードの出現確率を計算してみましょう。
フロップの組み合わせ:$${_{52} \mathrm{C}_3 = 22100}$$通り
Aハイボードの組み合わせ:$${4 \times {}_{48} \mathrm{C}_2 = 4512}$$通り
したがってフロップAハイボードになる確率は
$${\frac{4512}{22100} \simeq 0.2}$$
つまり、Aハイボードを研究するだけでフロップの20%も研究できたことになります。
また、3betポットではレンジが狭まるため、SRP(シングルレイズドポット)のみに限定して分析したいと思います。
【分析の条件】
・UTG vs BB SRP
・キャッシュゲーム
・6 MAX
・エフェクティブ100bb
・レーキNL50(6bbキャップ、5%)
ハンドレンジの確認
まずは、UTG、BBのそれぞれのハンドレンジを確認していきましょう。
UTGのハンドレンジ
UTGは最初にアクションするため後に3betが来る可能性が高く、オープン額は2bbとします。A3s+や66+などでオープンをし、レンジ全体の17.6%でオープンをしていることが分かります。
BBのハンドレンジ
BBははじめに1bbブラインドを払っているため、UTGオープンに対して広いハンドでコールをすることができます。プレミアハンドや一部頻度でブラフレイズをするほか、多くのハンドでコールをします。特にスーテッドハンドは52sなども含め幅広いハンドでコールをしています。レンジ全体では32.6%のハンドでコールをしています。
AKT レインボーボードの分析
ではいよいよフロップの分析に入りたいと思います。Aハイボードといってもまだまだ種類が多いため、更に分けて考えたいと思います。そのうち、フロップの三枚のスートが全て異なるボードのことをレインボーボード、二枚だけ同じスートのフラッシュドローボードを考えたいと思います。また、簡単のため今回はペアボードとモノトーンボードに関しては除外します。
まずは、AKTレインボーボードに分析してみたいと思います。
概観
AKTレインボーというボードは、レンジ差の大きいUTG vs BBのSRPにおいて、とてもUTG側に有利なボードとなります。ここで、両者のエクイティのグラフを見てみましょう。
※エクイティが分からない方は、厳密さを無視すると、今回は簡単にハンドごとの”勝率”と考えてもらって構わないです
以下のグラフを見ると、レンジ全体でUTGがBBに対して高いエクイティを保持している、つまりUTG側に圧倒的に有利なボートであることが分かります。
BBのアクション
先述のとおり、AKTレインボーボードではBBはハンドレンジ全体でUTGにエクイティで負けていて、不利なボードです。
このようなときは、ドンクベットはせずに、チェックをしましょう。
UTGのアクション
今度は、このボードで圧倒的有利なポジションですね。
このようなときは、積極的にベットをしていきましょう。
次に問題になるのはベットサイズですが、このようにレンジ全体で有利な状況においては、小さいサイズのベットが好まれます。BBのレンジには、どうしようもないトラッシュハンド(86sなど)も多く、これらのハンドはベットサイズに関係なくフォールドになります。また基本的に自分が勝っている場合が多く、ベットサイズを小さくして相手に必要勝率を小さく見積もってもらったほうがコールをもらいやすいからです。
今回のケースでも、ポットの33%または50%のベットサイズを使えばいいことが分かります。
UTGの33%CBに対するBBのアクション
UTGのベットサイズが33%でも50%でもBBのアクションは基本的には似ているため、33%CBに対するBBのアクションを見ていきます。
UTGがほとんどすべてのハンドで打つCBに対し、BBはどのように対応するべきなのでしょうか。
まず、この表の概要を見てみましょう。
※一部ハンドのスートごとのアクションの違いはこちらの図では見えませんが文中で補綴します。
ストレート/セット/ツーペア:Call or Raise
A ヒット:Call
K ヒット:強キッカー(T+)はCall、弱キッカー(9-)はCall or Fold
一部のガットやバックドア:頻度でブラフRaise
上二項目については大丈夫でしょう。強い役ではcall以上をするのはごく自然だと思います。今回は、残りのハンドについて着目します。
セカンドペアとなるK ヒットですが、KQ,KJはKヒットに加えガットショットになっていて、Callの選択になります。また、K9以下では、スートが大切になります。プリフロップのレンジにおいてK9以下は全てスーテッドハンドであることにも注意すると、スートはボードのハート以外三種類考えられますが、それぞれで以下のようなアクションが良いようです。
スペード:Call
ダイヤ:Call or Fold
クラブ:Fold
こちらは、バックドアフラッシュドローが大きく関係します。スペードは最も強いAハイフラッシュのバックドアとなります。次にダイヤは(UTGのAハイフラッシュには負ける)Kハイフラッシュのバックドアとなります。最後にクラブはフラッシュが完成するか可能性はありません。
ストレートやフラッシュという役は完成すれば、相手がバリューベットを打つトップヒット、ツーペア、セットなどもすべてまくれるため、たとえ確率が小さくても、非常に重要な要素になります。
強いツーペア以上の役でバリューレイズをするからには、ブラフレイズをするハンドも必要です。ではどのようなハンドがブラフレイズに適するのでしょうか。
J7s~J9sでは、クラブはFold、それ以外のスートではCall or Raiseとなっております。これらは、Qが落ちるとストレートが完成するガットショットと、それぞれのスートのバックドアフラッシュドローがあります。
このようにガット+バックドアのようなドローハンドは、積極的にブラフレイズに回される傾向にあります。もしコールされても、コールされたハンドをまくれる可能性があるからです。
Riaseを選択した場合のサイズですが、こちらはレンジが強い役かブラフかにポラライズされているため、大きい額を選択した方がよく、6倍の9bbが良いようです。
まとめ
以上がAKTレインボードにおけるUTGとBBのアクションになります。UTGが圧倒的に有利なボードですので、それを念頭に置きながらUTGはほぼすべてのハンドで小さいCBを打ち、BBはそれに対しトラッシュハンドは全てFoldし、AやドローのあるKではCallをし、ガットやバックドアで一部ブラフレイズをするといった戦略が効果的なようです。
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