矢追さんの番組はなぜ楽しいのか?五味弘文氏&桂枝雀氏から学ぶ
あっ、今日もオカルト系ボソッとです!矢追さんへの想いが止まらない!なぜなら・・・
なぜ矢追純一さんは宇宙人と言う「恐怖」を「楽しい」に変えたのか?
そんな怖いものが面白い!という感覚になるのは正直、謎でした。
その謎を今日は考えてみました。
ケネディ大統領の暗殺検証番組を観てから、ふと思い、矢追純一さんの番組を見返したことにより、昨日の記事をボソッとしたのですが、実は矢追さんの番組を観る前に、ある番組を観ていたのです。
その番組をたまたま観ていたことが幸いして、その番組で知ったことを活用すれば、なぜ矢追さんの番組は「恐怖」を「楽しい」に変えたのかが、なんとなくわかった気がしたんです。
その番組とはNHK番組『ダークサイドミステリー』「お化け屋敷の進化が止まらない!〜“怖い”は楽しい!の秘密〜」です。
今回はこの番組で教わったことを中心にボソッとしながら、次回のボソッとではこの番組で教わった内容を基に、なぜ矢追さんの番組は面白いのかを考えてみたいと思います。
【補足】
それと、今回のボソッとでは私の大好きな海外ドラマ『ウォーキング・デッド』がなぜ面白いかも、ちょっとだけですが、考えてみましたのでご覧頂ければ幸いです。
お化け屋敷を”展示型から劇場型”へのエンターテインメントへと変革させた五味弘文氏
出典:NHK番組『ダークサイドミステリー』「お化け屋敷の進化が止まらない!〜“怖い”は楽しい!の秘密〜」
お化け屋敷に入ったお客さんをまるで演劇の世界に入り込んだような気分にさせるテクニックによって、お化け屋敷を”展示型から劇場型”へのエンターテインメントへと変革させていったのが、お化け屋敷プロデューサーの五味弘文さんである。
五味さんが追求したのは”どうすれば「恐怖」を「楽しい」に変えられるのか?”ということ。
五味さんは人間の不安の仕組みである”緊張と緩和”の度合いを計算してテクニック化させたことにより恐怖から作りだす楽しさ、恐怖のエンターテインメントを創造することができました。このテクニックによりお化け屋敷を進化させ、真のエンターテインメントにさせた五味さん。
そんな五味さんがこだわったのは、人の感情。お化け屋敷では「恐怖」というネガティブな感情に追いつめられるのに、どうして終わった後は「楽しい」というポジティブな感情が生まれるのか?それを考えたとき、お化け屋敷での人の感情を考えると・・・
●不安な気持ち⇒いつ何がでてくるかわからないという緊張をするとき
●恐怖の瞬間:何が出てくるかわからない不安が一気に解決するとき
●安堵:緊張状態が緩和されホッとするとき
人は不安から、そして恐怖を感じた後、いっきに安堵に変わるという”落差”を味わったとき「楽しい」と感じていると五味さんは考えました。
そこで、五味さんは不安、恐怖、安堵を使った楽しさを作る4つの感情によるテクニックを編み出しました、その4つの感情とは・・・
的中
意外
気づき
唐突
的中
お客が不安を抱いた通りになる「的中」
最初、なにかありそうだなと不安が増していく。
やっぱりオバケがいた!という恐怖絶頂となる。
そして、やっぱりオバケかと安堵となる。
意外
不安を感じながら行動しても何も起きない・・・
不安度は低下していき、いったん安堵して気が緩んだ瞬間に!
意外な恐怖で驚く。
これにより、より大きな落差を作る。
気づき
怪しいところはないが、いつもアタリマエに起こることが起こらない。
いったいなぜ?
ただでさえ不安なのに、新たに分からない謎のことが起きてくる・・・つまり、新たにもうひとつの不安が襲ってくる。
ダブルの不安を高めたところに・・・
恐怖が突然に襲ってくる。
でもこの瞬間に、さっきまでの謎と言う不安定な状態が一気に安定状態となる。
あ~だからさっきの謎があったんだということが分かった瞬間、
2つの喜びが同時に味わえることになる。
唐突
なぜか「ここが怪しい」といった不安ポイントが見当たらない・・・そんなに高くない不安がたくさん存在している状態。
「不安」があちこちに向きスキだらけになったその瞬間に・・・
一気に恐怖に陥る。
この場合、予想が無い、予想が立たないというのが特徴。
予想が一切立たない、なんとなく不安だ、そういう状況からある種の恐怖が生まれるというのが、この演出の特徴。
五味さんは落語家の桂枝雀さんから「オチ」を学んだ。
五味さんはこの不安、恐怖、安堵で楽しさを作るテクニックを、噺を締めくくる「オチ」を4つに分類した人気噺屋であった、落語家の桂枝雀さんから学んだそうで、噺を締めくくる「オチ」をヒントに、五味さんは「緊張」が「緩和」するメカニズムを考えることで楽しさを創り出したのです。
桂枝雀さんのオチとは
「ドンデン」「謎解き」「へん」「合わせ」
ドンデン
どんでん返し。
結末の予想をひっくり返す。
こう落ちるかなって思ったら、予想外の展開で終わること。
謎解き
「なるほど」と納得して終わるもの。
最後に「こういうことだったんだ」と思うこと。
へん
予想外のものが続いていって、最後まで予想外のもので終わるもの。
ドンデンとも謎解きともまったく関係ないところで落とすこと。
合わせ
話の展開から考えられる予想の通りで終わるもの。
「こうなるだろうな」とお客さんが思っていたところにすっと収めて、気持ちよく終わること。
五味弘文氏の”感情”&桂枝雀氏の”オチ”の融合
これを五味さんの感情と結び付ければ・・・
「ドンデン」⇒「意外」
「謎解き」⇒「気づき」
「へん」⇒「唐突」
「合わせ」⇒「的中」
海外ドラマ『ウォーキング・デッド』も「恐怖」を「楽しい」に変えた
五味弘文氏の”感情”&桂枝雀氏の”オチ”の融合で編み出されたテクニックで、海外ドラマ『ウォーキング・デッド』を考えると、そうですね、やっぱりこのドラマも「恐怖」を「楽しい」に変えたから、大ヒットさせたんですね。
『ウォーキング・デッド』を観た方はこう思うのではないでしょうか・・・
五味さんがお化け屋敷を進化させた4つの感情テクニックを思いながら、『ウォーキング・デッド』ってなんであんなにも面白かったんだと振り返ってみたら、こう思いました。
なにせ人間だけのシーンは常に不安と恐怖だらけ、そんな人間と比べたらゾンビは・・・やっぱり、はかないよね。
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