”当事者以外の言葉には力は無い”、だから私たちはどうするのか?という新たな問い
前回は妄想が多かったボソッとですが、今回は現実に立ったボソッとですが、本当に重いボソッととなっています。
これまで「ニュースの当事者が語る2項対立に陥らない思考”第3軸”」について語ったり、「犠牲者の記憶伝承~『追悼のゼロ・ポイント・フィールド』で第3軸を探る」について提案してきましたが、ここ最近、【新たな問い】を抱くことになりました、それは・・・
当事者以外の言葉には力が無い。だから私たちはどうするのか?
この【新たな問い】に気づかさせてくれた出来事があります。それは、国際ニュースのコーナーに出演した千葉大学特任教授の藤原帰一さんが語った言葉にあります、その言葉は・・・
この藤原さんがこの言葉を語ってくれたニュース内容は後述しますが、“憎悪によって憎悪に答えてはならない”という言葉については、私もボソッとで取り上げて何度か書いてきました。
最近で言えば、11/16にボソッとした「【第3軸を探る旅】誘拐されたイスラエル人家族が語ったこと」にて、お父様を人質に囚われている娘のシャロン・リフシッツさんが語った言葉を、再度掲載します。
この中で語った「それでも、憎しみにとらわれたくない」と語るシャロン・リフシッツさんの言葉から、私は第3軸を考えるきっかけとなったと以前ボソッとしましたが、そう、リフシッツさんの言葉には力がありますが、私の言葉には力が無い、なぜならば、家族が人質として誘拐された悲しみを私は経験もしたこともないし、抱いたこともないから・・・
”第3軸を探す旅”は苦行である
つまり、当事者ではない私がnoteで「第3軸の思考が大事だ」とか、「憎しみにとらわれたくない」とか、そのような言葉を使ってボソッとしてきましたが、当事者が抱えている苦しみや悲観までを受け取るまではいかなくても、理解しようとする気持ちを持ちながら当事者たちの声を聞いていなかったことに気づくことになりました。
それは、ただ、当事者の声をもとに、2項対立に陥らない思考である”第3軸”とは何かを考えただけ。
だとすれば、今後は当事者以外に2項対立に陥らない思考”第3軸”を語ってはいけないのか?当事者以外の言葉には力が無いので、当事者以外は語ってはいけないのか?
自ら自分の心にそんな問いをしてみました。そのとき、私の心にはこのような思いが浮かびました、それは・・・
これからも言葉にしていくべきだ。
しかし、当事者が苦しんでいることを忘れずに、その思いとともに言葉にしていくべきだ。
この3週間、”第3軸を探す旅”をしていた私にとって、当事者の声だけに寄り添っていただけで、当事者の本当の気持ちである苦しみや悲観を受け止めていなかったことが分かったいま、「そうか、”第3軸を探す旅”とは、当事者とともに歩む苦行のようなものなのだ」と。
でも苦行だからと言ってあきらめてはいけない、それでも私たちは対立軸に惑わされずに、第3軸を探す旅を続けなければいけない、そのような新たな問いを見つけ出すきっかけとなりました。
これが”第3軸を探す旅”の本質なんだと。
テロで妻を失った男性が書いた“手紙”
それでは、ここからは藤原帰一さんがご紹介頂いたお話をご紹介いたします。
NHK番組『キャッチ!世界のトップニュース』の【映画で見つめる世界のいま】で、千葉大学特任教授の藤原帰一さんが注目の映画としてその背景にある“世界のいま”をお話頂くコーナーで、今回ご紹介頂いたのが映画『ぼくは君たちを憎まないことにした』です。
2015年11月13日、フランス・パリで起こった同時多発テロを描いたこの映画とは・・・
テロで妻を失ったアントワーヌが書いた“手紙”が反響を呼ぶことに。そのテロリストに宛てて“手紙”の内容は・・・
“憎しみに支配されることを拒む決意”をしたアントワーヌは、拭い去ることができない悲しみ、葛藤を募らせていきます。
アントワーヌが置かれた気持ちについて藤原さんはこのように語ってくれました。
この映画を観た中川キャスターも「ひどく苦しめられながら生きる姿は、見ていてつらかったです。」、さらに望月キャスターも「イスラエル・パレスチナ情勢やウクライナ情勢で、同じような思いを抱える人たちが増え続けているということに、思いを馳せずにいられませんでした。」と語っていらっしゃいまいた。
そして、今回のボソッとでご紹介した藤原さんの語った内容となります。
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