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【第3軸を探る旅】誘拐されたイスラエル人家族が語ったこと
国際ニュースを毎日観ていると、正直、気が滅入ってきます。
「なぜ世界はこんなにも極端化・2項対立ばかりなのか!」
しかも複雑さが増した世界では、ひとつの答えが無い世界であるがゆえに、両極化が異様に目立つため、こう思いたくもなります、
「あっ、世界は昔も今も、未来でさえも、争いから抜け出せないんだな」
良質なニュースの特徴
でもそんな気が滅入る国際ニュースの中でも、希望を感じるニュースもあるんです、そのニュースの特徴とは・・・
「当事者ひとりひとりの声を集めてくれたニュース」
つまり、当事者である市民を取材して、ひとりひとり何を感じているのか?何を求めているのか?そんな生の声を届けてくれるニュースを観る度に、私は希望を見出しています。
そんなニュースを観る際に、ニュースの見方として私が大事にしていることがあります。
それは自分のメセン(目線)を持ってニュースを観ること。そう、私のメセンは・・・
”第3軸を探す”
極端化した2項対立ばかり考えていないで、自分の判断軸をもとに、新たに”第3軸を探す”ことをテーマに国際ニュースを観るようにしています。
そこで、ここ最近、「あっ、これは良質な取材だな」と思ったニュースを皆さんにもご紹介したいと思います。きっと、このニュースを読めば、皆さんも極端化した2項対立だけではない考え方を見つけられるのではないかと思い、そんなニュースをボソッとさせていただきたいと思います。
誘拐されたイスラエル人家族が語ったこと
イスラエル・パレスチナ情勢の深刻化のきっかけとなったハマスによるイスラエル人の誘拐、発表されただけでも誘拐された方は200人を超えており、人質となった方の家族は10/7以降、不安な気持ちでその行方を見守っているというイスラエル人家族が語ったこと内容を記載しますので、よろしければお読みいただければと思います。
皆さんも新たな”第3軸”を感じられるのではないでしょうか。
人質の家族の思いは・・・
息子を人質に誘拐された母親
「こんなことが起こるとは想像もしていませんでした。私の人生は恐ろしい悪夢に変わりました。眠ることも食べることもできません。私は悲しみと痛みの中にいます。」
「起きていることを信じられませんでした。間違いだと思いたかったです。」
「私が望むことは一刻も早く息子や人質に取られた人が戻ってくることだけです。」
もし今後、イスラエル軍が地上侵攻作戦を本格的に始めてしまったら・・・そのときに人質救出はできるのだろうか・・・そんな政府の方針に異を唱える人たちもいます、彼らは平和的な解決を願っています。
家族が行方不明の男性
「私たちは立ち止まるべきです。流血をさけるためにすぐに行動すべきです。政府は立ち止まり、女性と子供たちを取り戻してください。」
12歳と16歳の2人の息子が人質となった母親レイナ・ゴメさんはガザ地区に近い集落に住んでいて、ガザ地区から働きに来るパレスチナ人の姿を日常的に見てきた方でした。
愛する息子2人が人質となったゴメさん、それでも”憎しみは抱いていない”と語ります。
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レイナ・ゴメさん
「パレスチナの人に親近感を持っていました。よき隣人だったのです。」
「私は境界というのは”国どうし”のもので、人と人との間にはないと思っていました。」
「子どもは戦争の道具ではありません。私は怒りを感じていますが、それは憎しみではありません。誰も死んでほしくないですし、誰も罰を受けて欲しくない。母親が子供の死を望むとは思えません。パレスチナ人であれイスラエル人であれ、世界中どこにもそんな母親はいません。」
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一方、平和的な解決ではなく、子供たちの無事を祈りながら、停戦はせず、ハマスを追い込むことで人質の解放につなげて欲しいと考えている家族は当然います。
娘と息子が人質となった男性
「10/7を境に人生が変わりました。自分の体の一部が死んでいるようです。何ひとつ興味がもてません。ただ子供対を取り戻したいだけです。」
「毎日、地獄にいるようです。」
「地上作戦で何が起きるかわからないですが、私は軍を信じています。」
「つらいです。子供が心配です。それでも停戦はしないで欲しい。ハマスが停戦を望むならば、子供たちを解放すべきです。」
それでも、憎しみにとらわれたくないと語る家族
ロンドンに住むシャロン・リフシッツさん、ガザ地区の近くに長年住んでいた80代の両親がハマスに連れ去られてしまいましたが、10/25に85歳の母は解放、しかし、父は拘束されたまま。
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リフシッツさんの父親はジャーナリストで、病気がちだったガザ地区のパレスチナ人をイスラエルの病院に連れていくなどの活動を行っていた方でした。
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シャロン・リフシッツさん
「私にはどうすることもできません。今できるのはここで話をすることだけです。」
「父にはパレスチナ人などたくさんの友人がいて、その人生を平和活動にささげてきました。私も父の肩に乗せられて平和デモに参加しました。両親が言っていたのはパレスチナ人とこそ友好関係を築くべきだということです。」
「ガザの人が直面する恐怖が分かります。ガザへの攻撃で私の心が安らぐことはありません。私は憎しみの連鎖に加担することを明確に拒否します。」
「悲劇を繰り返さないために、ガザの子供たちのために何ができるでしょうか。普通に会話ができ、人間らしく暮らし、家族を育める、そんな場所があるべきです。」
いかがでしたでしょうか?
イスラエル・パレスチナ情勢の深刻化は終わりが見えない問題のように見えますが、誘拐されたイスラエル人家族が語ったことを知ることで、私は第3軸を考えるきっかけとなりましたが、皆さんはどのような第3軸をお考えでしょうか?