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生後1ヶ月半の子どもをつれて24時間の長距離フライトをした話(出国編)

広島→東京→ヘルシンキ→パリ


私の息子はフランス人とのハーフである。このたび、父親の育休をクリスマスホリデーに合わせ、2022年11月末からフランスへ1ヶ月の里帰りをすることになった。
それにまつわるタイトルの通りの話を、備忘録的に書いておこうと思う。
(ちなみにこれは、バシネットを予約できなかった人の話だ)

息子について

2022年10月生まれ。生後一ヶ月半。4500g。
昼夜はまだあまり定まっていない。1日12〜13時間睡眠。しかし6時間ぶっ続けで起きていても平気なタフさを兼ね備える、黄昏泣きするタイプ。ワクチンは何も打っていないが、そのことも小児科に相談済。(ちなみに、フランスに里帰りするんですとドクターやナースに言うと、親の体調を心配をされ、赤ちゃんの体調の心配はされない)
⚠吐き戻しやすい
※完全母乳

バシネットと座席指定について


移動時間はほとんど1日。もちろん飛行機である。
バシネット予約は失敗した。というのも、二人とも旅慣れていることもありネットで予約したら、バシネットどころか席指定もできなかったからだ。
結論から言うと、バシネットはなくてもいける。
ただ、いま隣でモロー反射を起こしている息子は、まだ4500gのため抱っこもそれほど大変ではなく、寝返りもうたないのでバシネットなしでもなんとかなったように思う。
機内では、腰まわりよりも大きめの授乳クッションとお腹の間のスペースに挟み込むようにして寝かせていた。

授乳クッションと腹の隙間に載せられている息子。シンデレラフィット
上から見たところ。頭の下には腕を置いているため、徐々に腕が痺れてくる。タオルなどで工夫すると楽

上記のようにバシネットはともかくだが、席指定はしたほうがいい。少し割高でも旅行代理店に頼むか、直接航空会社に連絡するべきだった。
泣いてあやす、おむつを替える、など、大人よりも圧倒的に席を立つ回数が多いため、窓際の席よりは通路側の席の方が便利だからだ。

手荷物について


ところで、息子は吐き戻しが多く、フランスで使う赤ちゃん用品については数も少ないため全て手荷物にすることにした。前日に母乳外来に行き、時間に関わりなく母乳の出が良いということがわかったため完全母乳に切り替えたが、何かあったときのために液体ミルクと使い捨ての哺乳瓶も持ち込んだ。おむつの量も、4日くらいは余裕、という量を持ち込んだ。
量にして、小型スーツケースひとつ、大きめの旅行バッグひとつ、そして大人の手荷物、授乳クッションである。
そんなにいらなかった。
手荷物が増えると単純に移動が大変になり、大人の負担が増える。そうすると夫婦間の雰囲気がやや険悪になる。
おむつ替えについても、うんちはともかく、おしっこについては何回か放置することのほうが多いと思うので過度に持っていく必要はなかった。機内のおむつ替えシートはなかなかに使いづらく、家と同じように頻回に替えるというのは難しい。こんなに寝ているのに起こしてまでおむつを替えなくてはいけないのか、泣いたらどうする?と考えたら、誰だっておしっこであれば2〜3回はスキップすると思う。ただこれも、月齢にともなって一度の量が増えるとスキップは難しいのではないかと思う。我が家で使用しているおむつはパンパースだが、おむつによってもこのあたりは変わってくるだろう。

広島→東京


彼の初フライトである。ここは授乳クッションを使わなかった。単純に席が狭いので使えないのである。
耳抜き対策としてはおしゃぶりを使用した。私は母乳の出がいいので、あまり飲ませてしまうと吐いてしまうからだ。1時間半の短いフライトではあるが、飛んでいる最中はよく寝てくれた。
ここでは子ども向けのアメニティとして、飛行機のおもちゃかマグカップか選べたので飛行機のおもちゃをいただいた。

