近所の犬の鳴き声がうるさい!どこに苦情を言って対策をすれば良いのか?
今回は、少し重い話になりますが、近隣住人との騒音問題についてお伝えしたいと思います。
住宅密集地では、何かと騒音のトラブルがつきものです。
テレビの音、ステレオの音、楽器の音、洗濯機の音、人の話し声、犬の鳴き声、工事の音...
あなたは今、何かの騒音に悩まされていませんか?
もし、引っ越し先の物件を決める時に、予め騒音の多い場所だという事が分かれば他の場所を探す事が出来ます。
ただ実際には、しばらく住んでみないと状況を確かめる事は出来ません。
仮に引っ越した当初は静かだったとしても、後から引っ越してきた近隣住人が騒音の元凶になる事もあります。
いずれにしても、騒音のトラブルというのは、何時どこで発生するかは分からないものです。
ですから、思いもよらない騒音トラブルが発生した場合には、いかに上手く対策を行うかが非常に重要になってきます。
もし、苦情の伝え方を間違ってしまえば、更に問題が大きくなる可能性だってあります。
特に、感情的になってしまうと相手の怒りを買う事にもなり兼ねませんから、あくまでも慎重かつ穏便に対策を行う事が身の為です。
結局のところは、苦情を言う側も言われる側もどこに妥協点を置くかです。
ここが騒音トラブルの対策をする上で、最も難しい所ではないでしょうか。
そこで今から、実際に起こった私の騒音トラブルの体験談をお話したいと思います。
人によっては対策の参考にして頂けると思います。
引っ越し先で激しい犬の鳴き声が...
私が今住んでいる3階建てのハイツに移り住んだのは、今から約10年前の事でした。
当時、何軒かの物件を回っていた中で、このハイツの空き部屋が最上階の角部屋という理由で入居を決める事にしたのです。
基本的に、最上階の部屋や角の部屋というのは、人気があるので空きがあっても直ぐに埋まってしまいます。
ところが私の場合は、最上階でしかも角部屋という部屋が見つかり非常にラッキーだった訳です。
ところが、これは同時にアンラッキーでもあったのです。
翌朝、私は激しい犬の鳴き声と共に目を覚ましました。
それは小型犬に特有の、まるで脳天に突き刺さる様な甲高い鳴き声だったのです。
私は思わずベランダの扉を開けました。
すると犬の鳴き声は、ちょうど私の部屋の真向いの家から聞こえていたのです。
”一時的に鳴いているのだろう”
初めはそう思いながら数日を過ごしていたのですが、激しい犬の鳴き声は毎朝の様に聞こえて来たのです。
そればかりではなく、犬は来訪者がある度に激しい鳴き声を放っていました。
更に夕刻になると、留守番をしている犬はまるで飼い主を待ち侘びるかのように、数十分から1時間以上に渡って鳴き声を上げ続けるのです。
当時の私は夜勤と宿泊勤務を交互に繰り返していましたから、日によっては昼間に寝ている事もある訳です。
しかし、そんな日は、犬の鳴き声で安眠どころではありません。
又たとえ起きていたとしても、甲高い犬の鳴き声は気になって仕方がありません。
ちなみに、その犬の正体は、まるまると太ったポメラニアンでした。
やがて私は我慢の限界に達し、最初の対策を行う事になりました。
対策①:手紙で苦情を伝える
最初に行った対策は手紙作戦です。
これなら、直接的に苦情を伝えるよりも気が楽だと考えたのです。
そこで、手紙の主はあくまでも第3者を装い、こんな内容で苦情を伝えてみる事にしたのです。
「市の環境局です。実は近隣住人から、お宅で飼っている犬の鳴き声がうるさいと苦情が入りました。つきましては騒音対策をお願いできないでしょうか?」
私はこの手紙をそっとポストに投函し、そして暫く様子を見る事にしました。
ところが...
