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野球中継を面白いコンテンツにしたら興味を持つ子供は増えるか?

今日で夏の高校野球が終わりましたね、全国の高校3年生の球児の皆さん、本当にお疲れ様でした!

このタイミングで”真剣野球”を終える子たちが多いと思うけど、君たちの人生の中で是非とも野球を続けてください。

”草野球”や”親父野球”として再び野球に戻ってきて、今度は強制もしがらみも、大人の事情も全くない”本当のエンジョイベースボール”を思う存分味わってください!


さて、高校野球の決勝戦の野球中継を観た子たちはどれくらいいるのだろうか?日本が高校野球で盛り上がったこの勢いのまま、今夜のプロ野球中継を観る子供たちはどれくらいいるのだろうか?という問いから今日のボソッと始めたいと思います。

なぜなら、野球に情熱をかけたであろう甲子園出場校のキャプテンたちですら、プロ野球中継を観る球児は”レア”だというニュースが報じられたからです。

私もこの記事に書かれていることと全く同じ意見です。

10年間パパコーチをした経験で言いますと、プロ野球中継を観る子供たちは、本当に”レア”です。

昭和の時代では、テレビをつければ野球中継でしたので、テレビにかじりついて野球を応援する子たちが多かったことでしょう、そう、その当時は子供たちにとって野球は面白いコンテンツだったからです。


では、野球中継を面白いコンテンツにすれば、子供たちは興味を持ってくれるのでしょうか?

そもそも野球中継を面白いコンテンツにするということは、どのようなことなのか?

そんなことを今日はボソッとしたいと思います。




野球中継を面白いコンテンツにするとは?


プロ野球中継を今よりももっと面白いコンテンツにするためには、どのようなものにすればよいのか?皆さんはいかがお考えでしょうか?

いろいろなアイディアがあると思いますが、いまの時代を踏まえると、プロ野球中継にテクノロジーを導入して面白いコンテンツにするアイディアをだされた方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?

実は私もそうです。
最新のテクノロジー、データ、そしてAIを取り入れた野球中継にすれば、いまよりももっと魅力的なコンテンツにすることはできるのではないか?と私は思っていました。


そんな中で果敢にも、野球中継をもっと面白いコンテンツにしようという新たな取り組みが行われていたことを、皆さんご存知でしたでしょうか?

その名も「新感覚プロ野球中継」です。


新感覚プロ野球中継


先日8/18にNHKで放送された 「ソフトバンク対西武」の野球中継にて、ライブであらゆるデータを駆使してプロ野球を深掘りする新感覚プロ野球中継、『データで深く!プロ野球』が放送されていました。

あれ?この日の試合といえば・・・そうです、ソフトバンクの石川柊太投手がノーヒットノーランを達成、さらに柳田悠岐選手が節目となる1,500安打を達成したという、大記録を樹立した試合でもありました。

このような記録的な日に、実は多くのデータを活用しながらプロ野球中継を面白くしようとする実験的な取り組みが行われていたのです。

この中継では、画面上に下記のリアルタイムデータを表示させていました。

<球速>
初速:投げた瞬間の速度
終速:ホームベースを通過した瞬間の速度
回転数:1分当たりの回転数

<リリースポイント>
高さ:プレートからの高さ(プレートから測ってどのくらいの高さからボールを離しているか)
奥行き:プレートから打者方向への距離(キャッチャーの方向へ身体を移動してプレートからどのくらいバッター方向へ移動してボールを離しているか)

<バッティング>
打球角度
打球速度
飛距離


また、解説者でもある工藤公康さんと井口資仁さんの解説の中で話題に上がったデータを、その場ですぐにアナリストに出してもらうという、私的にはめちゃくちゃ面白い取り組みも行われていました。

こんなデータをオーダーされていましたね。

投球テンポの話になったら・・・「今年度の投球テンポのタイムランキング」

回転数の話になったら・・・「今年度の回転数ランキング(ストレート)」

「源田選手と今宮選手の捕ってから投げるまでのスピードは?」という超難しそうなオーダーに対しても、ほんの数秒でデータを出してきたのですから、ついついアナリストの頑張りにエキサイティングしちゃいました。

さらに、野球中継の中でも気になるプレーや話題があったら、即座に工藤公康さんと井口資仁さんによる『野球教室』も開催されていました。データをもとにした野球教室ですので、本当に勉強になりました!

