世界史まとめ その1 紀元前2000年までの世界
ここまで世界中の最初期の古代文明を見てきた。ここで一端、時系列順にまとめてみたい。
あくまでもざっとした年代だし、新たな発見で年代が大きく変わる可能性のある項目もあるので、参考程度に考えてほしい。そうは言いつつも、氷河期の終了から文明の発達までのタイムスケールと、特定の年代の世界の各地域の状況についてある程度のイメージを掴む助けになれば幸いと思っている。
およそ1万6000年前、氷河期の終了前に一時的に温暖な時期があった。この時期に日本列島やシベリアのアムール川からバイカル湖に至る地域で、世界最古の土器が作られ始める。
およそ1万2000年前、紀元前10000年頃、氷河期の終了と連動していくつかの地域で旧石器時代から新石器時代へ移行していく。
レヴァント地方では自生する穀物の採取と狩猟や漁労を組み合わせて定住するナトゥフィアン文化が始まる。また黄河流域での雑穀栽培、長江流域での水稲栽培もこの時代まで遡ることができる可能性がある。
アナトリアではギョベクリ・テペに農耕文化以前の宗教施設と見られる大規模な遺跡。
紀元前8000年紀(紀元前8000年~紀元前7001年)、世界最古の都市とも呼ばれるイェリコ(現ヨルダン)などで集落が発達。ナトゥフィアン文化はイラク北部からイラン南部まで拡大。
サハラ地域の壁画に家畜化されたウシ。
紀元前7000年紀、ナトゥフィアン文化の中で栽培が始まったのが確実になる。定住集落はアナトリアにも伝播。
イランでは麦を主体とする農耕。
紀元前6000年紀、西アジアで土器が普及。南部メソポタミアに農耕民が進出し、ウバイド文化が始まる。
エジプトでナブタ文化が始まる。
栽培と土器の文化を持つ集団がエーゲ海地域に進出。農耕は更にバルカン半島の奥へと広がる。別ルートではイタリアにも農耕文化が伝播。
イラン高原とインダス平原の境にあるメヘルガル遺跡で、農耕と牧畜。
メソアメリカでは初歩の栽培。
紀元前5000年紀、メソポタミアでウバイド文化が優位になり、全域に伝播。
バルカン半島で独自の文化が発展。農耕はポーランド、ドイツ、オランダに到達。別ルートではブリテン島にも農耕が伝播。
中国で仰韶文化。
アマゾン川河口地域で南米最古の土器。
紀元前4000年紀、メソポタミアで都市化が進行。粘土板に記号を記録するシステムが始まり、楔型文字に発展する。
エジプトでは後の王朝に繋がるナカダ文化が出現。
トロイ遺跡の最下層(トロイ第1市)。
ヨーロッパで銅の冶金術が普及。
メヘルガル遺跡で銅の利用。
中国では仰韶文化から竜山文化への交代。
日本では三内丸山遺跡で定住の開始、ヒョウタン、マメ、ゴボウ、クリなどの栽培。
タイで農耕と家畜飼育の痕跡のある遺跡。
アンデス地域で定住が進み神殿建設が始まる。
サハラ地域でウシ飼育。
紀元前3000年紀前半、シュメール初期王朝時代。
ザグロス山脈のエラム人がシュメールの文献に登場。
上下エジプトの統一、初期王朝から古王国。
エティオピアでシコクビエ栽培。
エーゲ海周辺が青銅器時代に入る。キュクラデス文化。
ヨーロッパ巨石文化。
ニューギニア島でブタ飼育。
アンデス地域で土器の使用。
紀元前3000年紀後半、ウンマの王ルガルザゲシ、次いでアッカドのサルゴン1世によって、メソポタミアに領域国家が出現。混乱を経てウル第3王朝が成立するが、エラム人やアムル人の活動により滅亡。メソポタミアはアムル人の国家の時代へ。
イランではエラム人の王朝が成立。
パレスティナでカナン人が都市国家建設。
エジプトでは古王国から第1中間期へ。
インダス川流域で都市文明が始まる。
メソアメリカでは土器の使用。
サハラ以南のアフリカにも農耕が伝わる。