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劇団四季 ゴースト&レディ感想

久しぶりに劇団四季の公演見に行きました!
コロナでキャンセルした時に発生したギフト券がそろそろ有効期限が来るので、何か見ようかなと思ってたところ、偶然見つけた作品

美女と野獣かオペラ座の怪人を考えていましたが、オペラ座はほぼ満席、新しいジャンルにも挑戦したいとゴーストアンドレディにしました。

概要

クリミア戦争で看護師として活躍し、近代看護の基礎を作ったフローレンスナイチンゲールをもとにしたフィクション作品です。
シアターゴーストのグレイと看護婦のフロー(ナイチンゲールのことを物語ではこう呼ぶ)が劇場で出会い、フローはグレイに私を殺して欲しいと頼みます。
戦争で負傷した兵士を助けるためにクリミアに行きたい、でも裕福な家庭に生まれ看護婦の仕事に理解のない家族に反対され絶望した私を殺してくれ、と。
しかし、グレイは本当に絶望した時に殺してやると。
グレイの協力も一部あってクリミアに行く事ができたフロー。グレイも現場で絶望した時のために、一緒に旅立ちます。
フローのことをよく思わない人もいて、そしてその背後にはもう1人のゴーストが‥

初めての原作作者が日本人の作品

物語の舞台こそヨーロッパですが、原作は日本の漫画。
ロンドンのミュージカル含め、ライオンキングやアナ雪などのディズニー作品や、オペラ座の怪人など海外原作の作品をこれまで見てきましたが、日本の作品は初めて。
ブロードウェイなど欧米の方がミュージカル文化の最先端を行くイメージは拭えないので、どうしても日本の作品の方が劣るのでは?と思っていました。

ゴースト&レディは全くもってそんなことはなかったです!

ただ、劇団四季としては、日本の作品を増やしたいようですが、私としては海外に行かなくても世界的に有名な作品が日本語で見れるのが四季の魅力の一つだと思っているので海外作品の公演数も維持or増加して欲しいです。
ゴースト&レディは原作者が日本人ですが、作品の舞台はクリミアとイギリスのため、鑑賞しながら異世界へ行ける事や、その世界観をかなりリアルに描かれていたことが楽しめた理由だと思います。

リアリティとフィクション

作品を楽しめたのは音楽やストーリーのおかげでもありますが、リアリティのある衣装や舞台装置のおかげだと思います。

音楽の一部には、スコットランドの楽器バグパイプが用いられていました!

物語では3つの時代のシーンがあります。ゴースト グレイの生きてきた時代、クリミア戦争の時代、フローの晩年。
白いカツラをつけてボリュームのある服を着ていた時代から、クリミア戦争の頃にはカツラもなくなり、服も少しスッキリします。さらに晩年ではさらに少しカジュアルになります。(劇場の観客や市民など立場の違いも関係するかも)

あとはヴィクトリア女王の衣装とか、物語のところどころでイギリスを感じられるんですよ。

公演後に、ネットを漁っていたら、コロナ禍で閉館してしまったナイチンゲール博物館の映像を発見。
劇中の衣装やランプ、髪型が展示されている写真や実物とそっくり!

もはや舞台鑑賞のバイブルになりつつある絢爛たるグランドセーヌ。
ヒロインの幼なじみのお姉さん、リサちゃんはバレエを踊る夢は諦めるものの、衣装のデザインや制作の道を志します。
舞台に説得力を持たせるために歴史の力を借りるのだとヒロインの奏に説明するシーンがあります。
後にリサちゃんは奏のコンクール衣装を作ることになった時も、作品の舞台や時代に古代ローマの要素を取り入れようとしています。

フィクションでも特定の時代や場所を描くのであれば、その時代の要素を取り入れることは不可欠。それを強く実感しました。

同マンガで、英ロイヤルバレエ学校の同級生のキーラは振付家志望の女の子。
少しオタク気質で、本をよく読み知識が豊富。
北欧神話やダンサーのバックグラウンドを意識した題材で作品を作る彼女ですが、日本出身のヒロインの振り付けのため源氏物語の英語訳を読んでいたことも。

バレエとミュージカルは少々異なる点もありますが、ゴースト&レディを作るとしたらクリミア戦争やナイチンゲールの人物像、イギリスの当時の文化、そして原作となる作品を徹底的に知る必要があります。だからキーラはいつも本読んでるんだと納得。
読んでも読み足りないのでは?

キーラやリサちゃん(あとはニコルズ先生)のような人達が振り付けや衣装、演出などのプロになって、作品に携わっているのだろうなあと実感。

絢爛たるグランドセーヌと自身のヨーロッパ留学により得た視点により、いろいろな見方ができてミュージカルの世界が広がった感覚です!
制作の背景を想像して楽しむ事ができるようになったってことかな

ストーリーとヒロイン像

ストーリーは全体的に大人向きでした。
一瞬ですがレイプ未遂のシーンもあるので子連れ向きではないかも。
ストーリー的にも大人っぽいです。

逆にいうと、ディズニー原作のミュージカルとは違うような魅力があります。男性やディズニーは幼いかもって思っている人にはおすすめ。

音楽は走る雲を追いかけてが1番好きでした!どの曲も綺麗でした!

ヒロインは私はきっと絶望すると言いながらも、果敢に戦場に向かい、患者さんのためなら男尊女卑の時代に、軍の男性にも意見します。

私はバレエの古典や昔のディズニー作品みたいなヒロインも好きですが、強く芯を持ったヒロインが素敵でした!

生演奏にできないのか


器楽(バイオリン)をやってた人間としては、ロンドンのミュージカルのように劇団四季も生演奏で見たいです。

最近、谷桃子バレエ団さんのYouTubeを見ていますが、バレエ団の財政は厳しいとのこと。
もちろんオーケストラにもお金はかかります。

劇団四季は毎日のように公演を行なっていて団員の給料や、私が初めて見た時よりも値上がりしているチケット料金を鑑みると、生演奏になるとチケット代的に私が見にいくのも難しいくなると思います。
今回のようにバグパイプを使うとなると、難易度も上がりそうですし、録音音源だからこそ珍しい楽器を使える点もあるかと思います。

3月には念願のブロードウェイに行く予定なので、その時は生演奏かな?
今年中に劇団四季また見たいけど、予算が厳しい‥

ゴーストアンドレディは本当におすすめの作品です!

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