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Photo by
bibubibu
ウミサソリなのにカブトガニ?
さっそくですが、先日見かけたこちらの記事。
「萌え系覇者」ですって、AFP通信までアフィブログみたいなタイトル。もうこれは時代の流れで止まらないものなのでしょうかね。
まあ今回の記事で語りたいのはそれではなく、こちらの記事に登場する古生物が「安吉コダイカブトガニ」と紹介されていることです。カブトガニ?イラストはどう見てもウミサソリですが?と思ったら、本文にもウミサソリと書いてありました。
はてウミサソリにカブトガニと名前をつけても良いくらい分類的に近い仲間だったろうかと、ちょっと検索してみますと、Wikipediaの記述でだいたい謎が解けたように思います。というわけでちょっと解説。
日本語のウミサソリは英語のsea scorpionの直訳です。ウミサソリ目は広翼目とも呼ばれますが、これは幅広い翼の意味を持つEurypteridaという分類名の翻訳。中国語では广翅鲎となるのですが、これも広い翅で日本と同様に分類名を翻訳したものですが、その後ろにカブトガニを意味する「鲎」という漢字がついています。广翅=広い翅だけではよくわからないので、鲎の字で意味を補っているのでしょう。つまりこの場合「鲎」という漢字は文字通りのカブトガニを指すというよりは「古代の節足動物」程度の意味合いでとらえておくのが良いのではないかと推測されるのです。
以前、翼竜のケツァルコアトルスが「翼のある蛇」と訳されていたことを記事にしました。
学問的な名称に限らず、専門用語を翻訳する際は逐語的に直訳すると意味が解らなくなると思うのですが、時々見かけるんですよね。
トップ画像は今回の記事とは別種のウミサソリです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。
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