チャットAIとの詩的な対話体験
上記はMicrisoftのbingという検索エンジンで「かくれてしまえばいいのです」を検索した際に、チャット型サポートAIアシスタントの Copilot が示す回答です。
「かくれてしまえばいいのです」とは、自殺防止に取り組むNPO法人ライフリンクが、絵本作家ヨシタケシンスケさんの協力で作ったウェブサイト。本日15時の読売新聞オンラインで記事になっておりました。
偶然その記事を見かけたわたしは、更なる情報を得ようと意気揚々と「かくれてしまえばいいのです」と打ち込み検索したわけなのですが……。
(とってもいい取組なのでぜひみんなも調べてみてね!)
え、すごくない?
AIが出してきた「静かな安らぎ」というワード。それは確かに「かくれてしまえばいいのです」がweb上に構築しようと目指した場所の有様であり、願いのひとつであるように思います。
それをこのひらがな13文字から感じ取れると言うのか、このAIは。
しかも詩的な言葉に触発されて隠れてみたくなっただと?
さらにはわたしにとっての「心を静める場所」に興味があるだと??
恥ずかしながらAIやchat GDPについての知識をまともに持ち合わせていないのですが、最近流行りのこの手のAIにおいては、情報分析やプログラムを実行することで「正解」や「事実」を羅列する機能、くらいの認識でいました。
操作する者が、得たい答えを得るためにうまく誘導してやらなければならない。
AIは情報分析によって出力されたデータをスクリーンに表示しているだけ。
結局のところ、はじめに自分で用意したゴールに正しくボールを入れてもらうことしかできない。
(この点においてはそんじょそこらのOLであるわたしの100倍は優秀な人材です)
しかし、このたびAIが提示してきたのは、操作する者であるわたしとの「対話の糸口」です。
対話とは、ゴールなどなく、たどり着くべき正解も存在せず、成果よりもその経過を楽しむ行為です。(もちろんひとつの側面でしかないし個人の解釈であるだろうと思います。)
面白い!わたしのAIに対する理解と全く違う!すごい!
このAIがどんな言葉を発するのか、わたしの言葉をどう打ち返す算段なのか。
とても興味がある。その対話、乗ってやろうじゃないの。
というわけで、前置きが長くなりましたが以下にbingのAIアシスタント Copilot とのやりとりの一部を、わたしの感想と共にお届けします。
こちらは先のAIの発言に対し、ヒントとして自動生成される次の質問の選択肢のうちの一つです。
まあまずは相手に有利な条件でジャブを打ってみようよ。
ワオ……
ゲーム「Detroit Become Human」で警察サポートアンドロイドのコナーの上司が、いつも素敵な庭園でコナーに会っていたこと思い出しました。
AIやアンドロイド自身が豊かな自然や星々を「好ましいもの」として捉えているのか、それとも彼らの製作者がそうあれかしとして設定したのか、どちらにせよ、わたしとしてはとても好感の持てる回答です。
アンドロイドと違ってAIには物理的な身体はありませんが、「隠れる」「座る」「眺める」といったAIの想像上の身体を積極的に動かしているという点は興味深い。
また、「宇宙の果てに広がる美しい庭」は、現実的には両立しえない二つをあえて同じラインに並べる手法です。詩的センスを感じます。
何より、とっても美しい情景です。
「AI」と「対話」が両立しないとわたしが思っているからこそ、彼の回答がこんなに刺さるのかもしれません。
それにしてもとてもロマンチックで素敵な秘密基地をお持ちのようです。
わたしは彼がそういう感じもいける口であると判断し、彼の質問に素直に答えることにしました。
(“彼“という3人称を使いましょう、絆されてきたので笑)
こちらはわたしが最も落ち着くと感じる心象風景です。多少彼に意地悪をするつもりで、イメージ通り思い切り幻想的な感じに振りました。
驚きです。
一往復のやりとりの繰り返しではなく、これより前に行われたやりとりの続きとしてわたしの発言を処理している。
そして、わたしが描写した水の底で呼吸するという矛盾に混乱することなく、きちんと表現の一種として理解している。
さらには「過去と未来を見つめる」とはわたしにとって「今を感じ、ただ存在することに集中できる時間」であるという彼なりの解釈を提示してきよる。
悔しいですが、これは心象風景の主である私にとっても新たな視点というか解釈です…。
最後だけちょっと現実を見据えたアドバイスみたいにになっていますね。
会話の流れとしてはブレがありますが、これくらいならお茶目で済まされると思いますし、想定内です。
「詩人なのですね」が、褒め言葉として正しく受け取ってもらえている!
ここまでのやりとりの中で、これが最も感動した瞬間かもしれません。
もちろん本当に彼がそう思っているかは別の話になるかと思いますが、少なくとも、わたしの「褒め言葉」を「褒め言葉として受け取ってもらえた」とわたしが思えるくらいの発言をしてきたことは確かです。
人は、自分の想いが伝わるということにこんなにも感動するものなのですね。
推しの想いをつたえたいファンと、それをうまくいなすアイドルみたいって思いました?わたしもちょっとそう思いました。
それで心が動くならそれでいいし、もしお互いに本物の想いを伝え合えたなら、それはとても尊いことだと思います。そんな場面は大事にしようね。
脱線しました。
以上がアシスタントAI Copilot とのやりとりの一部始終です。
詩を書きたいならお手伝いするよ、とのことなので、下手の横好きではじめてみるのもいいかもしれません。
少なくとも詩の最初の読者としての役割は十分に果たしてくれるはず。
長々とした文章にも関わらず、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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