”見えてる人”が創り出すアート~n・a・n・l②
前回のボソッとに続いてNHK番組『朝までno art, no life』で出会ったアート作品、その中でも私が圧倒された作品をご紹介したいと思います。
もちろん、前回に続いて私の作品を観るメセンは・・・
『優しさ』
藤岡祐機さん
なんだかわからないけど、なんだかすごい作品
0.1ミリにも満たないほどの細い幅で紙にハサミを入れていくと、不思議な造形が生まれる。
作品を作っているときのハサミの音が、とっても心地よい。
その音を聞いているだけで、優しくなれる。
番組出演者がこの作品に実際に手で触れたのですが、
「うわ~、きれい、うねり方も微妙に変化するんですね」
「触れてみると全然違いますね。」
ハサミで切る心地よいと思う音、この音の本当の理由が藤岡さんには見えているのではないでしょうか。
もしかしたら、藤岡さんが奏でるこの音の秘密を解明出来たら、すごい名曲が誕生するかもしれませんね。
似里力さん
糸くずで誰も見たことがないものを創った
10年間、糸を結び続けてきた。
糸を切って、結び直す。
一日、一日がつながり、形になっていく。
似里力がつくる糸玉。
第一印象、「ガウディ建築ですか?」という思いでした。
何かしらの構造体のようなものになっているのですが、糸を結んで切って、糸が糸と一緒になって、構造体という形をなしていく。
なんか偉大なるガウディ建築の雰囲気にも見えますし、糸の繊細な優しさが存分に伝わってくる作品です。
でも、私には似里さんは見えていると思います、そう見えているのは宇宙です。
物質の基本的な構成要素が似里さんにはみえているのではないでしょうか、そう”ヒモ理論”のことです。
似里さんには見えているんでしょう、宇宙の真理を解き明かすヒントをこの作品を通して私たちに伝えようとしているのではないでしょうか。
関口エイ子さん
エイ子さんが描く絵は親しい人への贈り物。
エイ子さんは、彼女しか見えない優しいオバケとずっと一緒にいるんです。
その名もシャツさん、服に住むオバケなんだそうです。
エイ子さんのシャツの触り方がとっても優しいんです。
触りながらシャツと会話するんです、「シャツ、また会いましょう」と言ってくれるんです。
なぜならシャツさんとは幼いころから大の仲良しのようです。
エイ子さん曰く、シャツにはたくさんオバケがいるらしいです。
実はエイ子さん、髪形は瀬戸内寂聴さんそっくりにしているんです。
そのことを踏まえて、私はこう思いました。
古代から日本ではあらゆる現象や、太陽から月、風、家のなかの便所まで世の中に存在するすべての物に神が宿っていると考えである『八百万の神』を、エイ子さんみて思い浮かべました。
きっとエイ子さんには無数の神様が見えているんではないでしょうか。
エイ子さんに自分のシャツの絵を描いてもらったら、そのシャツを大事にしたいという優しい気持ちになりそう気がしています。
私もエイ子さんが見えているオバケを見てみたい、そこにある世界を見てみたい!