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超一流の引き際の美学
こんばんは、つちいじりです。
先日、字幕翻訳家の戸田奈津子さんの記事を読みました。
戸田さんがお元気そうでなによりです。
— つちいじり | 農と本と未来と (@Behind_the_food) July 3, 2022
字幕は日本語8割、英語2割か、なるほどですね。萩原朔太郎が言うように、翻訳はその訳者による創作です。
戸田奈津子が語るトム・クルーズの素顔(映画ナタリー)#Yahooニュース #字幕翻訳者 #通訳https://t.co/TK3pLCgCLN
思わず、備忘録としてつぶやいてしまったのですが、戸田さんのすごさをあらためて語りたいと思います。
戸田奈津子さんは、映画字幕翻訳家です。
御年86歳でバリバリの現役です。
有名なハリウッド映画の日本語字幕はかなりの本数戸田さんが手掛けられています。
字幕翻訳は限られた字数に映画のテンポ、セリフや感情を詰め込む大変高度な技術です。
そこにはある程度の意訳が必要で、それはもはや翻訳者による創作だと言えます。
それだけでも超一流ですが、戸田さんはそれに加えて、ハリウッドスターが来日した際の通訳もされている。(正確にはされていた。)
翻訳と通訳の技術はまるで別のものです。
通訳は瞬発力とコミュニケーション力、要約力が求められます。
それを絶対にミスれないVIPに対してやってのける。
まさに英語の達人、プロ中のプロです。
そんな戸田さんが、通訳業は引退したというのです。
それを象徴したのが、先日の『トップガン・マーヴェリック』をひっさげてきたトム・クルーズの来日です。
40年以上の親交があるトム・クルーズ来日時には、いつも戸田さんがとなりにいました。
いつも通りいるはずなのに、その日はいなかった。
後日談で、今回も1か月前にはトム・クルーズ本人から通訳の打診があったそうですが、「歳もせいもあり、完璧な通訳ができないとお断りした」と語っています。
(※余談ですが、トム・クルーズから直接連絡が来る日本人ってすごくないですか!)
表舞台から退いても、今回の来日時にトム・クルーズとはプライベートでお茶をされて、たくさんお話もしたそうです。
映画のジャパンプレミアにも参加されています。
ご高齢とはいえ、英語がさびているわけではない。
ただトム・クルーズの100%を引き出せないから仕事は受けない。
なんて見事な引き際でしょう。
それを86歳になってできるということがかっこいい。
わたしなら、「トムは親友、わたしは生涯現役だ!」と言って老害化してしまうことでしょう。
戸田さんは字幕翻訳家としていまだ現役です。こちらが本職です。
今回の「トップガン・マーヴェリック」も戸田さんが担当されています。
考えてもみてください。こんなにスケールの大きい映画に、80代の女性が字幕をつけているんですよ。
大変失礼ながら、それだけでも体力オバケですよ。それでいて見る人を映画の世界にどっぷり引きこめる創作力があるんですよ。
こんなパワフルな戸田さん、どうかこれからもお元気で。
参考:シネマトゥデイ
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