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My Name Is Albert Ayler/Albert Ayler

 Albert Aylerはフリージャズを代表するミュージシャンの一人として名高いサックス奏者です。フリージャズを頑張って一言でまとめると「変なジャズ」といっていいと思います。

 自分がこの「変なジャズ」に関心を持ち始めたのは一年ほど前で、フリージャズに明るいCAFE INCUSさんでPharoah Sandersのレコードを聴かせてもらったことがきっかけです。当時フリージャズの大御所ということで知ったAlbert Aylerという名を何気なくSpotifyで検索するとトップに現れたのがSummertimeという曲でした。この演奏で初めてAylerに触れそのサックスの音色に度肝を抜かれました。それ以来この曲をレコードで聴いてみたいと思い探していたのですが、やっと入手することができました。

 購入した盤はディスクガイドのように愛読させていただいている美しい文章が特徴的なこちらのブログ(https://blog.goo.ne.jp/leomylovely/e/63b4e9f49995463f46d9dfd909f001c0)でも紹介されている、ペラジャケ仕様の国内盤です。

 レコードを再生してはじめに驚くのはAlbert Ayler本人の語りによる自己紹介で、朴訥とした優しい語り口にドキッとしてしまいます。演奏が始まると生々しいサックスの音色に、いい音だなあと嬉しくなります。そしてSummertime。なぜこの人はこんな吹き方をするのだろうか、なぜこんな突飛な音なのに心に迫ってくるのだろう、そんな考えが頭に浮かびながらも引き込まれていき、A面が終わる頃には圧倒されて竦んでしまいます。聞き終えると自然と涙が出てきました。

 全てのレコードが音が良いわけではないですが、当該盤の録音はAylerの叫ぶような演奏の迫力や生々しさをSpotifyのデジタル音源よりもはっきりと捉えており、音楽自体の感動を高めてくれました。

 人生の中で音楽を聞ける時間は限られていて、今までに存在する全ての音楽を聴くことは残念ながら不可能です。そんな限られた音楽体験だからこそ、より良い音源を探して対価を払って腰を据えて聴きたい。この関わり方を今は心から楽しんでいます。

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