”ショック・ドクトリン”~ウクライナで起きることを想定する世界
今回もショック・ドクトリンシリーズ第4弾です(過去のシリーズはご覧の通り)。
今回、ちょっと妄想から入ります。と言っていますが、最後まで妄想となっておりますが・・・
さて、ロシアによるウクライナ侵攻後、今年の6月に開かれた『ウクライナ復興会議』の裏の姿を妄想するシーンからボソッとしますと・・・
ウクライナで行われた戦争と再建のモデルは、実はロシアによる侵攻前から計画されていたかもしれません、その計画を立てていたのはある国際機関。
ロシアの攻撃により破壊されるウクライナを想定、その国際機関はその復興を民間事業者へ発注すると秘密裏に発表、まだ破壊されていないウクライナの復興計画を民間企業に作らせ、国際機関が公的資金で発注するというモデル経済が既に立ち上がっていた・・・
つまり、今回の『ウクライナ復興会議』はそのような予め計画されたものを実行に移す前の第一段階である・・・
というのが私の妄想ですが、この妄想で使われた”戦争をビジネスにするモデル”は、実は実際にイラクで行われた再建の民営化モデルなのです。
イラクで行われた再建の民営化モデルをウクライナに置き換えてみたら・・・という私の妄想でした。
戦争とショック・ドクトリン
NHK番組『100分de名著』「ショック・ドクトリン」で指南役であるジャーナリストの堤未果さんがイラクで行われた戦争と再建の民営化モデルを分かりやすく説明してくれました。
こういった内容をショック・ドクトリンから学びました。
これにより”復興”という言葉を安易に考えてはいけないことを知りましたし、復興すると豊かになるということこそが実は妄想なのかもしれないということを、皆様にもお伝えできればと思っております。
復興を商品化してしまうショック・ドクトリンによって、被災した方々が復興プロジェクトに直接参加していない、さらに復興するのは世界的な外資企業ばかりなので、復興をすることによって、現地に強烈な貧富の差が生まれる。
それがショック・ドクトリンの怖いところなのです。
ウクライナ復興会議とは
改めて、今年の6月に行われた”実際”のウクライナ復興会議の内容をみてみましょう。
この会議の狙いは、復興への道筋を具体的に示すことで国際社会からの支援拡大を促すためのものです。
被害総額や復興に関わる資金はこのようになっています。
もはや私たち個人では想像できないほどの資金が動くというこの復興には、長期間、そして莫大な資金がかかるため、民間企業による直接投資を促すことが今後の焦点となっています。
実際に考えられている復興計画
既に将来を見据えた復興計画が始まっています。復興計画の一部をご紹介します。
●インフラ
復興を進める意義として、より一層ヨーロッパ諸国との関係を強化したい狙いがあるということで、”ウクライナの鉄道事業の線路”をヨーロッパ規格に合わせる整備も予定されおります。ヨーロッパとウクライナがつながる事業を全面に出すことで、投資家から注目を浴びやすくなります。
●エネルギー
エネルギー関連施設の復旧やグリーンエネルギーへの新たな投資が必要なことなどが会議で報告されました。ウクライナでは風力発電など再生可能エネルギーの導入も進められている一方、アメリカとイギリスがウクライナに次世代型原子炉を導入することが発表されています。
●建設
ウクライナの復興が始まると、そこは世界最大の復興の現場になります。そのため建設関連の外資企業は既にウクライナに支社を用意して、現地スタッフを雇っており、今後の建設範囲をウクライナ全土に広げようと計画しています。
●産業団地
イルピン市では既にアメリカの企業の協力をもとに産業団地の建設も予定、IT企業などを誘致して最大2万人の雇用を創出する予定です。
復興に必要な巨額の資金をどうあつめるのか?
ロシアへの経済制裁として凍結しているロシアの資産の活用方法も検討されています。
凍結されているロシアの資産は約42兆円(ワシントン・ポスト発表)にも上るようですが、ロシア側からは反発を受けているほか、凍結している資産を活用には法的な課題もあるのですが、ロシアの資産を没収して復興資金とするアイディアは実行されるのか注視したいですね。
さらに、巨額の資金を世界から集めるためには、ウクライナの汚職対策も求められています。
ウクライナの汚職対策への見解(ワシントンポスト)
「ウクライナへの復興はまず汚職と闘うことを意味する。」
「ウクライナの裁判所が公正でなければ、各国政府・国際機関・民間企業はウクライナには参入せず、復興は失敗におある可能性が高い。」
ウクライナ復興に特化した国際機関は創設されるのか?
しかし、ウクライナへの投資に二の足を踏む民間企業は少なくはないようです。関心を寄せる企業は多いものの、戦闘終結の見通しが立たないことから、投資のタイミングをそれぞれが探っている段階と指摘されています。
このような民間投資への課題が指摘されている中で、復興を円滑に進めるためにウクライナのプロジェクトに特化した国際機関の創設が求められています。
ただし、私たちが忘れてはならないのが、「ショック・ドクトリン」を国際機関も推し進めたという事実です。
1997年の「アジア通貨危機」でのIMFは、アジア危機で苦しんでいる韓国に対して、融資するために「ワシントン・コンセンサス」を条件として提示させて、強制的に従わせた過去があります。
「ワシントン・コンセンサス」(新自由主義の政策に基づくもの)
基幹サービス事業の民営化
社会支出の削減
完全な自由貿易の実現
ウクライナ復興に向けては常に経済的リスクがあり、何かあれば投資した資金を失う可能性があるという企業にとっては行動に移すことへの懸念がある中で、投資へのリスク低減のためにウクライナ復興に特化した国際機関は創設の可能性は高いかもしれません。
これは私の妄想ですが・・・この国際機関によって、ウクライナでショック・ドクトリンが推進される可能性も否めません。
戦争がどのように終わるのか
戦争終結がどのように行われるか不透明な中で、もしものお話ですが・・・
そんな妄想の中で起こるショック・ドクトリンを考えてみました。
ウクライナで”9.11ショック・ドクトリン”
もし「ロシアが敗北せずにただ一時的に撤退した形」となったら、ウクライナには「ロシアがいつ再び侵攻してくるのか?」という不安が残ることになります。
この場合、”9.11ショック・ドクトリン”がウクライナでも起こる可能性があります。
”9.11ショック・ドクトリン”はアメリカ・同時多発テロによって国による国民の監視、言論統制によって”新植民地主義”が広がったショックの下で、「テロリストという新しい敵がアメリカを狙っている、いつテロが起こるかわからない」ということをテレビでガンガン流して国民を不安がらせ、監視を強化しますねということで、アメリカはセキュリティ業界に湯水のようにお金を入れました。
さらに、愛国主義を抱え、GoogleやFacebookなどと秘密裏に契約を交わし、知らない間に情報が全部取られることが正当化されてしまったのが、”9.11ショック・ドクトリン”です。
戦争の終わり方によっては、ウクライナでも起こるかもしれない”9.11ショック・ドクトリン”。
ロシアでもショック・ドクトリン
「ロシアが敗北したら・・・」
そんな妄想をするとなると、間違いなくロシアでもショック・ドクトリンが起こるかもしれません。
というよりも、すでに国際機関、世界各国、民間企業はロシア再建計画を立てているかもしれません。
本日のボソッとでも妄想として語りました”イラクで行われた再建の民営化モデル”、既にロシア再建計画が立てられているかもしれない、ということでしょうね。
なんか、戦争のことを考えていたら気分が落ち込んできましたので、今回のボソッとはこの辺で終わりたいと思います。