【ロウキさまとわたし】人生の最推しとの出会い
最推しの話がしたいので、します。
今回は出会いのお話。
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出会いはそう、ゲキレン放送時に出た「スーパー戦隊超全集」という分厚い本のガオレンのページの敵組織紹介の片隅。
すごいちっさいスペースにお写真(ちいさい)と説明(短い&ネタバレ)が載っておりました。(パワーレンジャー版のページにもいたような、いなかったような…?)
今のわたしなら「もっと写真とスペースでっかくしろよ!!最低でもページの六分の一ぐらい使えよ!!」って憤死するレベルの小ささでした。
なにぶん当時は保育園の年長さん。幼かった筆者が、そのちいさなちいさな出会いを気に留めることはありませんでした。
そして数年後。中学生になってから。
小学6年生の時にキョウリュウジャーのおかげでハイスピード出戻りを果たし、立派な特撮オタクになった筆者。
pixivで特撮の二次創作やしぶ百科事典の記事を漁っているうちに、ガオレンの追加戦士の月麿さんに興味を持ちます。人生初の推しであるウッチーのモチーフと聞いて、黙っていられるわけがありません!
検索をかけているうちに素敵な二次小説に出会い、そこでロウキさまというキャラクターに初めてがっつり触れました。
ここでようやくロウキさまにも興味が湧いてきます。
戦隊の追加戦士が好きで、自分が生まれた近辺の特撮(ハリケンとか剣とかリュウケンドーとか)を観るのにハマっていたこともあり、いよいよガオレンに手を出しました。
ですがここで、せっかちな筆者ちゃん(中学生)はとんでもない行動に出ます。
───「それまでの話をすっ飛ばしていきなりQUEST17から観る」…通称「つまみ食い」です。
過去のわたしに言いたい。「せめてQUEST15からにしろよ!!!!!」
…白状します。待てなかったんです!!さっき言った超全集についてた各話リストと二次創作で大体の知識や時系列は把握してたので途中からでもある程度大丈夫だったんです!!
まあ、そんなこんなでわくわくしながら再生したQUEST17。
思えばこれが沼への入り口でした。
トンネルの向こうから聞こえてくる、美しくどこか哀愁を帯びたメロディ。
赤黄黒が身構える中、トンネルの中から悠々と歩いてくる誰か。
闇の中でぼんやりと光る、満月みたいなふたつの黄金色。
張り詰めた静寂に笛の音がしっとりと響く中、トンネルの暗がりの中から現れる…漆黒の影。
───そう、ロウキさまです。
今思い出してもいい意味で鳥肌立ちますし、大好きなシーンのひとつです。
造形、色使い、腰回りのひらひら、口調…性癖と厨二心にどストライクでした。
楽器持ちでそれを活かした登場をするキャラも、このテのライバルキャラも大好きです。
まさしく「Un coup de foudre」…雷の一撃・出会い頭の一目惚れ。
思い出補正もあるだろうけど…でも、ここでビリっと運命感じたのは確かです。
ドキドキハラハラしながら迎えたQUEST21。
(サブタイの割にヤバツエのシーンが多いけど一応)ロウキさまのメイン回。
狼犬の仔犬を助けて、手当てするロウキさま。
「もうゆくがよい。俺といると、今度は怪我では済まんぞ」
今まで聞いたことのないような、すごく穏やかで優しい声音で。
「お前、仲間がいないのか?」
ちょっとだけ自嘲するように笑って、
「───同じだな…」
と。
…ひとりのオタクが沼に沈んだ瞬間でした。
それはまさしく「光」で。ヒーロー達とは違う、宵闇の中でふんわり輝く月のような、優しい光。
「他のオルグはロウキさまにとって仲間じゃないんだな」
「自分の孤独を、ロウキさまはちゃんと自覚してるんだな」って。
「その心を、想いを、もっと知りたい」と強く思いました。
その後のシーンで刃を向けてまで不器用に仔犬を引き離して、ひとりになってからぽつんと呟く。
「───生き抜いてくれ…たったひとりで。それが狼の宿命…」「俺には、ガオレンジャーを倒すという使命があるのだ」
ここがもう、本当に切なくてかっこよくて…!!
