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過酷な宇宙で日本人は”スーパールームメイト”になれる!

今回も引き続き、”過酷”シリーズをお届します。

第4弾となる今回は、実際に過酷な環境である宇宙で活躍する人材を選ぶ”宇宙飛行士選抜試験”についてボソッとさせていただきたいと思います。


宇宙と言う過酷な環境に行くのですから、宇宙飛行士選抜試験は当然のように”史上最も過酷な試験”であると言われています、妙に納得します。

そんな選抜試験の最終選考の1か月間に密着した番組『選ばれるのは誰だ?密着!宇宙飛行士選抜試験 ついに決定!汗と涙の全記録』を観て、改めて実感しこと・・・


これから月、そして火星を目指す人類が、宇宙飛行士に求める素質は

優れた知識や技術をもった『スーパー宇宙飛行士』よりも、過酷な宇宙環境でさえも地球と変わらない日常を送れる人材『スーパーエブリーデー宇宙飛行士』なんだなと。


『選ばれるのは誰だ?密着!宇宙飛行士選抜試験』


今回の宇宙飛行士選抜試験で宇宙飛行士の候補に選ばれたのは米田あゆさん(28)と諏訪理さん(46)です。

JAXAによると、日本人の今後の宇宙飛行についての進路は3通りあるようです。

1つ目は、2030年までの運用延長が決まったISS滞在。

2つ目は、日本人1人がクルーとして登場することが決まっている月周回有人拠点ゲートウェイ。

3つ目は、日本人初めての快挙となるのか楽しみな、月面着陸です。

日本はこれからアルテミス計画に参加するので、今回選ばれた2人は、果たして月面を歩くことができるのか、今後の動向が本当に楽しみですね。


宇宙飛行士選抜試験の主な内容

番組内で紹介された最終選抜試験の内容と参加者は下記の通りです。

最終選抜試験の内容
閉鎖環境施設での試験
模擬月面施設での試験
作った探査機で”月面レース”

最終選抜試験の参加者

有屋田健一(34)
脳神経外科医

横矢菜摘(38)
防衛省行政職

谷晟(30)
不動産会社

明楽隆志(36)
生物学者

安宅晃樹(30)
民法アナウンサー

諏訪理(46)
国際金融機関

草場剛史(36)
食品会社

小西憲(43)
航空会社パイロット

米田あゆ(28)
外科医

田原健太朗(34)
コンサルタント


閉鎖環境施設での試験

受験者10人が6日間、閉鎖環境の中に閉じ込められ、24時間監視されながらさまざまミッションを遂行します。

試験担当の川崎一義さんは選考基準のポイントを教えてくれました。

<質問内容>
「課題でどれくらいできるのかが大事なのか?」
「課題に取り組む姿勢やコミュニケーションを見ているんですか?」

<これらの質問に対する川崎さんの回答>
「はい、ストレスを受けている環境の中での行動を見ています。」
「行動基準の指針は詳しくは言えないけど、例えばチームワーク、宇宙船の中でケンカを始めちゃうとミッション達成できないのでそこを重視している」

NHK番組『選ばれるのは誰だ?密着!宇宙飛行士選抜試験 ついに決定!汗と涙の全記録』


模擬月面施設での試験

月や火星に人類を送り込むアルテミス計画に参加する日本は、無人で遠隔操作する月面探査車の開発に力を注いでいます。

そこで、閉鎖環境施設で月面探査車を製作することになりました。

受験者たちの主な作戦は下記の通りです。

有屋田さん
「あくまでも最悪を想定して、確実にいくことにしました」

米田さん
「(製作が間に合わず)あと10分欲しいとコントロールセンターへ相談した」
「慌てた、時間ギリギリのところで変更を余儀なくされた。
実際に完成形にとりあえず1回もっていって、そこから調整していこうという手段をとるべきだった」
「リーダーだったのでタイムコントロールできてなかったのが反省点です」

諏訪さん
「正直、(同じチームの)あの2人でもチームはまわったと思ったんです。だから、私はできるサポートをしよう。」

NHK番組『選ばれるのは誰だ?密着!宇宙飛行士選抜試験 ついに決定!汗と涙の全記録』

チームが最も機能するために、個人がどう関わるか?ということが、この試験ではポイントとなっているようでした。


試験担当の川崎さんによる諏訪さんの行動についての見解です。

川崎さん
「画面上で発言機会があるない、目立つ目立たないというような違いはあるんですけど、表面的なところにはとらわれず、ご本人がどういう意識を持って貢献しようとしているか、いわゆるリーダーシップに対するフォローシップをしっかり見せて頂いている」

「勝ち負けの問題でなくてどう行動するかを見ている」

NHK番組『選ばれるのは誰だ?密着!宇宙飛行士選抜試験 ついに決定!汗と涙の全記録』


米田さんの対応についてもこのように見解されていました。

宇宙飛行士の大西卓哉さん
「あの厳しい環境下で、10分下さい!と言ったことがすごいな。」
「自分なら制限時間が切れたところで諦めていたかもしれない。最後、諦めずにあの一言を言える米田さんのすごいところ」

川崎さん

NHK番組『選ばれるのは誰だ?密着!宇宙飛行士選抜試験 ついに決定!汗と涙の全記録』


作った探査機で”月面レース”

将来の火星や月の探査を見据えた砂場の中で、閉鎖環境で作成した月面探査車を走らせるレースが行われた。

しかし、ただのレースではありません。

探査車と砂場は画面越しにしか見ることができない中で探査車を操作しないといけないのです、もちろん宇宙ですので、見える場所、見えない場所があって、それを画面越しから判断しながらレースをすることになります。

