グローバル・サウスの存在感と影響力
力でねじ伏せることが大きな成果となると考えられている現在、このトレンドの最先端を行くのがロシアだとすれば、ダークホース的な存在となっているのが今回ボソッとで取り上げる”グローバル・サウス”です。
グローバル・サウスの存在感
前回のボソッとで国連を巡って分断が見られる理由として「国連の存在感の薄れ」を挙げたが、もうひとつ理由がある、それが「グローバル・サウスの存在感」です。
このグローバル・サウスの存在感が増していることが顕著に表れているのが国連です。
今年2月の国連総会ではロシア軍のウクライナからの即時撤退などを求めた決議において、約50カ国が反対や棄権を選択しているが、これらの国の特徴は、ロシアとの歴史的に関係が強い国、そして欧米主導の体制を批判的・懐疑的にみているグローバル・サウスということです。
さらに、グローバル・サウスが中心となって行われた「G77と中国による首脳会合」において採択された政治宣言に、”途上国が直面する課題が深刻化している”、そして”欧米など先進国主導の国際秩序が不公正である”といった内容です。
”途上国が直面する課題が深刻化している”理由は、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化となることで、食料・エネルギーの価格高騰の影響により苦しむ国はグローバル・サウスでも深刻化されており、「グローバル・サウスの生存に関わる議論を国際社会は進めて欲しいのに、ウクライナ支援ばかり行われている!」といった先進国主導の国際秩序体制に我慢の限界を迎えている状況もうかがえます。
グローバル・サウスの影響力
ウクライナ情勢を一刻も早く解決して欲しい、ロシアが現在支配しているウクライナの領土をウクライナは明け渡して即時停戦をすべきという論調もグローバル・サウスから出ているのも、飢餓などが深刻化しているグローバル・サウスの立場に立てば、確かに納得する話でもある。
しかし、先進国はウクライナ支援ばかりでグローバル・サウスを助けてくれない・・・
だから、ロシアへの好感度はむしろアップしている調査結果が出ているのは、グローバル・サウスがウクライナを支援する立場をとることができない、そんな理由があるからだと思います。
そして、新たに起こった危機、イスラエル・パレスチナ情勢の悪化によって明るみに出てしまった西側の”ダブルスタンダード”行動によって、西側とグローバル・サウスの分断を広げていると見る専門家も多いようです。
ロシアのナラティブに賛同するグローバル・サウス
プーチン大統領が描く「ロシアこそが公正・公平な世界秩序を築き上げることができる、だから不公正なアメリカ主導の国際秩序を排除すべき」だという、ロシアのナラティブに賛同しているグローバル・サウスの国は決して少なくはないと言います。
ロシアのナラティブに賛同しているグローバル・サウスが考えていることとは?
グローバル・サウスであり、2月の国連総会では、ロシア軍に即時撤退などを求める決議案において棄権を投じたキューバ、前駐米大使の話から、グローバル・サウスが考えていることを読み解いていきましょう。
ロシアがウクライナでしている武力行使のこと、それでも非難しませんか?という問いに対して・・・
このインタビューを行ったNHK番組『キャッチ!世界のトップニュース』の別府キャスターはこのようなことを感じていました。
影響力を増したグローバル・サウスですが、ロシアのナラティブに賛同するグローバル・サウス相手に、向き合う難しさを実感しました。
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