でも、沼った矢先のQUEST22〜23でロウキさま推し的にものすごくしんどい展開があって、最初の目的だったはずの月麿さん登場が全く頭に入ってこなくて。
詳細を語ると厄介オタクになってしまうので、これに関しては言及を控えます。
だから、一言だけ。
「───覚えてろよ、某緑のハイネス」
そんな一連の流れを経てしばらくしてから、QUEST15・16を観ました。
最高でした!!特にQUEST16の情景描写と映像美がすごい!!
YouTubeでの配信含め、何度見返したことか…!
だからこそ、QUEST26を見る踏ん切りをつけるのには数ヶ月かかりました。
その間に15と16を何回も反復横跳びした覚えがあります。
最初はテンション爆上がりだったけど…でも、後半に近づくにつれて段々不安というか、怖くなってきて。
この状況であまり見たくない緑色がちらつくし。
推しの死は、何度観ても、作品が変わっても、どうしたって慣れないし。慣れたくなんかないし。
───どうか、私の中からあの優しくてかっこいいロウキさまを消さないで。ころさないで。
届かないことなんて何ヶ月も前からとっくに分かってたのに、失いたくなくて、さよならしたくなくて、必死に願って。
でも、届かない。
ただただ悲しくて、泣きました。
生きて欲しかった。
報われて欲しかった。
それだけなのに。
「せめて月麿さんの肩の荷が降りてくれれば」っておもったけど、次のシーンで件のハイネスが出てきた瞬間「てっめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」と殺意のシャウト。
二度、私の淡い願いは打ち砕かれました。
もしFGOを知って以降に観始めていたなら、きっと【吼え立てよ、我が憤怒】撃ってました。
それ以降はもう、しんどくて。
見える範囲の世界からいなくなってしまったのが悲しくて。
ふとした瞬間に、ロウキさまの姿や面影を探してしまってつらくなって。
その上で、千年の邪気が利用されまくる事実にこの上なく憤慨して。(Zの8話を初めて観た時、リクくんの台詞に心の中でヘドバンしながら同意するくらいに)
結局、月麿さんが本格参戦してからちゃんと頭に入った&まともに観れた話はQUEST25だけで、トラウマと名高いQUEST30〜31を迎えることなく、「今後はQUEST15〜QUEST21+QUEST25しか見ねえ」と強く誓うことに。
せめて、思い出を強く深く胸に刻みたいから。
それから数日。
「あれじゃあまた暗闇の中でひとりぼっちだ」「ハピエンはないのか」と枕を涙で濡らしていた筆者の脳内にふと蘇る、ドライブのチェイスの台詞。
「胸が…キュン…?」(ド低音)
そして気付いたのです。
「これが…恋…?」
初恋です。
それも、「思春期ど真ん中の」初恋です。
思春期。世間では色恋沙汰が顔を覗かせるであろうお年頃。
長らく空席だったそのポジションを見事勝ち取ったのは、ロウキさまでした。
…それも、実質的な退場回であるQUEST26を観た後に。
そしていつのまにか、筆者の恋愛対象から普通のホモ・サピエンスは消え去り、ロウキさまだけが残りました。
きらきらの思い出と、甘酸っぱい想いと、いつまで経っても消えない爪痕を遺して、ロウキさまはお空の星になりました。
ひどいひとです。こんだけ好きにさせといて、逝ってしまうなんて。
オーブ劇場版で、去っていくガイさんの背中に「ガイさんのばかー!!」と叫ぶキャップの気持ちが、ものすごくわかります。
気づけばそこは沼の底。
かくして少女は、ロウキさま限界オタクになったのです。