まさに、過酷な環境下でのレースなんです。


レースが行われるのは2回。

1回目は、それぞれチームは作戦を立てて実行。

しかし、1回目のレースにおいて、米田さんのチームはルール違反により失格となります。


ここでとっても印象に残るシーンがありました。

それは、失格によりチームのメンバーは頭を抱える中、米田さんだけがずっと考え込んでいるんです。


過酷すぎる環境で探査車を操作するので失敗はアタリマエなのかもしれません。

しかし、米田さんは”失敗を失敗のままにしないという精神”で、しっかりと腰を据えて失敗の理由を分析していました。


続けて2回目のレースが始まります。

ここでコントロールセンターからトラブル発生の連絡、急きょレースのルールが変更され、競争ではなく協力してミッションを遂げるようにという指令が入ります。

そんなスクランブル態勢に関わらず、さすが優秀な方々が集まった最終試験、皆さん見事にミッションをクリアしました!


この2回目で最も印象が強かったシーン、それは1回目失敗に終わった米田さんチーム、再び米田さんの言動に注目が集まります。

米田さん
「(2回目のレース、自分たちのチームは)サポートに行った方がいいかもしれない」

「3チームそれぞれの目標を明確にして、自分のチームは何をしなきゃいけないのかということを考えるのが重要。」

NHK番組『選ばれるのは誰だ?密着!宇宙飛行士選抜試験 ついに決定!汗と涙の全記録』


エリート意識を持たない宇宙飛行士


米田さんチーム、1回目は失敗に終わっているんです。

そんな自分たちの置かれている状況を考えると、2回目のミッションでなんとか挽回して、良い成績を収めたいと普通ならば思うことでしょう。


自分たちは最終試験まで選ばれたエリートなんだ、我々ならば問題を解決できる!と思う人がいたら・・・

最終選考まで残った方々です、問題を洗い出し、解決できる能力は高い方々なのでしょうから。

「1回目の失敗で終わるわけにはいかない」
「問題があっても私たちなら解決できる」
「不可能を可能にするんだ!」

しかし、ここは”過酷な環境”、もし普段ならば・・・冷静に考えれば・・・

米田さんの言動をする方はどの組織にもいるのではないでしょうか?

「ちょっとまって、もう少し様子をみよう」
「いまどんな状況にいるのか、情報を集めてみよう」
「さっき失敗したばかり、焦らないでじっくりいってみよう」


日常生活を淡々と送る宇宙飛行士


この番組内で、私が見ていた一番のポイントは【誰が日常化に励んでいるのか?】でした。

放送時間の関係で編集でカットされている場面にこそ、そういう場面があったことでしょうが、残念ながら番組内では閉鎖環境施設内での普段の生活シーンは放送されませんでした。


それでも放送されていたシーンに【日常化に励んでいる姿】がありました。

それは、諏訪さんの姿です。


閉鎖環境施設内であっても、「朝早く起きて体を動かす、ストレッチする、鍛える」諏訪さんの姿が映っておりました。

個人紹介コーナーで諏訪さんは早朝&夕方はランニングすることが日常となっていることは知っていましたから、閉鎖環境の初日に、早起きしてトレーニングしている姿をみたとき、私は思いました。

諏訪さんなら過酷な環境に行ってもすぐに”自分の日常生活を取り戻す力”があるのでは!


さらに、諏訪さんの試験中の言動こそ、まさに日常化による賜物。

最終選抜試験、そして、過酷な環境下での試験ともあれば、不可能を可能にしてやろうとする気持ちを前面に出そうとする人もいることでしょう。

自分の名前が残ることや注目されることに力を注ぎ、名前の残らない雑用をおろそかにする傾向があるかもしれません。


しかし、諏訪さんは常に一貫して、

表面的なところにはとらわれず、何がこの”チームのため”になるかを考えて行動する。

恐らくこれが諏訪さんの日常なんだと推測します。

なぜなら、あの過酷環境の中で常にその姿と思考で過ごすことができるんですからね。


まさに2人とも”スーパールームメイト”


宇宙飛行士の候補に選ばれた米田さんも諏訪さん、

2人ともぶれずに一貫性を持っていることが評価されたからこそ、宇宙飛行士候補に選ばれたのではないでしょうか。

エリート意識を持たず、淡々と日常生活を送り、やるべきことをやる。

長期滞在ミッション、月、火星への人類未踏の地へのミッションといった過酷な環境へのチャレンジでは、そのミッションはクルー同士の人間関係で破綻する可能性もあります。

誰かが孤立したり、はたまた分断化してしまったり・・・

NASAもJAXAもそれを一番恐れているのではないかと、私は思っております。

それが宇宙での最大のリスクなのではと。


最後に、最終選考に残った受験者の中で、私にとって印象深い人がいました。

生物学者の明楽さんです。

彼の発言内容に、私はとっても共感しました。

この考え方はきっと人類が未踏の地で生き残るための一番のポイントなるのではないでしょうか。

明楽さん
「昔はNASAの宇宙飛行士ってスーパージーニアス(天才)とかスーパーアスリートを選んでいたわけですけど、いまはちょっと違っていて、”スーパールームメイト”を探している。

人間性でむしろ選んでいると聞いたとき、最高のルームメイトだったらなれるかもって、より身近に感じられた。」

NHK番組『選ばれるのは誰だ?密着!宇宙飛行士選抜試験 ついに決定!汗と涙の全記録』

そうですね、今回合格した2人の言動を見ていると分かります、

まさに2人も”スーパールームメイト”になれる!

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