寝坊したらキ○タマが片方なくなった話2。入院前日と当日。

 翌日8月6日、お薬手帳を持ち再度受診となる。
とはいえ飲んでる薬の確認のみであり、話自体はすぐに終わった。入院時の説明、必要なものを書いたパンフレットを渡され、そのまま解放となる。そして、必要なものの買い出しに行く。病衣は借りるつもりであったので、準備自体も適当である。入院予定も3泊4日と短期なのだし、気張って用意する事もなかろうと思っていた。

そして入院日。午前10時、受付をすませる。混雑している受付カウンター付近のベンチにて、所在なく荷物を抱えて座っていると、病棟の看護師に声をかけられ、病室に案内となる。

適当に荷物を置き、別室に案内され、入院スケジュールや受ける手術、手術後の対応などの説明を受ける。渡された用紙にはわかりやすい書き方がされており、読めば特段の疑問点はなかった。初日はCT検査のみで終了となる。

私はCTは初めてのため、どういった流れかはよくわからなかったのだが、とりあえず流れには勢いがあった。造影剤を点滴で入れるので、針だけ刺しておくとの事で、右手に留置針をセットされ、そのまま昼食となる。利き手に針の違和感がありながらの食事は、正直気分の良いものではなかった。

食後、いつ点滴が始まるのかと、荷物を備え付けの棚に出しながらいると、先ほど案内を受けた看護師から「ご案内します」と声がかかる。あれ、点滴て時間がかかるもんじゃないの?

 聞けば、造影剤は点滴というより注射のようなものらしい。CTのベッドに寝そべり、両手を上に挙げるよう指示を受ける。一度撮影の後、角度でよく見えなかったが、留置針になにかを接続され、一瞬で造影剤を入れ再度の撮影となる。具合悪くないですかー、なんかあったら言って下さいねー、と怒涛の勢いであった。特に気分が悪くなる事もなく、そのまま終了となる。横に看護師が付いた状態での検査は初であり、そんな具合悪くなる人多いのかなー、と呑気に考えベッドから降りる。

その日、もうやることと言えば、翌日の手術に備え、下剤を飲むことぐらいらしい。針を抜かれ、明日に反対側の腕に針だけ刺しておく、と説明を受けて解放された。そうすると、残りは暇な時間となる。

 現在、法で病院敷地内は完全に禁煙となっている。私は喫煙者のため、この法はかなりヘビーな嫌がらせであった。まあ、良い機会なので禁煙する事になるのだが、どうにも口の中がムズムズするし、何より手持ち無沙汰である。病院内は、暇なのだ。タバコは気分転換にのみ、優秀ではあった。

 夕食を済ませ、19時頃に下剤を渡され内服。私は介護をしているのだが、仕事でよく見るプルゼニドという錠剤だった。

 かつて、ウイルス性大腸炎で入院したことがあるのだが、その当時飲まされた下剤をふと思い出した。たいしてうまくない、謎のスポーツドリンクのようなものを大量に渡され、「カメラで腸内見るので、これ飲んで腸内キレイにして下さいね」と言われた日の事である。その謎のスポーツドリンクを飲んでは、尻からそれがそのまま出てきたかのような噴射をして、お尻がヒリヒリした。そして、仕事でも入居者が下剤を飲み便失禁などがあるので、正直全く下剤には良い思い出がない。腹痛くならないといいなー、と願い、21時消灯となる。

窓がやけに眩しいな、と薄いカーテンをめくると、隣のコンビニの看板が煌々と輝いていた。なんか鬱陶しいとは思ったが、どのみち夜型であるし、明日の手術もあり、21時以降絶食指示があり、何もつまめないし、何より気になって眠れない。

クレームは勘弁したるわと恩着せがましく床についた。そしてこの入院生活で、平穏に過ごせた夜は、この日だけであった。

いいなと思ったら応援しよう!