そして極めつけは、冒頭でもお話しました通り、ソフトバンクの石川柊太投手がノーヒットノーランを達成した試合でもあるので、なぜ石川選手が素晴らしい投球ができたのか?その理由も試合終了後にデータで明らかになるという、映画で言うとまさにクライマックス!最高のエンディングを迎えたのでした。

私的にはこの中継は本当に新鮮で、最後に石川選手の快挙を支えたであろうデータがわかったときはつい拍手をしたほどでした。

ちなみに、工藤さんも驚いた石川選手の快挙を支えたであろうデータとは・・・

「石川選手のリリースポイントが最後までほとんど変わっていないというデータ」


AIとリアル野球ゲーム?


このようにデータを駆使して野球中継を面白くしようとする取り組みもある中、テクノロジーを駆使して、カッコいいコンテンツにしようと取り組んでいる動きもあります。

【AIを導入】
以前、日本テレビが”AIキャッチャー”という実験的なことをやっていましたね。「このシチュエーションではこの球を投げるのがピッチャーにとって最良であるボール」ということをAIが判断して、テレビ画面上に表示させていましたね。

AIを使えば、試合展開を予測するとか、AIが試合の解説を行うといったこともできるでしょう。

【ドローンを導入】
スポーツ中継に自動追尾ドローンを導入して、色々な角度から試合だけでなく、選手の様子、球場の状態などを中継してくれるというコンテンツも魅力的ですよね。


そんな取り組みをもとに、私が考えた面白いコンテンツとは・・・

AIが予測したものに対して、自分が予測したものを対決させて、どちらが正解だったか?AIに勝ったらポイントをもらうとか、そんなゲームコンテンツを設ければ、リアル野球ゲームで遊びたいといった子供たちが野球中継に興味を持ってもらえるのではないかと思っております。


面白いコンテンツにしたら野球中継を子どもたちは観るのか?


このように、確かにテクノロジーを使えば面白いコンテンツにすることはできるでしょう。

しかし、そのコンテンツに子供たちは興味を持つのか?ということが今回のテーマですので、テクノロジーを使って面白いコンテンツを作れば野球中継を観る子供たちは増えるのか?という問いに対して、私は「増えない」と考えております。

なぜなら、野球中継というか、野球の試合は”長い”から。

『データで深く!プロ野球』で中継した 「ソフトバンク対西武」戦も結局、3時間近く放送されていました。

最初の頃は色々なデータが出てきたので新鮮でしたが、あまりにも試合時間が長いせいで、途中で飽きてしまいました。

中だるみでしょうか、試合中盤では面白いデータも出てこなくなってしまいました。

もちろん最後は「石川選手のノーヒットノーランという大記録を支えたデータはこれだ!」ということで、感動的なエンディングを迎えたのですが、もしこのような誰もが興味あるデータが試合最後に出なかったら、最後も締まらなかったのかなと。

子供たちにとって興味を持つ面白いコンテンツを考える前に、プロ野球の長い試合時間をどうにかして欲しいと思っております。


ただし、これだけでは言いたいです、「目的によっては試合時間は関係ない」ということ。


冒頭でも紹介した記事『甲子園出場校の主将14人に聞いた「ぶっちゃけ、プロ野球の試合に興味ある? 行きたい球団はどこ?」』では、「自身がレベルアップするため」なら野球中継をも観ると言っている球児もいること。

『データで深く!プロ野球』でも工藤さんや井口さんが実践してくれた『野球教室』的なコンテンツは、きっと「うまくなりたいから野球中継を観たい」と思っている子供たちには刺さるコンテンツだと思います。


それに、普段の野球中継を観ない球児でも、「今春のWBCは食い入るように見た」と答えています。

そう、WBCのような試合は3時間でも4時間でも、子供たちを虜にしてくれる魅力があるのですからね。

そのことを踏まえて、野球界全体で将来の日本の野球をどうするかについて考えて欲しいですね。

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