緊張している様子

東京→ヘルシンキ

およそ14時間。本番である。ウクライナ戦争のため、北極周りでフライト時間が伸びている。
乗り継ぎは2 時間ほどだったが、空港内で迷ったり授乳したりしていたのでもう少し余裕を見ておいたほうがよかった。短いほうが楽だろうと思ったが、実際はその逆だった。カウンターでの席の交渉も全くできなかった。
3列シートの窓側と真ん中という一番やっかいな席順だったのだが、乗客は半分いるかいないかだったため、通路側があいており、広々と使えた。
最初は少し泣いていたが、飛行機が飛び始めるとすぐに寝た。なんならいつもよりよく寝ていた。
普段の夜は1時間から2時間おきに起きては泣いているのに、このたびはこちらが起こして授乳させないといけないくらい寝ていた。そして授乳後もすぐ寝る。親としてもいつもよりよく眠れたくらいだった。
そもそも彼はドライブと抱っこが大好きなので、飛行機というのはそれが2つ合わさって最高に寝やすかったのかもしれない。
授乳については授乳ケープが使いづらすぎて嫌になったので、家でもっと事前に練習しておけばよかった。
おむつ替えシートについては、フラットなプラスチックの板ため固くて滑りやすく、暴れたり揺れたりしたときに、これ、落ちるんじゃないかと思うことがあった。アメニティの枕を持っていけば硬さ問題は解決だが、落下問題については最後まで少し怖かった。使用済おむつについてはキャビンアテンダントさんに聞いたところ、ゴミ箱に捨てても良いということだったので、オムツ用の防臭袋に入れた上で捨てさせてもらった。一度、おしっこ噴射を2回連続でされたときは、何もかもびしゃびしゃになって、笑うしかなかった。
そんなこんなでほとんど寝たままでヘルシンキに到着。うんちやおしっこもしっかり出せていて、心配だった脱水や体調不良問題はなさそう。
ここではムーミンのよだれかけ、あと、北極周りだったため、北極圏を通りましたという記念シールと証明もいただく。

ヘルシンキ→パリ

早くついたため、待ち時間は4時間ほどになる。
荷物が多いためいつも手荷物検査で長くなる。せっかく優先的にしてもらっているというのに。
フィンランドといえば福祉大国。そのため、授乳室を期待してたが、おむつ替えルームはあるが、授乳室的なところはない。

広島空港の授乳室。エアコンもあり、給湯施設もある。羽田も同じ感じ。とてもきれいで使いやすい。


ヘルシンキ空港のおむつ替えスペース。シートはふかふかで、大人用と子供用の便器、シャワーはあるが授乳するような雰囲気ではない。シャルル・ド・ゴール空港も同じような感じ。もちろん給湯器はない。私は完全母乳なので特に不便さはなかったが、ミルクの人は機内でお湯をもらうか液体ミルクのほうがいいだろう。

搭乗の時間は、日本時間だと彼の黄昏泣きがはじまる時間に相当した。どうなるかなと思っていたら、やはり泣いた。優先的に乗り込んでいたため動き回れず、焦る。このときも窓際だったが、通路側の方が代わってくれ、なおかつ、キャビンアテンダントさんによりその方の席移動も可能になった。ありがたいことである。キャビンアテンダントさんは何かとよく話しかけてくれ、「泣いても大丈夫。みんなで乗り越えましょう。私達はひとつのチームだから」などの温かいことばをいただいた。航空性中耳炎のことなども教えてくれたり、ほんとうに優しかった。母乳のことも心配してくれ、「飛行機は乾燥してるし、しっかり飲まないと母乳出ないから」と水をたくさん持ってきてくれた。
なんだかんだで息子は飛行機が飛んだら眠ってしまったが、人の優しさを一番感じたのがこのフライトだった。
ちなみに、トイレが狭かったためおむつを替えられる自信がなく、おむつにはそのままパリまでがんばってもらった。とても頑張っていた様子がみてとれた。

まとめ

心配していた長距離フライトだが、案ずるより産むがやすしというように、思っていたよりもずいぶん快適だった。息子がずっと寝ててくれたから、というのが一番大きかったが、周りの人が何かと助けてくれる。
そもそも一ヶ月半の乳児を見ることが少ないのか、国を問わずどこへ行っても誰かが話しかけてくれる。よく見る「こんな小さい子を連れて外に出るなんて」と面と向かって言われたという話は、あれは体験した人がネットに書くから相対的に多く見えるだけで、実際はアイドルである。
(ちなみに、生後一週間の時に市役所に出生届を出しに行ったが、その時も特に何も言われなかったし、かわいいかわいいと言ってもらえた)
広島空港では「うわ〜赤ちゃん、最後にいいものが見れてよかった」と観光客の人に言われ、羽田では若い男の子のスタッフが「来年姉に子どもが生まれるんです」と笑顔で教えてくれ、機内であやしていると「かわいいね〜」と何度も声をかけられる。
泣き声がうるさかったらすみませんと言えば(内心はともかく)、まだ声が小さいから全然大丈夫と言ってくれる。
実際、幼児と比べると泣き声もふにゃふにゃしているのは確かだし、昼夜も定まっておらず、寝て起きて食べるだけくらいしかしない乳児を連れてのフライトは、幼児に比べて楽かもしれない。
ちなみに、飛行機の中でまとめて寝てたから、これを期にまとまって寝るようになったかなと思ったが、そんなことはなかった。

記念写真をたくさん撮ろうと思っていたがそんな暇はなかった。これはヘルシンキ空港にて。



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