Xのブックマークを整理する 狂気の戦術核兵器編

 戦術核兵器と戦略核兵器の違いはご存知でしょうか?ざっくり言うと、他国の国土、生産設備、インフラの要となる空港や鉄道ターミナル、軍事基地、国民そのものを破壊することを目的とする核兵器が戦略核兵器。敵部隊や艦船、防御陣地などに対して用いられる核兵器が戦術核兵器となります。
 アメリカとソ連/ロシアのように離れている場合だと、戦略核兵器と戦術核兵器は弾頭の運搬手段であるミサイルの射程や爆撃機の性能が全く違うのですが、冷戦時に想定された欧州戦線のように敵国との距離が近い場合は、戦術核兵器として想定された核兵器を戦略目標に使うこともあり得たでしょうから、弾頭の規模や運搬手段によって絶対的に区別できるというわけでもありません。
 今回ご紹介したいのは冷戦初期に登場した戦術核兵器たち。基本的に戦術核兵器というのは、自軍の戦力不足を核兵器の大威力で補おうとするもので、すごく乱暴な印象を受ける物が多いです。その乱暴さ恐ろしさ「こんなものが実際に使われなくて良かった」という感慨を共有できれば幸いです。

 まずは核爆雷と核魚雷。
 数が多かったり、固い陣地に籠っていたり、発見が難しかったりと、普通なら容易に倒せない相手をとにかく核兵器の大威力で雑に倒してしまいたい、というのがまあ戦術核兵器を使いたくなる理由の一つだと思います。潜水艦なんかは発見しにくいし、攻撃しにくいし、というんで核兵器の力業でなんとかしたくなる相手なんでしょうね。
 海での使用が前提のため、狂気度は低め(だからこそタチが悪いとも)。

 次に核弾頭搭載空対空ロケット。ミサイルではなく、無誘導のロケット弾です!まだ誘導できる空対空ミサイルは開発中で実用化まで時間がかかりそうでした。そして無誘導のロケット弾と機銃では敵爆撃機を撃ち漏らす可能性があります。そこで核爆発で敵編隊を纏めて吹き飛ばそうという乱暴な発想で作られたのが核弾頭搭載対空ロケット弾です。

 核弾頭搭載の無反動砲。
 歩兵部隊が簡単に運用できるように開発された核兵器。と書くだけで眩暈がしてきます。最初は肩に担いで発射できる感じにしたかったみたいですが、そこまでの小型化はできずに三脚で地面に設置するか、車両に搭載して運用されたそうです。実戦で使用されずに本当に良かった!

 核兵器を運用するのに核兵器そのもの以上に重要なのが、その弾頭を敵地に運搬する手段です。これは徒歩で敵地に潜入して、核爆弾を置いて戻って来る、というもの。脱出にはどれほどの時間を想定していたのでしょうか?

 狂気に満ちた兵器を見続けるとまともに見えてしまうけれど、冷静にかんがえるとやっぱりおかしい!師団単位に核ミサイルを配備したりしたら、有事に偶発的に使用されてしまう確率は跳ね上がってしまうと思います。

 最後までご覧いただき、ありがとうございます。本業のサイトも覗いていただければ幸いです。


いいなと思ったら応援しよう!

びぶ
もしサポートいただけたら、創作のモチベーションになります。 よろしくお願いいたします。