子どものアートはどれも”普遍的なもの”である
この絵を観てください、何を感じますか?
皆さんの見方でこの絵を感じ取っていただければと思います。NHK番組『ウクライナ子どもたちの1000枚の絵』より
いかがでしたでしょうか?
異様な感じがしたのではないでしょうか?
実はこの絵、どちらとも戦火の中で2人の子供が描いた絵です。
初めて目にした戦争の中で2人とも今でも生きています。
その戦争とは「ロシアによるウクライナ侵攻」です。
つまり、この絵を描いた子たちはウクライナ人です。
子どものアートはどれも”普遍的なもの”である
それでは次に、こちらをご覧下さい。
右の絵を描いた子が、3年前に描いた絵が左側です。
つまり左側の絵は戦争前に描いた絵です。
次に、右側の絵を描いた子が、4年前に描いた絵が左側です。
これらの絵を比較しただけでも、世界の誰にでも伝わるのではないでしょうか?
常に”死”を考えるという日常を送っているウクライナの子供たちの絵に、戦争後に変化が生じているということを。
言葉では表せない心の内を子どもたちが絵に込めていることを。
だからこそ、2人の子供が描いた絵を観れば誰もがこう共感してくれるのではないでしょうか・・・
この2人が描く絵だけが特別なわけではありません、子供たちが描くアートはどれも同じ、その絵をを通じて、私たちは共感したり、つながったりすることができるのではないでしょうか。
『ウクライナ子どもたちの1000枚の絵』
これらの絵との出会いはNHK番組『ウクライナ子どもたちの1000枚の絵』でした。
そこでこの2人の作品をもう少し詳しくご紹介したいと思います。
『未来の人間』を描いたジェーニャ
明るい絵を描いた子が戦争後、傷ついた人間の絵を描いた女の子はハルキウの街で暮らしています名前(愛称)はジェーニャさん(8歳)です。
3年前に描いた左側の絵は『市場』というタイトルの絵で、カラフルな色使い、売り子さんの笑顔といった観ていて楽しくなる市場の絵を描いた子でした。
ところが、戦争後に描いた左側の絵は『未来の人間』というタイトルがつけられています。
激しく破壊された街を描いたゲオルギーイさん
燃え上がる炎、破壊される自動車、子どもが苦しんでいる絵を描いたのは、ハルキウの街で暮らしていたが戦争後はドイツに非難しているゲオルギーイさん(11歳)です。
彼が4年前に描いた左側の絵は、パステルカラーで描かれた平和な時代のハルキウの街を描いた絵で、タイトルは『僕の好きな町』です。
そんなゲオルギーイさんはその後、新しい絵を描きました。
こちらがその絵です、どこかの街の大爆発を描いた絵だそうです。
爆発の衝撃で多くの人が吹き飛んでいる絵、傷つき血を流して倒れる人、地獄のような世界の絵、この絵のタイトルは『ロシア』です。
自分でも説明ができないという大爆発の絵、そして名付けたタイトル「ロシア」。
ゲオルギーイさんから聞いた話をお母さんが語ってくれました。
母親は絵の何かある一言が彼の気持ちを表しているのではと思っております。
それは・・・「STOP」
「子どもの絵は誰にでも通じる世界共通の言葉です。」
今回ご紹介したウクライナの子供たちの絵ですが、神奈川県鎌倉市でウクライナを中心とした世界の子どもたちの絵の展覧会が開かれたのですが、この展覧会を企画した現代美術家・浅野修さんは番組ではこのようにおっしゃっております。
さらに、今回のボソッとで紹介しましたジェーニャさんとゲオルギーイさんの美術教師であったセルギーイ・グリチャノックさんは、絵を描くことで子供たちは救われているとセルギーイさんはおっしゃっています。
そして、とっても印象的なことをおっしゃっておりましたので、そちらをご紹介して今回のボソッとを締めさせていただきます。
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