数週間が経っても、犬の鳴き声は一向に止む事はありませんでした。
私は、何の対処も行ってくれない飼い主に怒りを覚えながら、次の対策を試みる事にしました。
対策②:役所に相談
手紙でダメなら、もう直接的に苦情を伝えなければなりません。
とはいえ、私自身が直接交渉するのは気が進みませんでした。
そこで色々と調べてみると、役所でペットの騒音に関する問題を扱っている事が分かりました。
さっそく、詳しい内容について電話で聞いてみると、市の職員さんがペットの飼い主の家に訪問して指導を行ってくれるという事でした。
そこで、私は職員さんに犬の飼い主の名前と住所を伝え、訪問の結果報告を待つ事になりました。
そして数日後、職員さんから電話が入りました。
報告によると、まず職員さんも犬の激しい鳴き声に驚いたそうです。
そして飼い主からは、何か対処方法を考えておくという返事をもらったという事でした。
また、飼い主は苦情の相手が誰なのかを知りたがっていたようですが、私はあくまでも匿名扱いにしておいてもらいました。
そんな事で、私は又しばらく様子を見る事にしたのです。
しかし...
一カ月が過ぎても、相変わらず犬の鳴き声は消えませんでした。
そして職員さんにお願いし、もう一度飼い主に指導を行ってもらったのです。
すると飼い主の方は、苦情の相手と直接話して謝罪がしたいという強い要望があったらしいのです。
そこで私は、ようやく匿名を解除する事にしました。
そして数日後、私は飼い主の奥さんと直接お話をして、何らかの対策を考えてもらう事になりました。
それでも状況は何一つ変わらないまま数か月が過ぎ...
私は遂に堪忍袋の緒が切れて、ある感情的な対策に踏み切ってしまったのです。
対策③怒りの手紙作戦
一体、何時になったら腹立たしい犬の鳴き声から解放されるのか?
飼い主は、真剣に対策を考えているのか?
そんな事を考えていると激しい怒りが込み上げ、私はその怒りを手紙にぶつける事にしました。
これは一種の荒療法と同じです。
とりあえず現状を変えるには、何か思い切った行動が必要な時もあります。
私は書きあげた怒りの手紙を犬の飼い主のポストに投函し、その反応を待ちました。
すると、その夜...
玄関チャイムが鳴り、インターホン越しに相手はこう言いました。
「向かいの者や!」
どうやら、まだ話した事のない向かいの主人のようです。
そして声色から、相手は臨戦態勢である事は察しがつきました。
そしてドアを開けると、怒りの手紙を手にした主人がこう切り出したのです。
「この手紙、どういう事や!」
その後、主人と私の押し問答が続きます。
「手紙に書いてる通り、犬の鳴き声なんとかなりませんかね?」
「こっちも色々と考えてるんや」
「それでも、犬の鳴き声はうるさいですよ」
「後から移り住んできたくせに」
「後も先も関係ないでしょう」
「こんな苦情を言うのは、あんただけやで」
「他の人は、ただ黙っているだけと違いますか?」
「そんな事はない、何がうるさいんや」
「本当に、うるさいですよ。夕方になったら、30分や1時間は平気で鳴いてますわ」
「...」
ここで主人は言葉を失いました。
そして主人は和解の意向を示し、私に向かって手を差し伸べたのです。
私はその手を握り、ここで押し問答は終わりました。
「犬の鳴き声が気になったら、何時でも言ってきて」
主人はそう言い残して帰って行きました。
その後、穏やかに対策が進む
その後、私は向かいの家を何度か訪れて、犬の鳴き声対策について一緒に考えて行きました。
そして最終的には以下の対策によって、問題はほぼ解決したのです。
①留守の間は口輪をする。
②ハイツとは逆方向の玄関先で飼う。
③鳴き声が漏れない様に窓を閉める。
こうした対策により、今では犬の鳴き声がほとんど気にならなくなりました。
ここに至るまでには、状況が徐々に改善しながら5年近くはかかっています。
この一件を通じて、私はある大事なことを学びました。
それは近隣住人と何かトラブルが起こった場合、一方的にこちらの要求を押し付けると解決には至らないという事です。
大切なのは相手と冷静に話し合い、協力しながら解決策を見付けて行くという事です。
もし、あなたが近隣の騒音に悩まされているとしたら、ぜひ今回の私の経験を参考にしてみて下さい。