”いますぐ”に過酷な環境でどう生きる?
最近、小林 武彦さんが書いた『生物はなぜ死ぬのか』を読みました。この本では・・・
「我々は、自分たちよりも進化・多様化した次世代のために、死ななければならない」
私たちは「なぜ死ぬか?」という問いへの答えとして、”次世代のために死ぬ”という理由が最も大きいということが、この本を読んで分かったことでした。
つまり、次世代への世代交代というサイクルがあるからこそ、生物は進化できる。そのために我々は死ぬんだな、と理解いたしました。
”いますぐ”に過酷な環境でどう生きる?
ここからが本日のボソッとです。
実はこの本を読んでいるときに、「人間が過酷な環境で生活することにチャレンジしている実験」についてニュース番組で紹介されていました。
地球はこれまで様々な天変地異を繰り返してきた中で、私たちには想像できないほどの過酷な自然環境で生物は生き残ってきました。
そんな過酷な世界での生存の鍵は”適応”です。
環境に適応されない種は自然に滅びる、
環境に適応したものが生き残り、生物は進化してきました。
『生物はなぜ死ぬのか』を読んだからこそ分かったことがありますが、
過酷な環境に”適応”するためには、生物は進化しないと生き残れません。
そう、進化するためには「死なない」といけませんよね。
でも、もし今の地球上に過酷な環境が突然やってきたら?
何世代もバトンタッチしていけば、いつかは過酷な環境下でも生きていける人類に進化できることでしょうが、私たちが過酷な環境に適応できるくらいの進化を遂げるために要する時間を、地球は待ってくれないかもしれません。
地球はそんなに”のんき”ではないかもしれない。
そのため、いま世界中で過酷な環境で生きる実験をしている理由は、いつやってくるかわからない地球環境の天変地異を想定して、過酷な環境下でも人類が生き残る方法をいますぐにでも考えないといけない状況にあるためです。
そこで、人間は進化により”適応力”を手に入れなくても、”いますぐ”に過酷な環境でどう生きれば良いのか?をテーマに、本日から数回にわたってボソッとしたいと思います。
今日は「過酷な環境で人間はどう生きるのか?」を検証している国際ニュースについて、ご紹介したいと思います。
「フィンランド 極寒の地で実験」
「洞窟に500日」
「海中ホテルで74日間生活 最長記録」
まずは、こんな実験がされているんだということを”知ること”から始めましょう!
「フィンランド 極寒の地で実験」
”極端な寒さ”、”極端な暑さ”に人間は耐えられるのか?
しかも、暑い⇒寒い⇒暑いというサイクルで生活するという、すごい実験が行われているんですね、世界では。
冒険家ではない一般人を対象としたボランティア20人のクルーが、熱帯雨林⇒極寒の地⇒不毛な砂漠という順に、寒暖差が激しい過酷な環境下で生活する実験が行われています。
この”冒険”をとおして、科学者は参加者の脳の反応を分析するとともに会話を検証しながら、参加者同士のやりとりも検証しているそうです。
極寒の地の生活を終えた参加者曰く、
「闘い続ける感じでした。
いつも時間と寒さとの戦いでした。
氷点下の中であれだけ長くいたことは初めてでした。
最後のほうは冗談もいえるほどになりました。
今日はマイナス15度だって、暖かいね!なんて。」
「洞窟に500日」
50歳の女性アスリートのベアトリス・フラミニさんがスペイン南部の洞窟でひとりで過ごすというミッションを終え、500日ぶりに地上に戻ってきたというニュース。
この実験では、洞窟という隔離された状態が人体にどのような影響を及ぼすかを調査したものです。
時間感覚や脳波、睡眠にどのような影響を与えるかを調べた結果、フラミニさんは隔離生活を終える際、実際には500日が経っていたというのに、フラミニさん的には160日から180日の間ぐらいに感じていたということです。
なぜならば、フラミニさんは72時間起きていて24時間寝るというサイクルで一日を過ごしていたそうです。
1日24時間ではない生活を終えたフラミニさん曰く、
「洞窟から出たいとは思いませんでした」
「海中ホテルで74日間生活 最長記録」
アメリカ・南フロリダ大学の55歳のジョセフ・ディトゥーリ准教授が、フロリダ州の水深10メートルにある海中ホテルで74日間生活し、世界最長記録を達成しました。
こんな記録を達成する一方では、ディトゥーリ准教授は気圧の高い海中での生活が人体に及ぼす影響を自らの身体を使って調査もしています。
なんと気圧が高い環境では細胞分裂が促進され、健康状態の改善につながるという仮説があるそうです。
ディトゥーリ准教授曰く
「色んな良い効果があるはずなので、実験結果を見るのを楽しみにしています」