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あまのじゃく

何年か前に「僕って反抗期あった?」と母に聞くと、
「特にはないけど、生まれてから今までずっとほんのり反抗期、というかあまのじゃく」と言われた。
恥ずい恥ずい。

物心がつく前から、周りがアンパンマンを応援する中で一人バイキンマンを応援していたらしく、毎回その応援が報われないのでたいそう悔しがっていたらしい。
たしかにあいつは30分のうち25分はリードしているのに絶対に勝たないからたちが悪い。

もちろん自覚もある。

小学校低学年のとき、Jリーグが好きになった。
ファンになったのは浦和レッズだった。
当時一番弱くて地元と関係なかったからだ。
同じ理由でプロ野球は横浜ベイスターズのファンになった。
当然、阪神と巨人のアンチになった。
周りは敵だらけだったが、横浜の帽子を自慢気にかぶっていた。
面倒なのは応援しているチームが強くなって優勝でもしてしまうと翌年から興味が薄れることだ。
そのため今はどちらのチームもファンと言えるほどではない。

箱根駅伝では派手なユニフォームで最下位を走っていた大東文化大学のファンになり、
高校野球では地元の兵庫県代表が優勝候補だったりしたら相手チームを応援し、
競馬では人気のない馬ばかり買ってお金が減る。

わかりやすいのでスポーツの例ばかり出しているが、芸人をやってみようと思ったのもこの性格のせいだ。

就職する数日前、たまたま友人との会話でNSCという一般道から外れた畦道があることを知った。
普通に働こうとしている自分にひどく嫌悪感を抱いた私はその後、就職した会社を3日で辞めた。
一週間前までNSCも知らなかったくせに。
音楽に触れたことがない22歳がギターで飯くっていきますと言って会社を3日で辞めるようなものだもんな。
気持ち悪いな。

NSCに入れるのは翌年の4月だから、もう少しそこで働かせていただいてもよかったのだが、
何も相談していない人に「嫌でも限界までは続けたほうがいい」みたいなことを言われたのですぐに辞めた。
ナイスアドバイス。

後日、「好きなことだけやっていたら悪いことが起こる」とも言われたので、
「嫌な仕事を続けているのは毎日悪いことが起きているようなものじゃないですか?」と返したらそれ以来連絡がなくなった。
これはこちらの性格が悪い。

芸事に関しても身近な人を巻き込んだり不快にさせたりしながらあまのじゃくをやらせてもらっています。
さーせんっす。

しかしながら、以前のコンビ名「ツインターボ」もスローテンポでローテンションなネタをするくせに真逆のイメージの名前を付けて「尖っちゃって……」とよく言われていたがそれは違う。
ただ純粋に好きな競走馬の名前をつけたら、名前と真逆のイメージだというのに気がつかなかった。
ただの純粋で素朴な一面だ。

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