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YouTube禁、ゲーム禁の効果について

はじめに


現代の人類は弱体化している。今を生きる私たちの左手もしくは右手を想像してほしい。常にあるものを持っているはずだ。しかし、百年前、いや五十年前の人類ですらそれを持っていない。そう、スマホだ。現代人にとってスマホは生活必需品である。人との連絡手段であったり、検索ツールであったり。今の時代、スマホなしで生きることは不可能だろう。
ただし、YouTubeやゲームをする時間は本当に必要だろうか?決して生活に必要なこととは思えない。私自身、大学受験の際、一年間YouTubeやゲームをやめてみたが、生きていけないどころか受験勉強が捗るに捗って第一志望校に合格した。私にとってはメリットしかなかったのだ。
私はこの度、約二週間のYouTube禁、ゲーム禁をすることによってその効果を明確にし、現代人がYouTube、ゲームによってどれだけ生産性を低下させているか、時間を無駄にしているか、目的意識を薄れさせているかを調べようと思う。そして現代人の弱体化は、私が止めようと思う

方法


今回は、私が特に時間を費やしているYouTube、switchの大乱闘スマッシュブラザーズを禁止することによる効果を調べる。これらを禁止することで向上した生産性から有用性を測る。生産性については、一日当たりにこなしたタスクの量新しくはじめられたことできるようになったことで向上を測る。また、禁止によって出てくるストレス等のデメリットについても調べ、メリットとデメリットのバランスについても考える。
YouTube、ゲーム禁の期間は2024年10月17日~2024年10月31日。
計測はスマートフォンのスクリーンタイムによっておこなう。

結果

正の生産物


 物理採点6000円分
思考時間
 タスク処理量向上
 向上心向上
 疲労感改善
 King Gnu愛向上
 バイク乗車回数増加
 非生産時間の減少
 外に出る時間の増加
 妄想時間の増加

負の生成物


ストレス増加
 脳疲労
 妄想時間の増加

考察


スマホ使用時間について


YouTube禁、ゲーム禁を開始する前後でのスマホ使用時間(非生産時間)を次の表にまとめる。

表1 スマホ使用時間の推移

表1より、YouTube禁をする前は、一日当たりエンターテイメントに3時間51分も費やしていた。この時間はまさに非生産時間である。この時間がなくなった結果、合計スマホ使用時間は3時間7分も減少した。ただエンターテイメントの減少量に対して、スマホ使用時間の減少量がやや少ない。その差分はゲーム時間の増加とSNS時間の増加によるものだとわかる。人間にとって今までの生活を急に変えることは困難で、いきなり生まれた生産時間約4時間を扱いきれず、非生産時間であるゲーム時間を増やしてしまった。ただSNSは生産時間とも非生産時間ともいえないが少し使用時間が増えている。特にインスタグラムの図を見ると、明らかに使用時間が増加していることが分かる。これは今までYouTubeに費やしていた脳を使わずに動画を受動的に垂れ流す時間を、インスタグラムの使用時間で代用したものだろう。また日に日にインスタグラムの時間が増えていることから、もしこの生活を続けると、YouTubeの役割を完全にインスタグラムで代用することになり、非生産時間は増加し、YouTubeを見ているときとさほど変わらなくなるだろう。このことは、人間は常に受動的快楽を求めていることを意味する。もしこのままインスタグラムを消したとしても、次から次へと受動的快楽を探しつづけることだろう。根本的に受動的快楽から解放されない限り、非生産時間を減らすことは困難なのだ。

正の生産物について


これまでの生活と比較して明らかに違うのは、思考時間である。今まで、何もすることがない時間はYouTubeやアニメを見ていたため、その間何かを考えるということはなかった。しかし、暇な時間にYouTubeやアニメではなく音楽を聴くようになってから、音楽を聴きながら何かを考えるようになった。それによって悩みや不安に対して解答を出せるようになり、自己理解が進んだ。考える時間があるのとないのとでは大違いで、思考時間によって次どうすべきかを常に持ちながら行動できる。また、自分の長所である思考力をこの思考時間の増加によって、さらに磨くことができている。また、生産物として、隙間時間の活用があげられる。今回は課題や東進の採点バイトをすることができた。おそらく今回の実験をしなければ、東進の採点バイトに手を付けることはなかった。今まで無駄に使っていた時間がお金に変わったのである。

負の生産物


負の生産物ではストレス脳疲労などが出てきた。ストレスに関しては、日々の生活で当たり前になっていた受動的快楽が得られないことによるストレス思考時間の増加による脳疲労によるストレス自己理解が進むことによる現実と向き合うことへのストレスがあった。一番大きいのは受動的快楽不足によるストレスである。おそらく受験生などの一般人がYouTube禁を失敗してしまうのはこれが理由であるだろう。脳疲労によるストレスは音楽を聴くなどで改善されるものもあり、この生活を続けることによって、体力がつき疲労も感じにくくなるだろう。最後の現実と向き合うことによるストレスだが、負の遺産としてあげるべきではないと感じている。現代人は、誰しも現実と向き合わないといけない中で、非現実世界へといざなうサブカルチャーの発展により、ストレスから逃げてしまっている。現実から逃げることは自己実現から逃げることでもあり、本来自分が成し遂げたいことから目をそらしている状態である。現実逃避は物事の本質を見失わせる。本来ならば、現代人の誰もがこのストレスと対面しなければならないのである。私は現実と向き合う機会が増え、現状の抱えきれない問題点を認識した。つらいこともあるが、逃げずに向き合おうつもりだ。ゆえにこのストレスは正の生産物ともいえるだろう。

メリットとデメリットのバランスについて


正の生産物をメリット、負の生産物をデメリットとして考える。メリットでは人間的成長思考力の増加資金の増加など単純に利益として考えられるものがあった。また、デメリットでは精神的影響ストレスなどがあがっていた。ストレスに関しては人によって大きさはさまざまであると考えられるので、一概にメリットとデメリットのどちらが大きいかは言えない。ただ、出てきたストレスの中には対処できるものや時間が解決するものもあるので、対策次第では確実にメリットを大きくすることができるだろう。

結論


非生産時間を減少させることによって得られた一番の生産物は思考時間であると感じた。常に受動的に莫大な量の情報が脳に垂れ流されている現代人にとって、ただひたすら自分や周りの現状について思考する時間はないだろう。ただ、その思考時間があることによって、よりよい人生を送ろうと考えることができる。思考時間のない人はただ周りに言われた人生を生きているに過ぎない。自分について常に考え続けることが、自己実現を呼び、人生を唯一無二のものにするのだ。冒頭で現代人の弱体化という表現を使ったが、その弱体化を促進させているのが思考力の低下だと思った。現代人に必要なものはいいねの数でも、wi-fiでもなく、思考時間なのである。

今後の展望


今回の実験は私自身を被験者としておこった。それによって約二週間のYouTube禁、アニメ禁を実現させたが、おそらく一般人には3日間YouTubeをやめることすら困難である。ただ、3日でやめてしまえば効果を実感する余地もなく、さらに弱体化が進んでしまう。よって私は、YouTubeのやめ方を定量化し、誰もがYouTubeを見ることをやめ、生産性の高い生活を送れるようにしたいと思っている。それによって現代人の弱体化を止めて見せる。どこの誰でも、受動的快楽から解放され、能動的快楽を求めるようになる方法を模索していきたい。


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