
拡散 | 2025-01-16
年始早々昨年の話で恐縮なのですが、年が変わったからといってそこに劇的な断絶や革新があるわけではなく、地続きなので仕方ないとご了承いただきたいということを踏まえて近況のお話をすると、12月の半ばから年始にかけて義父を巡るあれこれで疲弊しておりました。まず、義父はこれまで2回胃癌の切除手術をしており、家族に内緒で3回目の手術を受ける予定だったのですが、その検診の際に心臓に一部懸念あり、ということで緊急入院することになり家人に連絡が来ました。家人は慌てふためき、ここからキノコ家の年末年始の予定がなし崩し的に変更になり、介護の予兆とでも言うべき対応が始まりました。家人は昼間は仕事、夕方からは病院に日参し、食事のケアや洗濯物の管理をし、キノコは義父不在の間の義父宅の荷物の整理(サブスクライブで届く卵や牛乳が玄関に放置されるのでその回収)などを承りつつ、年末年始の帰郷予定を全部変更して久しぶりに東京で年越しを迎えることになりました。まあお陰で年末にあるパーティーに行くことができたので、いればいたでやることはありますし、それはまあいいのですが、なし崩し的に病人食を作ることになるとか、子らに義父の家で過ごすことを強要するとか、クリスマスを家族で過ごせなかったとか、不満が残らなかったわけでもないというところがこの手の話の難しいところです。程度の問題はあれど、介護というのはこうして始まるのか、という唐突に降りかかる優先順位の変更や、家が近いんだからお前がやれ的な親族からのあしらいといったアレコレに触れることができたのは、大事になる前にお試しができたという点では良かったのかなと思っております。ちなみに、年末に一度退院したのですが、年始5日にまた術後合併症としての腸閉塞により12日まで入院しており、なかなか油断がならないなというところです。
今年は我が家の解体が始まるので、遅くとも6月末には引っ越しを終えていないといけないわけですが、義父と暮らすという予定になっているため、年末年始の時間というのはそのシミュレーションでもありました。正直なところ、仕事が休みの期間だったので対応できたというか、何とかなったというところがあり、家人がいつものように一日15時間働くような状況で色々成り立つんだろうか、というのは甚だ疑問ではあります。リノベをする予定はないのですが、ちょっとした造作などは必要なのではないかという懸念もあり、その手配もそろそろ考えないとな‐という感じではあり、何事においても計画を立てるのが苦手なキノコとしては気が重いというところであります。まあそんな感じで年末年始はそう遠くない将来に起こり得るであろう介護や、もう数カ月後に迫っている引っ越しといったことに思いを馳せつつ過ごしおりました。
そんな中で、ちょっとは読書の時間もあったので、竹田ダニエルという人の書いたZ世代論を3冊読みました。Z世代論という括りで帯や販促が行われていたようなのですが、読んでみると生きづらさ2020年代版といった内容でした。まあどんな世代論でもそうですが、その世代特有とされる新たな価値観というものを取り上げつつ、その価値観が生まれた背景について批評をしていくという構成で、2025年現在この世界に生きているキノコにとって、なるほどね、となるものもあれば全然分からない、となるものもありました。特に女性の間で広まったとされるムーヴメントについては、そもそも性差ゆえみたいな反応もどうか、というところはあるのですが、すんなりと理解できたとは言えないままの読後感でした。
ここから先は
¥ 100
九段下・Biblioteque de KINOKOはみなさんのご支援で成り立っているわけではなく、私たちの血のにじむような労働によってその費用がまかなわれています。サポートをよろしくお願いいたします。